――コムアイさんが、水曜日のカンパネラに加入することになった経緯はどのようなものだったんでしょうか。

Dir.F 目黒で知人の映像作家の旅の報告会という名のホームパーティーがあって、その会場でたまたま会ったんです。「川崎から自転車でここまできた」とか言ってて。その場で高校時代にスポンサー集めて、キューバ旅行行った話とか、NGOをやっていたみたいな、色々な話を聞いているうちに「なんか活発で面白い子やなぁ」と思う様になって。それに話し声とかも特徴的で歌ってみたら良いんじゃないかと思って、水曜日のカンパネラ(というプロジェクト)に誘ったんです。

コムアイ え~? 絶対、あんまり考えてなかったでしょ! キャラクターが面白かったら、歌も踊りも出来なくていいって思ってましたよね(笑)。

Dir.F そんなことないよ。声質はすごく良かった(笑)。でも、やる気があるとかないとか、音楽やってたとかやってないとか、そういうことは重要ではなくて。Kenmochiさんの曲で何かやってみたいってのが大きかったので、楽曲と化学反応を起こせるようなパーソナリティーをもっている子を探していたんですよね。

水曜日のカンパネラ “マリー・アントワネット”

――Kenmochiさんは、水曜日のカンパネラというプロジェクトでは、どのような音楽的なヴィジョンがあったんでしょうか?

Kenmochi コムアイとバック・トラックのハマりの悪さみたいなものを活かしたポップスをやりたかったんです。柔らかくてフォーキーな音っていうよりは、コムアイのヴォーカルでラップをやるっていうのが違和感あって面白いんじゃないかなと。普通のポップスとは逆のアプローチでやってみたかったんです。

コムアイ ラップ苦手だからこそ、やろうよって話もありましたよね。

Kenmochi そうだね。あと、ファーストの頃は、自分が作ってきたバック・トラックにヴォーカルをただのっけるって形態だったんですけど、セカンドを作る前に機材を一新したこともあって、平たくいえば、EDMとかクラブ・ジャズっぽい曲とか、ミニマル・テクノみたいなちょっと凝ったトラックも採用しましたね。

次ページ:本当にただの悪ノリですよねぇ。セカンドの『羅生門』は・・・。ーーコムアイ