イギリスの<グラストンベリー>、アメリカの<コーチェラ>、ベルギーの<トゥモローランド>とQetic読者なら馴染みがあると思うが、世界には様々な野外フェスティバルが存在する。ニューヨークに住む筆者も<フジロック>、<サマソニ>に魅了されて以来の生粋のフェスラバーなのだが、悲しいことにコンクリートジャングルで知られるここニューヨークでは広大な敷地がないだけに、そういった大規模な野外フェスティバルが多くはない。そんな中でもニューヨーカー達が毎年楽しみにしているのが、この<ガバナーズ・ボール・フェスティバル(以下、ガバナーズ・ボール)>だ。2011年に開催して以来、今年で5回目と比較的若いフェスだが、さすがはカルチャーの中心・ニューヨークとだけあってこれまでに出演したアーティストにカニエ・ウエスト、ザ・ストロークス、ベック、ガンズ・アンド・ローゼズとラインナップの充実さは他の有名フェスと比べても引きを見せない。ジャンルもロックだけではなく、ポップ、ダンス〜EDM、ヒップホップ、カントリー、ジャズとバランスよく網羅している。

The Governors Ball Music Festival | 2015 Recap

ヒッホップ、ダンス、ロックの三つ巴

前置きが長くなったが、<フジロック>、<サマソニ>に今年はいけない苦しみで毎晩寝れない夜を過ごしていた筆者はこの<ガバナーズ・ボール>に救いの手を伸べるかのように足を運んできた! 3日間開催された今年のラインナップはというと、ヘッドライナーにドレイク、デッドマウス、ザ・ブラック・キーズが並び、ヒッホップ、ダンス、ロックと上記で述べたジャンルの広さ然り、非常にアメリカらしい揃いとなった。その他にはビョーク、ラナ・デル・レイ、ノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズ、フローレンス・アンド・マシーン、テイム・インパラ、フライング・ロータス、ホット・チップと日本の音楽ファンなら垂涎モノのラインナップ! ここからは写真と共に同フェスを振り返っていきたいと思う。

ニューヨーカーを魅了する海外フェス、ガバナーズ・ボールとは? 1A

最高の立地条件と利便性で最高のラインナップを堪能

まずは入場ゲート! 以下の写真を見てもらえればわかるが、一般チケットの他にVIP、SUPER VIPチケットというチケットが販売される。内容はステージ脇やVIPチケット保持者専用のバーにアクセスが可能といったところ。さすがは資本主義国家・アメリカ。日本のフェスではまだあまり馴染みがないシステムだが、これによってフェスの質向上に繋がるなら良いのかも?

ニューヨーカーを魅了する海外フェス、ガバナーズ・ボールとは? 1B

会場となるはマンハッタンとクイーンズに挟まれるランドールアイランドという島。普段はサッカーコートやテニスコートや野球場を擁する巨大な公園で<ガバナーズ・ボール>も天然芝の上で行われる。アクセスも都市型フェスなだけによく、地下鉄を始めバスやフェリーも運行している。この立地条件から、バックにマンハッタンの高層ビル群が映えるメインステージの眺めは圧巻!

ニューヨーカーを魅了する海外フェス、ガバナーズ・ボールとは? 212

また、その他には<フジロック>のレッドマーキーを彷彿とさせるテント型ステージ、交互に演奏が行われる向かい合った2つのステージの4つで移動が簡単なのもこのフェスの魅力だ。

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