が溢れ、価値観が多様化するこんな世の中だからこそ、理屈抜きにただ単純に「面白い」とか「くだらない」と思える映画はひと際輝く。そんな所とは一見離れた場所にいる監督・園子温の新作『TOKYO TRIBE』はまさにかつて“娯楽”の中心だった映画の原点に立ち返るような作品となっている。

原作は90年代ストリートカルチャーを牽引した井上三太による作品『TOKYO TRIBE2』。鈴木亮平、佐藤隆太、窪塚洋介、竹内力、中川翔子といった豪華キャストはもちろんだが、本作のオーディションで選ばれた北海道のラッパーYOUNG DAIS(主演/海役)を始め、MC漢、D.O、ANARCHYとリアルなラッパー勢が登場し、しかも全編セリフがラップで奏でられる。そして、“世界初のバトル・ラップ・ミュージカル”と謳われる本作は、MCバトルあり、アクションあり(ノースタント!)、ド派手なセットあり(Chim↑Pomの弟子・天才ハイスクール!!!によるもの)、パンチラあり、ポロリありの監督曰く「コーラとポップコーン片手に何も考えなくて観ることができる映画」なのだ。

この度Qeticでは、監督の園子温とヒロイン・スンミ役を演じた清野菜名にインタビューを敢行。オーディションでのエピソードから映画のタイトルに紐づけて“東京=TOKYO”という街について、語ってくれた。

Interview:園子温監督 × 清野菜名(スンミ役)

–––まずはお2人の最初の出会いとなったオーディションの時のことをお聞かせ下さい。清野さんは最初のオーディションで一度落とされたとお聞きしましたが。

園子温 監督(以下、園) オーディションの時、いっぱい人数がいたんで、かなり厳しくやって、とにかくきっかけさえあれば、どんどん振り落としていったんですよね。入ってきた瞬間に「はい、もうダメ!」って帰ってもらった人もいて。今思えば可哀想なことしたなと(笑)。

清野 私も1回目のオーディションときに「おはようございます」って入る時に挨拶したら「いま何時だと思ってんだよ! おはようございますじゃねぇんだよ!」って怒られて。

 もう昼過ぎでね。その「おはようございます」で「業界人め! 若いくせに業界に染まりやがった野郎はいらねぇ!」って気に食わなかったから。

一同 (爆笑)

清野 そのオーディションで自己紹介と台本のセリフを読むはずだったんですけど、自己紹介だけで終わってしまって。

–––時間にしたらどれくらいですか?

清野 5分くらい?

 5分もなかったんじゃない? そのときはとにかく、腹の虫がなんだかおかしかったんだよ。それで1回落ちて、次のオーディションでは「どんな役でもいいから」という気持ちで来たんだよね。

清野 はい。アクションはできるから、どこかアクションの役で出れたらいいなと思って、また受けさせてもらったんです。その2回目のオーディションでアクションを披露して。そのあと、電話で「スンミの役お願いします」ってきて。びっくり……でしたね。まさか、自分がスンミっていう役で受かるとは……。

 既に言ってたんだけど(電話の前に)、何も反応なかったよね。「あなた、ヒロインで決まり」って言ったのに。

清野 2回目のオーディションが終わったあとに、最終面接じゃないですけど、もう1回監督にお会いしたんです。そのときに「スンミだから」って言われて、本当にそうなのか信じられなかったんですよ。だから、電話で改めて言われたときは驚きました。

–––園監督がその時に感じた清野さんの魅力は何だったんですか?

 新鮮だったし、輝いていたんだよね。別にアクションが出来るだけだったら色々な人がいるんで。その輝きが良かったんです。

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Qetic編集部

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