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[Zola Jesus]これまでPitchforkやWIREといった前衛寄りメディアにとっての愛され系歌姫だったゾラ・ジーザスの新作『タイガ』は、そんな枠に留めてしまうのはもったいない。彼女本来の内省的なムードを残しながら、同時にポップ方向へと大きく舵を切った一枚だ。

手インディを代表する歌姫グライムスや、FKAツイッグス、バンクス、スカイ・フェレイラなど、メインストリームど真ん中のポップ・ソングからはやや距離を置くダークな歌姫たちがシーンを席巻している今日この頃。そうなれば、次に聴くべきアルバムは間違いなくこれでしょう! ブレイクコアを彷彿とさせる奇抜なビート、全編に広がる煌びやかなポップのエッセンス、オペラ的でクラシカルな魅力を持った歌声――。これまでPitchforkやWIREといった前衛寄りメディアにとっての愛され系歌姫だったゾラ・ジーザスの新作『タイガ』は、そんな枠に留めてしまうのはもったいない。彼女本来の内省的なムードを残しながら、同時にポップ方向へと大きく舵を切った一枚だ。

『タイガ』ジャケ写

■インディの暗黒女王がポップ・スターに変わるまで

ゾラ・ジーザスことニカ・ダニロワは、2010年代にインディで流行したダークウェイヴ~ウィッチハウスなどの最初期からそんな音楽性を追究していた人物で、グライムスやファーマコンら昨今のキテレツ系女子の源流にも位置する“USアンダーグラウンドの若き暗黒女王”。米セイクレッド・ボーンズから発表した10年の『Stridulum II』で知名度を上げると、ミニマムな世界が広がる前作『コナトゥス』にはあのデヴィッド・リンチがリミックスを提供。以降はノイズ/インダストリアルの先駆者J.G.サールウェルと組んで自分の曲をオーケストラ・アレンジに改作した。

そして3年ぶりのオリジナル作品『タイガ』では、なんとデペッシュ・モード作品などで知られる英〈ミュート〉に移籍。先行シングル“デンジャラス・デイズ”はメインストリームの歌姫かと思うほど煌びやかなニュー・ウェイヴ風のエレクトロ・ポップで、そのイメージは一気に覆ることになる。実はこの曲、『コナトゥス』の制作中にデモが制作されながら、「ポップ過ぎる」という理由で候補から外されたもの。ところが後に仕上げてみると、彼女はこの曲にむしろ愛着を持つようになっていったそうだ。そしてこの体験は、これまでアヴァンギャルドな音楽性を追究してきた彼女に、ポップへの本格的な扉を開くことになった。

Zola Jesus – Dangerous Days (Official Video)

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Qetic編集部

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