2014.11.01(SAT)@Super Deluxe
car and freezer festival 2014

ューアルバム『car and freezer』では、自身で作った英語詞で収録した作品、前野健太による日本語詞で収録した作品の2枚組としてリリースした石橋英子。本作は言語の違いだけではなく、楽器編成やミックスまでもそれぞれの作品が異なる手法で創られていたことで大きな話題になっていた。リリース後には、星野源の全国ツアーへの参加や、前野健太とソープランダーズとのダブルツアーなど、他のアーティストたちとの共演を精力的に行ってきた石橋。年末にかけても神保町試聴室でのソロライブをはじめ、灰野敬二とのデュオ(!)や、類家心平&山本達久とのライブ、信州長野・渋温泉で開催される<音泉音楽2014・冬>への出演など、勢いはますます加速していきそうだ……! そんなエネルギッシュな活動をしていた2014年の石橋英子の象徴ともいえるのが、11月1日(土)に開催された自身によるフェスティバル<car and freezer festival 2014>ではないだろうか。

17時。オープン後1時間経った頃に会場に到着すると、すでに多くの音楽ファンで溢れている。だが、ライブのためにぎゅうぎゅうにステージ前で待っているというよりも、dj kayoの流すゆったりとした音楽に耳を傾ける人や、椅子に腰掛けて「ウミネコカレー」を夢中で食べている人など、それぞれが思い思いに雰囲気を楽しめるようなゆる〜い空気感が会場に漂っていた。

17時半になると、ドローン・ドュームメタルバンド、サン O)))への参加でもよく知られている、実験音楽家のオレン・アンバーチのライブがスタート。今回のステージではギターと電子ノイズによるディープなインプロヴィゼーションが始まった。身動きもとれない程のミニマルテクノに圧倒されたのだが、しだいにそれが心地よくも感じられる。

【ライブレポ】濃厚なラインナップにスペシャルな共演。石橋英子による“新感覚”フェスレポート music141114_ishibashieiko_2

オレン・アンバーチ

転換を経て山本精一が1人で登場する。ギター1本と複数のエフェクターによる実験的なサウンドを響かせ、フロアは一気にドローンな雰囲気へ。不協和音をも協和音に聞こえるような演奏に思わず釘付けになってしまった。そして、演奏中盤あたりで石橋英子(Key)、山本達久(Dr)がスタンバイし、3人による即興セッションが始まる。10分以上かけて徐々にヴォリュームを上げながら行われたセッションは壮大な音世界を構築していく。余韻を残して3人はステージを後にした。

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山本精一

フリー・インプロヴィゼーション・ギタリストのアラン・リクトと、舞台に上がっていったのは御歳69の坂田明。迫力のあるサックスやベルの音と、アラン・リクトの優しいギターの音色。その対照的なサウンドが交わり、2人の演奏は徐々にヒートアップしていく。坂田明はホーミーのようなボーカリゼーションを披露、異様な興奮感に包まれた。

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アラン・リクト

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坂田明

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