に、遂に、遂にサム・リー待望のセカンドアルバム『ザ・フェイド・イン・タイム』が来月発売される。彼の異色の経歴や超個性的な音楽性については、前回まとめ記事として紹介したが、世界中で称賛され英マーキュリー賞にまでノミネートされたデビューアルバム『グラウンド・オブ・イッツ・オウン』(12年)から早2年、今回は待ちに待ったサム・リーのセカンドアルバムの魅力を徹底解説! 来月に迫った来日公演の詳細情報もあわせてご紹介!

さらに超個性的に進化した2ndアルバムを徹底解剖

イーノの片腕レオ・エイブラハムも参加。サム・リー新作を徹底解剖&来日公演みどころ紹介 music141118_sam-lee_51

『ザ・フェイド・イン・タイム』ジャケット

早速待望のセカンドアルバムについて解説していきたいところだが、その前にアルバムのジャケットを見て頂きたい。内容を知らなくてもジャケ買いしてしまいそうな名盤感満載のインパクトのあるビジュアル。年季の入った鍵盤の前に佇むサム・リー本人とそれを取り囲む様々な楽器。多くの民族楽器を意欲的に取り入れながらサイケデリックな世界を作り上げた本作の内容を視覚的に表しており、まさに『ザ・フェイド・イン・タイム』の世界観を象徴しているショットと言えるだろう。ではそんな名盤感満載のセカンドアルバムの内容を探っていきたい。

■前作以上にバラエティに富んだ楽曲

前回のまとめ記事でも紹介したが、「ライブを通して楽しめる幅の広さがある」とサム・リーと同じフェスに出演したアーティストから評されるように、彼の魅力の1つは楽曲のバラエティの豊かさだ。今回のアルバムも全体を通して聴いてみると、統一感がありながらも楽曲毎に様々な楽器が使われているなど、12曲それぞれで違った趣を楽しむことができる。前作以上にバラエティに富んだ楽曲が揃っているのが本作の魅力だ。

■珍しい楽器を取り入れた意欲作

デビューアルバムでも、ホルンのような従来フォークミュージックの中で使われることがなかった楽器を積極的に取り入れ、ベースとなるトラヴェラーズの伝統音楽と彼の個性を融合させて独自の世界を見せてくれたが、本作ではさらに北欧のウィロー・フルート、ウクレレ、ホラ貝、フィンランドの民族楽器カンテレなどの楽器を取り入れている。さらに日本の琴を取り入れた楽曲があるのも日本人には嬉しいところ。

■制作をサポートした超大物たち

さらに本作の制作には、超大物たちによるサポートがあったことも忘れてはならない。ペンギン・カフェのリーダー、アーサー・ジェフスが共同プロデュース&ミックスを行い、さらにブライアン・イーノの片腕レオ・エイブラハムがミックス・エンジニアとして参加。サム・リーの世界に魅せられたからこそ実現したこの豪華な共演をじっくりと楽しんで欲しい。

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