年共演したピーター・フックから絶賛され、今春、マンチェスターが誇る伝説のクラブ 「FACTORY 251」での公演を含むUKツアーも成功を収めたDAMAGE。新作リリースも待ち遠しい彼らだが、UKツアー時の滞在記が届いた。DAMAGEがUKで感じた体験とは? 4回に渡ってお届けするので是非楽しんでほしい。

DAMAGE:UKツアー滞在記①

「人生は息をした回数で決まるんじゃない。胸がドキドキする瞬間をどれだけ味わえるかだ」

UKツアーを振り返ると、そんな言葉を思い出す。

「ファクトリーに来ないかい?」そう誘われたのは2012年の春。ジョイ・ディビジョン/ニューオーダーの結成メンバーであるピーター・フックが「ピーター・フック&ザ・ライト」で来日し、DAMAGEは大阪公演をサポートした。そのライブ終了後のことだった。

ファクトリーは、ピーター・フックがオーナーをつとめるマンチェスターのクラブで、正式名称を「FACTORY251」という。元ファクトリー・オフィスの跡地に立ち、その前身はマッドチェスター・ムーブメントの発祥地となった伝説のクラブ、ハシエンダだ。日本のバンドでまだ出演者はいないと聞き、同行していたブッキングマネージャーとアドレスを交換。それから一年後の3月。ぼくらはイギリスにいた。

マネージャーと連絡を取り合うこと十数回。横のつながりで実現したツアーだ。だから、旅は基本的にパンクスタイルのD.I.Y。アテンドはおらず、移動、スケジューリング、告知は自分たちで行った。たとえば、ブリックレーンにある 「Rough Trade East」に音源とフライヤーを渡したり…

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CD文化がちゃんと残っていて宣伝はスムーズ。代わりに苦労したのが日本からの楽器の輸送だった。イギリスは入国審査が世界一厳しい。不法就労の取り締まりがその理由で「こいつら働きそう」と思われたら即アウト。楽器は演奏してお金儲けができると考えられ、没収や、最悪の場合、入国拒否に遭うこともある。そこでEMS(国際郵便)で出発前に送ったのだが、やっぱり海外、届かない。一向に配達される気配がないので、ロンドンバス&ブラックキャブに乗って郵便局をはしご。ようやく楽器を手に入れたのはライブ二日前だった…。汗

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↑ロンドンの老舗、エンタープライズスタジオで約一週間ぶりに練習し、遂にUK初ライブ。場所はダルストン・キングストン駅近くの「The Nest(ザ・ネスト)」だ。XOYO系列のクラブで、ゾーン2のストーク・ニューイントン・ロードにある。ロンドンは地域の区分にゾーン制を採用していて、バッキンガム宮殿やビッグベン、大英博物館など観光名所が集まるゾーン1を中心に、外側に行くに従ってゾーンの数が増えてゆく。ロンドンオリンピック以降、ゾーン1のブリックレーンやブリクストンにあったクラブシーンが、ゾーン2のダルストン周辺に移ってきており、通りにはネストの他にもクラブやライブハウスが並ぶ。街を歩くとアラブ系の住人が多く、ゾーン1と異なるアンダーグラウンドな雰囲気が漂う…↓

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ロンドンでの初ライブ、その時間は今思い出してもドキドキする。
ネストは出音が抜群に良く、ライブが始まるやフロアに一人また一人と増えはじめ、終わる頃には満員に。

7月10日(水)発売のニューアルバム『クアドロフェニックス』に収録の新曲がロンドンっ子にバッチリはまる!

ライブ後、DAMAGEのセットリストを持ち帰るお客さん。笑

というわけで、次回、怒涛のマンチェスター編につづく!

text by MxRxMxN(DAMAGE)

Release Information

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