<第56回グラミー賞>で「最優秀ダンス・レコーディング賞」を受賞したEDMアンセム“クラリティ”(ゼッド feat. フォクシーズ)で彗星のごとくシーンに現れ、その表現力豊かな歌声で注目を浴びたUK出身のシンガー・ソングライター、フォクシーズ。デビュー・シングル『ユース』は全米ホット・クラブ/ダンス・チャートでも1位を獲得するなど、2014年、世界各国で最も注目されるポップ・アクトである彼女が今月、初来日を果たした。

今回の初来日は、5月のデビュー・アルバム『グロリアス』(輸入盤)発売時に開催された「タワレコに行ってフォクシーズを呼ぼう!」キャンペーンという、ツイッターでのファンからの呼びかけによりフォクシーズの来日が決定する、という企画により実現。来日中の6月10日(火)は、そんなファンのために超プレミアなショーケースを開催。2000人もの応募の中から選ばれた超ラッキーな400人を前に、圧倒的なパフォーマンスを披露した他、アットホームなトーク・セッションと、更には全員との握手会を行った。日本のファンの温かさに、本人が感動のあまり涙する場面も。

ライヴレポート:フォクシーズ

FOXES PREMIUM SHOWCASE LIVE IN TOKYO
2014.06.10(TUE)@WWW

目下地元英国で大ブレイク中、フォクシーズことルイザ・ローズ・アレンの日本での初ライヴ・パフォーマンス<FOXES PREMIUM SHOWCASE LIVE IN TOKYO>が、6月10日、東京・渋谷のWWWにて行なわれた。本公演が実現したきっかけは、このシンガー・ソングライターのファースト『グロリアス』の輸入盤発売を機にタワーレコードが企画した、「タワレコに行ってフォクシーズを呼ぼう!」キャンペーン。スタートするやいなや多数のファンから賛同の声が寄せられ、スピーディーに来日が決まったというものだ。ファッション・アイコンとも目されているアーティストのライヴだけに、ばっちりドレスアップした若い女の子たちがステージ前に結集。その大歓声に迎え入れられた彼女は、ヴィンテージのシャネルのミニドレスにコートを羽織り、足元はコートと同じパウダーブルーのプラットフォーム・サンダルという期待通りにキュートな装いで、早速デビュー・シングルの“Youth”を披露する。「まだ始まったばかり」と歌う、オープニングに相応しいアップテンポな1曲だ。

【ライヴレポ】UKの新歌姫フォクシーズ、初来日で思わず涙 music140618_foxes_sub1

そして歌い終えると「コンニチワ」と微笑んで、すぐ次の曲へ。共に幻想的なミッドテンポ・ソングの“Echo”“Glorious”が続く。ルイザのウリの喉のほうは絶好調! 小柄で親しみやすい見た目とパワフルな歌声、そのハスキーなエッジと彼女が好むアンセミックな曲調が、ユニークなコントラストを成す。また、バッキング・ミュージシャンはキーボード奏者とドラマーというシンプルな編成ながら、スケール感のあるアルバムのサウンド・プロダクションを巧みに再現し、ステージを縦横に動きながら歌うルイザにたっぷりのスペースを提供。パフォーマンスに集中したいためなのかMCはあまり挿まないが、4曲目“Holding onto Heaven”を終えたところでひと息ついて、「みんなに会えてうれしいわ。ニホンダイスキ!」と、覚えたての日本語を交えて挨拶。いつの間にかファンが手渡した耳カチューシャをしていた彼女、これがやたら似合って、客席からはしきりに「カワイイ!!」の声が上がる。表情から察するに、言葉の意味はちゃんと心得ているらしい。

【ライヴレポ】UKの新歌姫フォクシーズ、初来日で思わず涙 music140618_foxes_sub2

続いて5曲目に選んだのは、ご存知、今年初めにルイザに「グラミー賞最優秀ダンス・レコーディング賞」をもたらしたZeddとのコラボ曲“Clarity”だ。序盤はキーボードだけの伴奏でダウンテンポにアレンジしつつ、ドラムを加えてテンポを上げてゆき、サビでマイクを客席に向けると、さすが大ヒット曲とあってみんなで大合唱。この頃にはコートも靴も脱いで身軽に跳ね回っていた彼女は、現時点での最大のヒット・シングル“Let Go For Tonight”で、もう一度歌声のパワーを文字通り“解放(let go)”して30分のショウを締め括った。

このあとQ&Aコーナーに移ると途端に饒舌になったルイザからは、「日本でライヴが出来て泣きたいくらい幸せだし、もう帰りたくない!」などなど、ファンにうれしいコメントが続々飛び出す。また「休みの日は出来るだけ笑って過ごす」とか「毎晩寝る前にその日に起きた素敵なことを振り返る」といった、自身の曲に通ずるポジティヴな発言も好感度満点。挙げ句の果てに、ファンのケータイを次々に手に取って一緒に記念撮影するという旺盛なサービス精神を見せつけ、さらには全員との握手会を行なって今宵はお開きに。ポジティヴ&ハッピーに生きて、周りの人たちをもハッピーにする――。1時間余りの短い時間だったけど、そんなフォクシーズ・スピリットに溢れるひと時だった。

(text by 新谷洋子)

Setlist
1. Youth
2. Echo
3. Glorious
4. Holding Onto Heaven
5. Clarity(Zedd Cover)
6. Let Go For Tonight

Release Information

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