のオリエンタル急行にも勝ったことがあるというレーサー/エンジニアのカルロ・アバルトがスタートさせた、「羊の皮を被った狼」の異名を持つイタリアンカー・ブランド、アバルト(ABARTH)。その生誕月を記念したスペシャル・キャンペーン<スコーピオン・マンス(SCORPION MONTH)>のクライマックスとして、11月23日(日)に代官山T-SITE GARDEN GALLERYなどで開催されるフリー・イベント<スコーピオン・デイ(SCORPION DAY)>が、もう目前に迫る!! 当日は様々なゲストの方を迎えたトーク・イベントやインスタレーションなどスペシャルな企画が目白押し。そして何と言っても、ライヴ・ゲストとして土岐麻子さん(以下、土岐さん)とAzumiさんがステージを披露してくれる。

Cymbalsとして活動後、ソロ・アーティストになってからもシティ・ポップからジャズまでを自在に横断する土岐さんは、ソロ・デビュー10周年となる今年の11月19日(水)にニュー・アルバム『STANDARDS in a sentimental mood ~土岐麻子ジャズを歌う~』をリリース。父であり日本を代表するサックス奏者・土岐英史さんがプロデュースするこのアルバムは、土岐英史作品に英詞を書き下ろしたオリジナル楽曲やレッド・ホット・チリ・ペッパーズのカヴァー“Californication”なども収録された異色のジャズ・スタンダード・アルバムだ。

一方、Wyolicaでの活動やSteady&Co.の名曲“Only Holy Story”へのヴォーカル参加などを経てソロ・アーティストになり、ヘッドアクセサリー・ブランド『Tuno by Azumi』も手掛けるなど多方面で活躍するAzumiさんは、今年でデビューから15周年。5月に行われたライヴ・イベント<Azumi Presents『Love Lounge』vol.3 Spring ~15th~ Anniversary Year Special~>では、土岐さんをゲストに迎えて“トーキョー・ドライブ”の特別ver.や“Mercy me~いつか光を抱けるように~”などを披露して会場を湧かせたことも記憶に新しい。

女性らしい繊細な表現力とクリエイターとしてのこだわりをあわせ持ち、お互いをリスペクトしながらもそれぞれに活躍の舞台を広げていく2人の活動は、“クオリティを最重要視した造り込みと性能の追求”や“多面性”“意外性”をテーマのひとつにするアバルトの魅力とも通じるもの。今回の<スコーピオン・デイ>のライヴでは、そんな実力派女性シンガーによる夢の競演が、ふたたび実現することになる。

そこでQeticでは今回、アバルトのイベント出演を記念して、土岐さんとAzumiさんによるスペシャル対談を敢行!! 公私共に仲のいい2人に、お互いの意外な一面や音楽への感想、そしてイベント当日への意気込みなどをたっぷり語っていただきました!

Interview:土岐麻子 × Azumi

【インタビュー】土岐麻子×Azumi特別対談! 2人にとっての“多面性”や“こだわり”とは? interview141120_tokiazumi_2

――お2人の出会いはどういうものだったんですか?

土岐麻子(以下、土岐) そもそものきっかけはAzumiちゃんのライヴに呼んで頂いたことなんです。今年のデビュー15周年ライヴよりも前の、一年前に。

Azumi そうですね。去年の私のリリース・ライヴの時に、名古屋ブルーノートでライヴを行ったんですよ(カヴァー・アルバム『NEW STANDARD』リリース後の7月)。その時に土岐さんにゲスト出演のオファーをしたところ快諾してもらって、その時がほぼ初対面でしたね。

――お互いの第一印象はどうでしたか?

土岐 それはもう、雑誌で見てたから(笑)。

Azumi 「メディアで知ってるし!」みたいな(笑)。

土岐 でもAzumiちゃんって、実際に話してみると性格がちょっと男っぽいというか。わたしはもっと女の子っぽい子なのかなと思ってたんですよ。ところが、わたしの中で名言だと思ってるんですけど……Azumiちゃん、「私は女のコスプレだから」って言っていて。

Azumi 違う、「わたし、女装だから」(笑)。

土岐 そうだ。「わたし、女装だから」(笑)。それを聞いたのが深夜の、新宿2丁目の近くのファミレスで、そういうマインドなんだ、って知っておかしくて(笑)。歌の中では、もちろん強い女性像もすごくあるんだけれど、特に最近の歌では可憐なイメージがあったり、ラヴ・ソングを歌っている時の甘いイメージがあると思うんです。でも中身は会社もやっているし、男目線のところが結構あるというか。そういう性格を持って生きてるところがあるんだな、って気づきましたね。女装の話を聞いた時に「そこまでか」って(笑)。「男だね」っていう歌は今のところないですけど、歌の中でも色々な表情を持ってると思うので、これからまだ見たことのない面が出てきたら面白いなぁと思いますね。

――逆にAzumiさんは、土岐さんの第一印象と、そこからの変化を感じたりしましたか?

Azumi そうですね……もともと持っていたイメージが、本当に良質の音楽をやっていて知的で美しくて、「絵にかいたような羨ましい女性だなぁ」と思っていたんですけど、やっぱり土岐ちゃんも女の子らしい部分がすごくあって……(土岐さんに向かって)あれだよ、普段が男らしいっていう意味じゃないよ?(笑)

土岐 ははは。

Azumi 見かけどおりすごく女性らしくて、かろやかに、しなやかに音楽をやっていたり、佇んでいるというイメージだったんですけど、その裏側には色んな苦悩とか創作意欲のようなものを凄く持っていて、そこが尊敬すべき部分だな、というのを改めて感じましたね。土岐ちゃんはジャズ・シンガーとしても素晴らしいアルバムを作っているし、シティ・ポップというジャンルも作っていたりと音楽的に色んな面を艶やかに行き来していて。そこが女性として凄く美しいなと思うし、この人はこれからもとてもしなやかに泳いでいくんだろうなぁと思いますね。

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