もしかしたら歌が演奏に寄ったのかもしれない。

––––これまでのみなさんの特徴であった「リフ主体の音楽」、その辺りに頼っていない楽曲印象を受けたのも、今回の作り方が関係してそうですね。

長島 ある意味、telephoneの良さですからね、カッコイイリフを引っ張ってくるというのは。でもそれって、これまで僕たちがイメージされてきたハイテンションなやり方だと思うんです。だけど、今回はいい意味で、そこから大人になったというか。一つのものを美学だけで突き詰めていくのではなく、今の俺らの定義するハイテンションを表せたら、それはそれで、もっと聴き手や自分たちも楽しめるんじゃないかなって。あと今回は、その持って来た断片を肉づけしていく作業が凄く楽しかったんですよ。これまではベースラインにしても、既に他のパートで決まっているところに僕が後から付け足していく感じだったんで、ある程度制約もあったんです。でも今回は、ほぼ何も決まってないところからでしたからね。最初から自分で決めて音も作れたし、出せたんで。その辺りがリフに頼らなくてもキチンと響くところに関与しているかも。

––––今作からは展開の意外性も多々感じられましたが、その辺りもみなさんで作られたことが寄与しているように思えます。

石毛 それはあります。やっぱりデカい音を出して合わせながらやると、ひらめくものも面白いんですよね。あと、凄くロック的なアプローチになったし。

岡本 まさに今の4人の感覚やモードが合わさったのが今作だと思ってます。曲に合っているものがキチンとナチュラルに収められた、そんな感じ。

松本 リフは変わらず各箇所に散りばめられてはいるんですけど、今回はより歌が立ったかなって。歌を活かす演奏や展開、歌いやすさが自然と出せた気が凄くしているんです。

長島 とは言え、不思議なのは、逆にこれまでの方が歌を立てようとの意識が強かったってところで。

石毛 ホントこれまでの逆だよね。歌を引き立たせる方法論は各人全く使ってないのに、こうなったというのは(笑)。もしかしたら歌が演奏に寄ったのかもしれない。歌を意識したアレンジとなると、また違ったものになってたと思うし。

【インタビュー】the telephonesの定義する大人のハイテンション。それこそすなわち「SUPER HIGH TENTION!!!」 Interview140604_the-telephones_sub4-1

––––それはどんな風に?

石毛 もっと演奏が引っ込んでたんじゃないかな。いわゆる「歌と演奏」、みたいな。

––––確かにみなさん前面まで出てますからね(笑)。逆を言うと、それらに埋もれない強いメロディだったとも?

石毛 どうなんだろう? それが経験上分かってきたのかな。どの曲もみんな最初はバラバラなことをやっているんですけど、どこかで各人が、“ここだ!!”というものを見つけて、そこに再び集まっていく感じがしたな、今回は。「さぁ、ここからは自由行動だから、自分の好きなように時間を使っていいですよ。ただし、集合場所や待ち合わせはここですから」って感じ(笑)。

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