Hostess Club Weekender
2015.11.22(SUN)、23(MON)@新木場STUDIO COAST

去る11月22日、23日に東京・新木場スタジオコーストで開催された<Hostess Club Weekender(以下、HCW)>。夏には<サマーソニック>の深夜枠を使った<HOSTESS CLUB ALL-NIGHTER>を大成功させ、まさに心機一転となった今回は、いつも以上にコアな音楽ラヴァーが集結したピースフルな雰囲気が印象的だった。

賛否両論を呼んでいた「1日5組」から「1日4組」への変更も、結果的には単独ライヴ並みの満足度をもたらすものだったし、転換時間に余裕があることで食事休憩やサイン会などのスケジュールも組みやすかったのは嬉しい誤算。日替わりのルーが楽しめる「野毛山カレー食堂」や、ロシア料理「LIFE IS BEAUTIFUL」などのハイレベルなケータリングは<HCW>ならではのコダワリが感じられ(本格派のベルギービールが味わえるブースも)、過去最高にアナログ・レコードの品揃えが充実した<Hostess Club Shop>も終始賑わっていた。また、〈ホステス〉関連アーティストのミュージック・ビデオが場内でチェックできるのもポイントで、ジョン・グラントの「アッー!」なMVが流れた時のフロアのざわめきは忘れられない……。

John Grant –“Disappointing feat. Tracey Thorn(Official Music Video)”

ではさっそく、出演者たちの熱いパフォーマンスの数々と共に、第11回の節目を迎えた<HCW>の濃ゆい2日間をプレイバックしてみよう。

Report:Hostess Club Weekender/11月22日(日)DAY 1

R&Bから激重ストーナーまで、冬到来の新木場を熱くした卓越なる4組

開演時刻に間に合った……! と思いきや、リハからそのまま本編をスタートさせていたのはロンドン出身のR&Bシンガー、ドーニク。「スリムなディアンジェロ」とも形容したくなるルックスから放たれる官能的なヴォーカルと、4人編成の骨太なサウンドは時にメロウかつスペイシーで超気持ちE。デビュー・アルバム『ドーニク』から満遍なくキラー・チューンを投下しつつも、マイケル・ジャクソンとメトロノミーが出会ったかのような高速BPMで駆け抜けた“Strong”でライヴは唐突に終了。予定より15分ほど短いステージではあったが、そのポテンシャルの高さをまざまざと見せつける疾風怒濤のパフォーマンスに、フロアからは万雷の拍手が巻き起こった。

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2組目は、これまた<HCW>初登場となるクリストファー・オウエンス。エントランス・バンド(現ピクシーズのパズ・レンチャンティンも参加)の凄腕ドラマー、デレク・ジェイムズを含む4人編成ながら、限りなく音量・音数を絞ったサウンドは彼のベッドルームで聴いているかのように親密で、昨年のキャット・パワーのステージを思い出したりもした。パジャマとモンペを融合したようなファッション・センスもさることながら、壊れそうな歌声でソロやガールズ時代の名曲“Broken Dreams Club”などを披露する姿は無垢なる少年のまま。時おり挿入されるハーモニカの音色には、ボブ・ディランの面影さえ宿っていた……と言ったら言い過ぎだろうか?

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