1994年8月に、ノエル・ギャラガーがこのような言葉を残した。「20年後には、みんな『DEFINITELY MAYBE』をありのまま認めて買って聴くようになるよ。大事なのはそういうことだ。」本日2014年5月14日、この言葉が全面的に正しかったことを証明するかのように『オアシス(原題:Definitely Maybe)』20周年記念盤が世界中のどこよりも早く日本で発売された。この記念すべき日を祝して、オアシスを愛する国内外の著名人が「オアシス”チェイシング・ザ・サン”特設サイト」にコメントを寄せた。コメントを寄せたのは、岸田繁(くるり)、栗原類(モデル・俳優)、後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)、サッシャ(ラジオDJ・タレント)、妹沢奈美(音楽ジャーナリスト)、マーク・コイル(『オアシス』プロデューサー)、山崎洋一郎(ロッキング・オン 編集長)の計7名(敬称略、50音順)。

「オアシスを愛する人々からのコメント」一覧(敬称略、50音順)

1st「Defenitily Maybe」を初めて聴いた17歳頃、スウェードやストーン・ローゼズのようなバンドだなぁと思ったと同時に、それらのバンドよりも、ギターのコード感(コード進行と言うよりは)に、例えようのない特徴があるなぁと思った。それが第一印象。聴けば聴くほど好きになるアルバムだった。当然、2nd「(What’s The Story)Morning Glory?」を聴く。その頃には私もバンドでソングライティングをやっていたはずだ。前作の「Live Forever」なんかで聴こえてきた不思議なコード感と共に、シンフォニックとも言える轟音のギターの中を泳ぐメロディー。とてもとてもダイナミック。私のOASIS贔屓は、ここから始まったのかも知れない。勿論、最高の作品だったラスト・アルバム「Dig Out Your Soul」まで全て網羅したんだけれども。誰も語っていないOASIS論。「轟音ギター」とか「大仰なサウンド」とか揶揄されることもある彼らだけれども、最初の最初から、彼らの音楽はベートーベンやマーラーの様な、シンフォニーのようだった。「ギターは小さなオーケストラ」とはジミー・ペイジの言葉だけれども、ノエル・ギャラガーはローコードの開放弦と深いリヴァーブを使って、ペイジよりシンプルかつ所謂スコティッシュ・トラッド的な(バート・ヤンシュやエリック・ドルフィーの影も見える)フォーク・ロック・スタイルのギターで、ニール・ヤングとは全く異なるオリジナリティを確立した。音楽的、器楽的にはシンプルだけれども、印象的にはベートーベンのような「歌えるシンフォニー」、つまり「本当の民衆の音楽」を初めて作り上げた、偉大なロックバンドだと思う。だから、ずっと聴き続けている。自分の中では、ベートーベンなんかと同じように、血肉となっている。

–––––岸田繁(くるり)

今年になってこのアルバムがリリースされて20年になりましたが、長い歳月が経った今でもこのアルバムは名盤です。90年代UKロックの代表的なアルバムの一つと言えばこれですが、今回の豪華特典も超貴重です。”Whatever”のリマスターやライブでの音源、デモテープ等超貴重でOasis好きな人にはたまりません、たとえ好きでなくても音楽好きならこのアルバムを買って損は無いです。

–––––栗原類(モデル・俳優)

18歳の夏に聴いた「LIVE FOREVER」は天啓でした。この曲がなかったら、僕はミュージシャンにならなかったでしょう。こんなにも鮮明に、はじめて聴いたときのことを覚えている曲は他にありません。

–––––後藤正文(ASIAN KUNG-FU GENERATION)

1994年。高校3年生だった僕は音楽が大好きで、限られた小遣いで欲しい沢山のCDから厳選したアルバムを買っていた。どのCDを買うのか、毎月のように自分の中のコンペが行われていたのだ。そんな中登場したoasisはその衝撃の大きさもあって当然ながら「即買」! ヨーロッパはピコピコポップスに彩られ、ロックはアメリカンロックが支配していた。「何か」が足りなかった・・・ビートルズを産んだ国の伝統が欠けていたのだ。oasisが僕らの心にポッカリ空いた穴をその尖ったギターとヴォーカルで埋めてくれたのだ! さあもう一度、共に唄おう!!

–––––サッシャ(ラジオDJ・タレント)

「オアシスと書いて、希望と読みます。絶望を力技で未来に繋いだあの曲たちの向こう側には、笑いや信頼、そして愛という、人間の美しい側面が全てある」

–––––妹沢奈美(音楽ジャーナリスト)

僕にとってのオアシスは…人生の一時期だね。人生の一時期。人生のすべてだ。大洋に落ちた一滴の水であり、大洋そのものでもある。あの時期の、人生のすべてだったよ。オアシスの仕事をしていたとき、僕はあいつらのために生きて死んだ。生まれてからずっとその経験を待っていたんだ。あれから長い年月が経ったけど、あのバンドは今も僕とともにある。一日たりとも欠けることなくね。そして、一生忘れることはないんだ。すべてだったからね。そう、すべて。

–––––マーク・コイル(『オアシス』プロデューサー)

最初はロッキング・オンのロンドン特派員・児島由紀子からの興奮した現地からの情報だった。その後、ロッキング・オン編集部に届いた”Supersonic”のシングルを聴いた時の、当時の編集部員全員の輝いた顔と「おおーっ!」という嬌声を今でも忘れない。その瞬間から新しい時代が始まった。スタイルや方法論でがんじがらめになったロック・シーンに、「そんなことはどうでもいい、バンドの存在感と説得力と曲がすべてだ」という最強の原理を叩きつけ、怒涛の快進撃が始まったのだ。

–––––山崎洋一郎 (ロッキング・オン編集長)

2014年はオアシスのデビュー20周年を記念して、1993年から1997年までを振り返る「チェイシング・ザ・サン」プロジェクトが実施されている。今回発売された1stアルバム『オアシス』に続いて、年内に2ndアルバム『モーニング・グローリー』、3rdアルバム『ビィ・ヒア・ナウ』も発売予定。2014年、オアシスと言う名のロックンロール・バンドの物語はまだ終わりを告げていないのである。


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