続く2曲目“Kill The DJ” では、ホログラフィックが投影されることでステージ全体が“音ゲー”の画面に変貌。ゲージにはそれぞれメンバーの名前が冠されていて、今度は対戦画面のようにしてRiRiとLuLaの違いが対比されていく。音に合わせて下から上、横から上、ランダムなど矢印が動くバリエーションが次第に増える、横長のステージ構造とメンバー構成をうまく生かしたパフォーマンスで観客を引き込んでいった。

FEMM – Kill The DJ (Music Video)

世界最高峰VR技術を体感!“マネキンデュオ”、FEMMが躍動 3

一方、突然照明が落とされ、暗闇に歌詞が浮かび上がる中で始まった3曲目はオリジナル新曲となる“circle”。ここでは“NO BOYFRIEND”で共演したLil’ Fang(FAKY)と、Yup’inがステージに飛び入りし、マネキン2体とラッパー/シンガー2人のコラボレーションに発展。音楽的にはヒップホップ~トラップを通過した、和テイストのたおやかなエレクトロ・バラードで、“NO BOYFRIEND”とは対照的なのもポイントだろう。何より美しかったのは、言葉が歌われた瞬間に字幕の歌詞が零れ落ちたり、空に舞ったりする繊細なVR演出。それはまるで、音が生まれる瞬間を視覚的に見せられているかのようだった。

世界最高峰VR技術を体感!“マネキンデュオ”、FEMMが躍動 4

最後はLil’ Fang(FAKY)とYup’inもステージに残り、代表曲“Fxxk Boyz Get Money (Invaderous RMX)”で大団円。ここではバッキバキのエレクトロ・ビートに乗ってトワーキング(=腰振り)を取り入れたダンスを披露。本来肉体性の象徴とも言えるトワークを最も縁遠いはずの人工的なマネキンが披露するというインパクト抜群のパフォーマンスで、歓声に包まれる中ライブは終了した。

ステージを終えるとFEMMの2人の動きはスイッチが切れたように停止し、まるでこれまでの20分間が嘘だったかのように、ひとりずつスタッフに運ばれて帰っていく。それは「ライブ」といういつかは終わってしまう空間の楽しさを表現していると同時に、音楽と映像、現実と仮想現実の間にあるファンタジーのようなものを浮き彫りにしていたと言えるのかも。今回の『VRDG+H』に集った個性豊かな出演者と同様、「デジタル」と「現実」とが融合して新たなエンターテインメントの可能性を模索する、そんな姿が印象的なライブだった。

EVENT INFORMATION

OWL SPRING FES 2016

2016.04.22(金)
梅田 OWL
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Night Nation Run

2016.05.21(土)
新豊洲 特設会場
LINE UP:HIROTO DA YANKEE☆・KO-TARO・KELLY・ROVER(ROYALcomfort)・ PINOKIO/GRICO/WALL-E

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RELEASE INFORMATION

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Photo by Satoru Fueki