ランダの首都であり、ダンスミュージックを国の文化の一部として様々な形で取り入れてるアムステルダム。10月には世界最大級のダンスミュージック見本市である<Amsterdam Dance Event (以下、ADE)>が開催されている。<ADE>の存在を知ったのはベルリンに住む友人とのほんの些細なやり取りからだった。“海外フェスの取材をしたい!”そんな漠然とした思い付きから、こうして記事にするまでに至ったのだが、改めて“ダンスミュージック”というものに対して、日本という国に関して、考えさせられる5日間となった。

パーティー慣れしている人間であっても<ADE>のこれでもかと言わんばかりに凝縮されたパーティーラインナップには悩まされる。その中から足を運んだパーティー、特に印象に残ったこと、伝えるべくことを記していきたい。

Report:Amsterdam Dance Event 2013

まるでディズニーランドの中にいるようなキッチュでかわいらしい建物が並び、セントラル駅の広場、運河に掛かる橋の上、会場前など街のあちこちに“ADE”のロゴが記された旗が掲げられ、街をあげてフェスティバルを歓迎しているように感じた。

昼間開催されているカンファレンス会場前は、世界中から集まったビジネスチャンスを求めた音楽業界関係者たちで溢れかえっている。今回は夜のパーティーをメインに取材に来たため、カンファレンスには参加しなかったが、想像以上に“ビジネス”の場であることを実感した。“3000人以上入るいわゆる大箱のクラブが多数存在するアムスにおいて野外フェスを含むビッグイベントは他にも多数ある。世界中のレーベルが一同に集結し、ビジネスチャンスを掴めるのはこの<ADE>でしかない。昼間のカンファレンスにこそ参加する意義がある。”と今回<ADE>オフィシャルの中で、唯一の日本人オーガナイザーとしてパーティーを開催したアムステルダム在住のKnock氏は語る。そのパーティーの模様は後ほどお伝えする。

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アムステムダムはとにかくベニューのスケール、クオリティーが違う。現地Red Bull社のスタッフに会うために向かったPllekはセントラル駅から無料フェリーで運河を越えたノールト地区にある巨大倉庫のようなレストランだったが、ここではRichie Hawtin(リッチー・ホゥティン)がスペシャルシークレットゲストというフリーパーティーが行われていた。外のオープンスペースだけでも3000人以上は収容出来る広さをほぼ埋め尽くすオーディエンスで、DJブースは全く見えない。テーブルやイスの上に登って踊る人々、フェンスを乗り越えて運河の水しぶきを浴びながら踊る人々、この日は一日曇り空だったが、肌寒さを忘れるほどの開放感で、この場所で夏にパーティーをやれたらどんなに気持ちいいだろうと思った。周辺のグラフィティーだらけの廃虚ビル、何もないガランとした広大な空き地、風に舞う砂ぼこり、それらが4つ打ちと妙にマッチングしていて、もっとアンダーグラウンドでディープなパーティーで再度体感したいベニューだった。

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現地スタッフから待っていればリッチーから話が聞けると嬉しい誘いを受けたが、次の取材先へ向かわないといけないため断念。こういったチャンスは他にもいくつかあった。事前に申請していないと取材は出来ないという日本の常識(というよりゲリラ的なことに対して怪訝な顔をされるのが常)に慣れてしまっていたため、こういったイレギュラーなことに機転が利かないことを後に反省した。