本国内でも<フジロック・フェスティバル>や<サマーソニック>といった夏フェスのラインナップが発表されはじめ、今からチケットや宿の確保、出演アーティストの予習、あるいはせっせと500円玉貯金に励んでいる読者も多いかと思うが、これからは「冬に行く夏フェス」も1年の旅プランに追加してみてはいかがだろうか?

というのも、筆者自身が1月24日にシンガポールで開催された野外フェス<Laneway Festival>に足を運び、その利便性や快適さ、そして“イイトコどり”なラインナップに骨抜きになってしまったからだ。シンガポールといえば、ほぼ赤道直下で四季がなく、いつ行っても常夏の国。真冬の日本を飛び出して、半袖・半パンで遊び倒すのもオツなものである。つい先日、カナダの放送局CBCが発表した「すべての音楽ファンが訪れるべき音楽フェスティバル TOP12(amassより引用)」でも第8位にランクインした<Laneway Festival>、その魅力を実体験レポートと共にご紹介しよう。

■ <Laneway Festival>ってなんぞや?

正式名称は<St Jerome’s Laneway Festival>。オーストラリア・メルボルンのカレドニアン・レーンにて、ミートボール・ショップを営んでいたJerome Borazioと、その友人でありNYでブッキングの仕事をしていたDanny Rogersの2人が05年から始めた小規模の音楽イベントが元になっている。

「Laneway(路地裏)」という言葉が示すとおり、市街地の一部を歩行者天国状態にしてのプチ野外フェスは、ブルックリンのブロックパーティーとも通じるものがあるだろう。地元のアヴァランチーズやアーキテクチャー・イン・ヘルシンキをはじめ旬なアクトを取り揃えたラインナップも話題となり、シドニー、ブリスベン、アデレード、パース……と徐々に規模を拡大。10年からは海を飛び越えニュージーランド・オークランドや米デトロイト(今年は開催見送り)にも進出しており、そのひとつが今回のシンガポール篇というわけだ。

詳細なラインナップはオフィシャル・サイトに譲るが、基本的にはトップバッターのシンガポールを皮切りに、ニュージーランド、オーストラリアの各都市を巡回していく「1Dayオンリー」のフェスとなる。出演する顔ぶれもある程度共通だが(今年であればバンクス、FKAツイッグス、ロイヤル・ブラッド…etc)、一部の都市にしか出演しないアクトもいるため要注意。また、シンガポール篇は他の国が30組前後登場するのに対して20組前後…とやや物足りない印象を受けるが、すべてのアクトを(ほとんど)無理なく制覇することも可能なので、<フジロック>などで常にステージ間を走り回っている、欲張りな洋楽リスナーには打ってつけだろう。

▼1月に公開されたトレイラー Laneway Festival 2015 is almost upon us…▼

次ページ: 会場は“あの”ホテルのふもと。近未来的な植物園もすぐそこに!