——今回の来日ツアーで、ジェシカさんはホールやライブハウスだけでなく、カフェや幼稚園でもライブをやるんですよね。普段から色んなフォーマットの会場で演奏しているんですか?

ジェシカ はい。カナダやアメリカのツアーでは、日中にワークショップ、夜はライブということを時々やっていて、ワークショップでは、子どもたちとお話をしながら演奏して、ハンドクラップを交えたりしながら、音楽の楽しさを伝えています。高校生には、音楽産業と音楽ビジネスについてのお話をしていますね。ザ・ジェシカ・スチュアート・フューは私主体のバンドなので、ツアー資金はすべて私のお金でやりくりしています。私が曲を書いているので、基本的に金銭面は自分で管理しますし、バンドを食べさせなければいけません。なので、バンドメンバーにもフィーを払っていますし、そういったスタンスで音楽に臨んでいます。

——ミュージシャンだけでなく経営者としての顔もお持ちなんですね。音楽だけで生計を成り立たせているジェシカさんは、Creators’ Loungeの若者たちにとって心強いですね。

加藤 そうですね。夢を形にしていく存在として、ジェシカは若いクリエイターやアーティストの道筋になると思います。

ジェシカ 実は既に聞かれているんですよ(笑)。

——やっぱり(笑)。お二人はCreators’ Loungeを通じて、どんなことを発信していきたいと考えていますか?

加藤 私は日本が大好きなので、海外にCreators’ Loungeがあることを知ってもらって、これからも何かきっかけ作りを与えていきたいですね。ジェシカにとってみれば、今回のツアーをトロントに戻ってから、フィードバックしてもらいたいですね。日本で感じたことを伝えて、是非行ってみてほしいと。そうやって人が交じり合っていくことで、日本に意識的に刺激を与えていきたいです。カナダはある意味、自然が第一イメージとしてあると思いますが、例えば、モントリオールはすごくモダンな一面もあるんですよ。コンテンポラリーダンスの芽が生えている場所なので、これから絶対に盛り上がるだろうと現地のアーティストは言っていますし、そういった時期に備えて、Creators’ Loungeが受け皿になればと思っていますね。

ジェシカ 私は音楽以外のフォーマットとのコラボレーションをもっと積極的にトライしていきたいです。トロントに引っ越したときから、日本でツアーをすることは、自分のやりたいことのトップ3リストに入っていました。だから、日本に来れて嬉しいですし、私が琴を弾く姿を見てほしいですね。

【インタビュー】琴を操るSSW・ジェシカ・スチュアート × Creators’ Lounge主宰者・加藤豊紀から見る日本とカナダの文化交流とは? interview131010_jessica-stuart_0051

text by Shota Kato[CONTRAST]
photo by Taisuke Yamada

Release Information

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Title:Two Sides to Every Story(トゥー・サイズ・トゥ・エヴリィ・ストーリー)
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