<ワンダーロマンス三連福>と題して、8月から3ヶ月連続のシングルリリースを行う大森靖子。第一弾は自身が主役のジュレ役の声優も務めるWEBアニメ『逃猫ジュレ』のテーマソング“ピンクメトセラ”と“勹″ッと<るSUMMER”の両A面。特に“ピンクメトセラ”には最新アルバム『TOKYO BLACK HOLE』にも参加し、また大森とは吉川友の“歯を食いしばれっ!”で共作しているサクライケンタヲプロデュースに迎え、キャッチーなガールズポップという新機軸を聴かせてくれています。しかしそこは『ブクガ』ことMaison book girlで、アイドルグループに変拍子などのアレンジを持ち込んだサクライケンタ。大森靖子とのケミストリーにも注目したいところ。今回はこのシングルについてはもちろん、「カラオケで絶対に歌っていた曲」をテーマにしたプレイリストから大森靖子のアーティストとしてのルーツを探ってみました。

Interview:大森靖子

【インタビュー】大森靖子のカラオケで絶対に歌っていた楽曲プレイリスト music160825_oomoriseiko-pickup_1

——今回の連続リリースはテーマがあるのでしょうか?

今、音楽を通じていろんな関係を築いていけていて。これからもひらめきを感じた人と仕事をしていきたいんですね。そこで私は作詞作曲はするんですが、アレンジは人にお願いしていて、お願いした人の良さや、関わってくれたことで自分の曲が変わったということをもっとみんなにも知ってもらいたいなと思ったんです。

——“ピンクメトセラ”はサクライケンタさんだというイメージが最初からあったんですか?

ありました。去年ぐらいからサクライさんと私の二人のプロジェクトをブランド化していきたいみたいなことを野望として抱いていて(笑)、「この二人にアイドルの曲書かせると確かだよね」っていうことの名刺代わりにもなればいいなと思って、自分の作品でシングルとして一発目に出したかったんです。

——今回は『逃猫ジュレ』のジュレ役も演じられますが、テーマソングもアニメありきで?

前作のt.o.Lの『TAMALA2010 a punk cat in space』も好きで、すごく口の悪い猫なんですよ。それで自分から「やりたいです」ってお願いして。t.o.L.さんの脚本を読んで、その世界観を自分のものに昇華して書いていった感じですね。

——どんなイメージで作ったんですか?

絵的に『まどマギ』の異世界に行くと現れるお化けのイメージがあって。でもその化け物が可愛くて毒々しくて楽しくて、でも怖くて。そこで何かが削られて何かを忘れて戦わなければならない、戦うことが逃げることで、その世界から出なきゃっていうイメージで作っていましたね。

——さて、今回は「カラオケで絶対歌っていた曲」というテーマでプレイリストを作っていただきましたが、なぜこのテーマに?

ルーツになっている曲で作る方が多いと聞いたので。私、中高って学校サボってひたすらカラオケに行っていて、一回7時間ぐらい歌ってたんですよ。小学生の時に、「沖縄の人しかデビューできない」って、テレビ見て思い込んでたので、歌手という夢は除外して、歌うことは趣味にして生きていくしかないなと思ってたんです。

——それだけ歌ってたら歌う曲がなくなりそうですね。

そう。自分で音楽作り始めたのは歌いたいメロディがなくなってきたから(笑)、「作んなきゃ」って義務感みたいなものもあったんです。

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