2014年に世間を騒がせた洋楽ニュースといえば、ダフト・パンクのグラミー賞5冠、ニルヴァーナのロックの殿堂入り&復活ライヴ、ポール・マッカートニーの再来日公演ドタキャン、さらにディズニー映画『アナと雪の女王』が大ヒットしたことによる“レリゴー現象”などなど枚挙にいとまがないが、米ニューヨーク出身の偉大なるロック・バンド、ブロンディにとってもメモリアル・イヤーであることを忘れてはならない。

全世界でのアルバム・セールスは累計4,000万枚、06年にはブラック・サバスやマイルス・デイヴィスらと共にロックの殿堂入りも果たしているブロンディは、紅一点のブロンド美女デボラ・ハリー(ヴォーカル)とクリス・シュタイン(ギター&ベース)が中心となって74年に結成。一時期はクリスの病気により解散を余儀なくされていたものの、97年の復活以降は断続的に活動を続けている彼女たちが、今年でいよいよデビュー40周年を迎える。それを祝福するかのように、ベスト盤とニュー・アルバムをセットにした2枚組『ブロンディ・フォーエヴァー:グレイテスト・ヒッツ・デラックス・リダックス/ゴースツ・オブ・ダウンロード』(長い!)が7月2日(水)にリリースされることになった。何度目かの再評価の機運も高まりつつあるブロンディの魅力と、その愛されっぷりを紐解いていこう。

【特集】NYロックの女帝=ブロンディがデビュー40周年! その色褪せぬ魅力と愛されっぷりを紐解く music140619_blondie_jk

ブロンディ・フォーエヴァー:グレイテスト・ヒッツ・デラックス・リダックス/ゴースツ・オブ・ダウンロード

日本人はブロンディのヘヴィー・リスナーだった!?

レゲエやジャズ、ラップさえも果敢に取り込む引き出しの多さと、いつまでも色褪せぬ普遍的なメロディー・ライン、そしてデボラの妖艶かつキャッチーな歌声がトレードマークでもあるブロンディの楽曲は、ここ日本でも長らく愛されてきた。彼らの代表曲といえば、間違いなく全米No.1ヒットを記録した“Heart Of Glass”(79年発表の3rdアルバム『恋の平行線』に収録)と、ダフト・パンクとの仕事も話題を呼んだディスコ・ミュージックの巨匠ジョルジオ・モロダーと共作したシングル“Call Me”の2曲である。

Blondie“Call Me”

前者はつい最近もミランダ・カーが出演するH&MのCMに起用されたばかりだし、11年〜12年にかけてもトヨタのハイブリット・カー「アクア(AQUA)」のCMでピックアップされたのは記憶に新しい。後者は(こちらもクルマだが)99年にホンダの名車「S-MX」のCMソングとして何度も何度もお茶の間に流れていた。なお、04年頃にはブロンディもカヴァーしたザ・パラゴンズによる“The Tide is high”のアレンジ・バージョンが、サッポロ「ドラフトワン」のCM曲として抜擢。リアルタイムで聴いてこなかったネット世代のリスナーにも、「この曲知ってる!」と言わせてしまうのが、ブロンディの凄いところ。我々日本人は、潜在的にブロンディのヘヴィー・リスナーとなっていたのかもしれない。

2011 toyota aqua cm japan(トヨタアクア)(toyota prius c)

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