昨年12月にリリースされたセカンド・アルバム『SILENT PLANET』では豪華ゲストを招集し、エレクトロニック・ミュージックを基調にしながらもヒップホップ、レゲエ、ラウドロックといった多ジャンルを横断。コンセプチュアルなストーリー性を追加することで、まるで10年代のシーンの魅力をパッケージングした彼流の「音楽賛歌」とも言える作品を完成させたTeddyLoid。彼が今回、そのスピンオフ~リコンストラクト版として、KOHHをフィーチャーした最新EP『SILENT PLANET 2 EP Vol.1 feat. KOHH』をリリース! ここでは両者の魅力をまとめることで、最新EPの魅力を紐解いていきましょう。

ジャンルの垣根を破壊してきたTeddyLoidの集大成『SILENT PLANET』。

TeddyLoid 「SILENTPLANET」 Trailer

00年代後半を契機に才能溢れるアーティストが登場し、今まさに活況を迎える日本のトラックメイカー周辺の音楽シーン。中でも初期から「東のTeddyLoid、西のtofubeats」と称され、そのトップランナーとしてシーンをけん引してきたのがTeddyLoid。彼は弱冠18才にしてMIYAVIのDJ~サウンド・プロデューサーとしてワールドツアーに同行すると、以降も柴咲コウ&DECO*27と共に結成したgalaxias!などでポップ・シーンに進出。DJの現場で最新の音楽シーンを横断する一方で、ももいろクローバーZのセカンド・アルバム『5TH DIMENSION』では、彼女たちが「進化を目指した」アルバムのキー・トラックとなる“Neo STARGATE”のアレンジを手掛け、収録曲をファン投票で選んだももクロ初の公式リミックス盤『Re:MOMOIRO CLOVER Z』の制作も担当しました。

ももいろクローバーZ/Neo STARGATE

一方で自身のオリジナル・アルバムでは、クラブ・シーンの先端を取り入れつつ、「テディ少年とその代替アンドロイド=TeddyLoid」を題材にしたストーリー性の強い作品を制作。14年の『BLACK MOON RISING』では「少年の孤独」をテーマに作曲からアレンジまでを1人で完成させると、2作目『SILENT PLANET』 では一転多彩なゲストを招集し、「言葉やコミュニケーションが禁止された“沈黙の惑星=SILENT PLANET”から、音楽の力で人々を解放する」レジスタンスの戦いを描写。『魔女の宅急便』などで挿絵を手掛ける佐竹美保のイラストで聴き手の想像力を刺激しつつ、中田ヤスタカや☆Taku Takahashi 、小室哲哉、tofubeatsや池田智子(Shiggy Jr.)、佐々木彩夏(ももいろクローバーZ)、柴咲コウ、近田春夫、JUN 4 SHOT(FIRE BALL)、志磨遼平(ドレスコーズ)らとともに「音楽を解放する=あらゆるジャンルの垣根を壊す」彼の活動のひとつの到達点とも言える作品を手に入れています。

TeddyLoid – M1「Game Changers with 中田ヤスタカ(CAPSULE)」 (Preview) from “SILENT PLANET”

TeddyLoid – M9「VIBRASKOOL feat. 近田春夫 (Professor Drugstore a.k.a. President BPM) & tofubeats」 Preview

TeddyLoid – M4「Secret feat 池田智子 from Shiggy Jr.」 (Preview) from “SILENT PLANET”

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