ディスティック・ミカ・バンド、イエロー・マジック・オーケストラ(以下、YMO)のメンバーとして70年代から80年代にかけてテクノにおけるドラムを確立、世界のビートを牽引し、内外に無数のフォロワーを生み出した高橋幸宏。ソロ・アーティストとしてもこれまでに23枚のアルバムをリリース。そのソング・ライティングの世界観は常に個人と時代の関わりを表しており、幾多の名曲は若いミュージシャンに愛され続けている。昨年、アルバム『LIFE ANEW』をリリース。レコーディング・メンバーには意外にも元スマッシング・パンプキンズのジェームス・イハを迎えてこれまでになく鮮烈な“ロック・サウンド”(と言っても通り一篇のラウド・サウンドということではない)でリスナーを驚かせた。

還暦を越えた高橋幸宏のファンは今や「第三世代」に及ぶ(80年代の大人は50代を超え、その子どもが大人になり、さらにその子どもがまたファンになっている!)。数年前のインタビューでは自らがキュレーターを務める夏の音楽フェス<WORLD HAPINESS>でのお客さんの反応を「YMOの“ライディーン”で僕の孫と言ってもいいくらい小さな子どもたちが手を挙げて踊っているのが見えて驚いた」と笑って話してくれた。その彼が息子たちと言ってもいいミュージシャンたちと挑んだライヴを2作同時にリリース。一つはアルバム『LIFE ANEW』のレコーディング・メンバーをバンド“In Phase”と名付けて発展させた最新の高橋幸宏、もう一つは80年代の彼の名曲群をサービス精神満載で再現した“METAFIVE”だ。高橋幸宏の音楽を聴いて育ってきたミュージシャンたちとのライヴについてたっぷりと、独特のユーモアを交えて語ってくれた。

Interview:高橋幸宏

––––まさか2つの新たなバンドを作るとは驚きでした。“In Phase”と“METAFIVE”の幸宏さんの位置づけはどのような違いですか?

In Phase(同時性、一致するという意味)はもともとソロ・アルバムの『LIFE ANEW』のレコーディング・メンバーだったジェームス・イハ、高桑圭、堀江博久、ゴンドウトモヒコという面々に、ライブでは鈴木俊治にもメンバーとして入ってもらい、ゲストにはLEO今井に参加してもらいました。このアルバムで自分のルーツと言える60年代から70年代のアメリカ、イギリスのロックで敢えて今までは表現してこなかった部分をやった。それがIn Phaseですね。METAFIVEは昨年の六本木EX THEATERのオープニング企画としてライヴをやってほしいって言われてから集めたメンバーたち(小山田圭吾、砂原良徳、LEO今井、TOWA TEI、ゴンドウトモヒコ)なんです。というか、メンバーを僕が挙げた段階ではスタッフからは「みんな忙しすぎて無理ですよ」って言われたんだけど奇跡的にスケジュールが調整できました。それでどんなライブにするかってことより前に「とりあえず写真だけ撮っちゃおう」って。写真だけ撮っちゃって公開すればやらざるをえなくなるから(笑)。知り合いのお店で写真家の三浦憲治さんに撮影してもらって、それから打合せをやったというね(笑)。

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Qetic編集部

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