音目から全身の血流が倍速になり、心拍数も上昇、瞳孔全開、いてもたってもいられず気付けば立ちあがって咆哮したくなるような作品『Tremendous CLassixx(トレメンダス・クラシックス )』を3月6日(水)にリリースするT.C.L(THE CHUNK LEGEND)。

まだ知らないという方には、あのWAGDUG FUTURISTIC UNITYやTHE MAD CAPSULE MARKETSのKYONOとGERONIMO、MGTのYAMADAが中心となって結成された前代未聞のスリーボーカル(!)ロックバンド、と言えば全身の毛が粟立つのではないだろうか。この2人を筆頭にRYO(Vo)、TORUxxx(Gt)、BITCH(Ba)、SHIBUYA(Dr)も長い間音楽シーンで独自の世界観を貫徹してきた猛者たち。この荒らぶる6人が集まって、スラッシュ/ハードコアを基軸とした太い音楽を鳴らし続けるものだから、それはそれはライブも音源も大変な熱量となるのも無理はないのだ。

そんなT.C.Lが結成からじつに約6年もの歳月を経て、リリースする初のフルアルバム『Tremendous CLassixx(トレメンダス・クラシックス )』は、まさにこの6人が長年蓄積し続けてきたあらゆる感情が激重なうねりと共に克明に記録された作品に仕上がった。

自主イベント<FREAK OUT SHOW>やデモ音源のフリーダウンロード、ライブ会場限定CDの配布など暗躍してきた彼らの創作の秘密などを暴くべく、Qetic編集部はもはや恒例の古川タロヲと共に突撃取材を敢行しました!!! KYONOとYAMADAの2人の意外な一面も垣間見えたインタビュー、とくと御堪能あれ!!!

(text by Ken Suzuki)

★インタビュー最後にT.C.Lスペシャル動画コメント掲載!

Interview : KYONO , YAMADA(T.C.L)

あのTHE MAD CAPSULE MARKETSの活動休止直後、KYONOさんがはじめたバンド、T.C.L (THE CHUNK LEGEND)。活動自体は知っていたものの、その音は聴いた事がなかった。THE MAD CAPSULE MARKETSもそうだが、ソロ・プロジェクトとして、WAGDUG FUTURISTIC UNITYにおいても柔軟な音楽性を追究しているKYONOさんがT.C.L (THE CHUNK LEGEND)で表現している音は、自分にとって意外でもあり、思った通りのような気もした。あえて「人力」という言葉を使わせてもらったが、それ故のウネリ、揺らぎがある。決してコンピューターでは計算できない。

――古川タロヲ

Music Video:DIS THE POWER

Music Video:SO WHY?

タロヲ(以下T):KYONOさんはお久しぶりです。そしてYAMADAさんは初めましてですね。今日はよろしくお願いします! まずは音源を聴かせてもらった感想なんですが、なんというか・・・うねってますね。初期衝動と新鮮な感じが交互に入り交じった感じです。

KYONO(以下K):ありがとう。

T:昔のハードコアのライヴって、何でか理由は分からないけど、誰かしら誰かに殴られてたじゃないですか? その時の衝撃と、ヤバさが蘇って来ました(笑)。

YAMADA (以下Y):昔もそうだったし、今もあると思いますよ(笑)。

T:最近のKYONOさんの音とか、後期のMADの音を聴いてた感じから、オール人力(打ち込みナシの意)なんだ?っていうのが素直な感想なんですよ。しかも、直球でハードコアじゃないですか?

K:自分達としては、ハードコアやってます!っていうより、ロックだと思ってるんだけどね。でも人力だよ(笑)。

Y:人力(笑)。

T:今回 1st FULL ALBUM『Tremendous Classixx』が発売になりましたが、結成自体は2006年とかですよね?

K:それくらいかな。

Y:いや、スタジオに入り始めたのは2005年位じゃない? で、ライヴが2006年。

K:そうか、初ライヴが2006年だ。

T:もともと面識があって結成したという感じなんですか?

K&Y:そうですね。

T:じゃあ以前KYONOさんが「地元の仲間とは、酔っぱらうとカラオケでサザンを歌う事もあるんだよ。」と言ってましたが、そんなKYONOさんをも知っている間柄なんですね(笑)。

Y:(笑)そう。

K:(笑)まぁ、お互いバンドをやってたつながりで、15年位の付き合い。

T:2005年位にスタジオに入り始めたという事でしたが、バンドの構成というか、3MCのスタイル的なものはスタジオに入る前から構想があったんですか?

K:最初はね、俺ともう一人のMCのRYOでスタジオに入ろうって話から始まって、スタジオに入ってセッションをしてたんだけど。

Y:2回目のスタジオの時かな? 俺が遊びに行って。

K:うん、それでYAMAちゃんも入ってよ、みたいな軽い感じだったんだけど「あ、3MCいいじゃん」って思って。だから特に最初から構想があってっていうのでは無かった。あくまで遊びから始まってみたいな感じかな。

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T:ボク個人的には、ハードコアで3MCっていうスタイルを聴いた事がなかったんですけど、コレって珍しいですよね?

K:MGTも3MCだよね。

Y:MGTっていうのは俺がもう一個やってるバンドなんですけど、それは曲ごとにMCが変わるってスタイルだから。

K:一曲の中に3MCが交互に歌うっていうのはなかなか無いし、面白いんじゃないかなって思って。

Y:隙間無く歌が入ってっていうね。

T:それがウネリになって聴こえるんでしょうね。明らかにバンドがかもしだすグルーヴとは別のウネリですよね。

Y:そうかもね。

T:ベースの音とかもメチャクチャ固くてバッキンバッキンいってるじゃないですか? でもそこに3MCが交わると一個の円になるというか・・・。

K:うん、だから声も楽器みたいな感じだよね。

T:はい、なんていうかこう重低音vs重低音っていうのか、しつこいようですけどやっぱりウネってるんですよね(笑)。

K:(笑)まぁ、そんな感じで始まったバンドだから、ゆるく活動してて、スタジオ入って曲をためて、2006年に初ライヴやって、自分達のイヴェントもやりたいねなんて話してて。

T:それが<FREAK OUT SHOW>?

K:そう。最初は仲間のバンドを集めてみたいな感じで始めて、年に1、2回は続けて来て、今に至るというか。

T:その間メンバーチェンジもあったりしたんですよね?

K:それぞれバンドの活動とかもやってるしね。

T:それでも続けてきたバンドでもあるともいえますよね?

K:うん。だから曲も作って来たし、アレンジも固めて、メンバーも固まったし、6年やってきてやっと1st Album作ろうみたいな、というかそろそろ出したいねというか(笑)。

Y:(笑)。

T:今回の『Tremendous Classixx』が1st Albumになりますけど、これまでも会場限定のCDは発売してましたよね?

Y:CDを販売っていうか、ステッカー買うとCDが付いてくるっていう(笑)。

K:(笑)。

T:斬新ですね〜(笑)今回のアルバムにもその会場限定のCDの音源は入ってるんですか?

K:うん。入ってるけど、アレンジが違うし、メンバーも違う。

T:じゃあ会場限定のCDは販売方法も含め、相当レアなアイテムですね(笑)。

T:アルバムタイトル「Tremendous Classixx」については。

K:これはYAMAちゃんが考えて来て。

Y:T.C.Lって文字は入れたいなって思っていて、響きも良いしと思って。

T:曲作りに関してはどんな感じで進めてきたんですか?

K:基本メンバーがアイディアとかリフを持ち寄って演奏を固めて、ジャムっていくうちに構成していく感じですね。

Y:あ、ココ俺歌いてぇって言って(笑)。

T:挙手制?(笑)じゃあリリックに関しても相手の歌詞を受けてみたいな感じですか?

K:リリックはね、一番後ですね。まずは演奏聴いて歌をこんな感じで乗せようか?っていうのが決まってから。

Y:今回新曲を2曲作ったんですけど、まずは楽器で演奏を固めたいっていう話になって、バンドだけでスタジオ入ってたんですよ。で、俺らは時々スタジオに遊びに行って「あ、出来てるじゃん!」みたいな感じでした(笑)。

K:そう(笑)で、いいじゃんいいじゃんっていって歌を乗せて出来たのが1曲目の”Dis The Power”。

T:もうそこはバンド内の「あ・うん」の呼吸が出来上がっているんですね。でも、アルバムを聴いて思ったのは曲順は相当考えたんじゃないかな?と思いました。個人的にあの流れは凄くツボでしたもん。

K:曲順は結構考えたね。

Y:うん。

★インタビューまだまだ続く!
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