11月12日(水)に、約10年ぶりとなる最新アルバム『プリズマ』をリリースしたソン・カイト。11月20日(木)にはDOMMUNEに初出演、11月21日(金)には大阪公演、11月22日(土)には東京公演と、日本ツアーを予定している彼ら。11月22日(土)の新木場 ageHaで行われる東京公演に出演するピーター・ヴァン・ホーセンとの共演も話題だが、今回はQetic独占インタビューとして、ソン・カイト × ピーター・ヴァン・ホーセンのスペシャル対談が実現した。

彼らの音楽に対する熱い思いや彼ら独自の世界観、今回の来日に向けた思いなどをはじめ、日本が大好きな彼らから見た日本の魅力なども語っている。いよいよ今週末に来日する彼ら。来日直前の生の声を聞いてみたい。

Interview:SON KITE × PETER VAN HOESEN

––––お互いの第一印象はどうでしたか? 人として、また音楽性の印象は?  好きな点やリスペクトする部分などはありますか?

ピーター・ヴァン・ホーセン(以下、ピーター) 僕とマーカスは以前に一度だけ一緒になったことがあるよね。たしか、あれは2009年の<Labyrinth>だったかな。

マーカス from ソン・カイト(以下、マーカス) そうだね、2009年の<Labyrinth>だったと思う。

SON KITE × PETER VAN HOESENの独占対談インタビューが実現! interview1118_labyrinth_3

ソン・カイト@<Labyrinth>

ピーター マーカスの第一印象はとても平和的で真面目な人だなって思った。僕にとってはとても嬉しい出会いだったよ。ソン・カイトとしてもすごく素晴らしいキャリアの持ち主だし、ずっと長い期間活動を続けてきて、そして今もなお第一線で活躍していることは本当にすごいことだと思う。心からリスペクトしているよ。

セバスチャン from ソン・カイト(以下、Seb) 僕は残念ながら、まだピーターには直接会ったことがないんだ。でも彼の音楽や彼のレーベル〈Time to Express〉からリリースされている音楽を聴いていて、いつも敬意を表しているよ。

SON KITE × PETER VAN HOESENの独占対談インタビューが実現! interview1118_labyrinth_2

ソン・カイト@<Labyrinth>

––––音楽を作るときに常に意識していることはどんなこと? 音楽を通してリスナーに伝えたいこと、リスナーに感じてほしいことなど。表現したい音楽の世界観や、根底にあるコンセプトやテーマなどは?

ピーター 僕が音楽を作るときはエレクトロニックミュージックの物理的な面だけではなくて、精神的な側面にも重きをおいて制作しているよ。みんながそれぞれの音に浸って踊っている姿を見るととても嬉しくなるんだ。あとは、サイケデリックな要素も僕にとってはとても重要なポイントだね。音楽は言葉では表せない体験をさせてくれるよね。とても深い感覚や深い真実に僕らを繋いでくれる不思議なチャンネルがあるでしょ。その感覚を僕は音楽の中で呼び起こしたいと思っているんだ。

Seb&マーカス まったく同感だね。僕もマーカスも同じで、僕らの意図するところは“存在に対する強い愛”が根底にあるんだ。とにかく、お互いのインスピレーションを大切にして表現するようにしているよ。僕らは、“存在・魂”の休息のような人生を生きようとしているのかもしれないし、僕らの“存在・魂”が、僕らが出会うすべてのものに到達できるように、そうした魂を表現しようとしていると言えるかもしれないね。こうやって考えると、音楽やダンスは、この瞬間を生きる人生の意味を感じさせてくれるツールなんだと思う。

SON KITE × PETER VAN HOESENの独占対談インタビューが実現! interview141118_sonkite_1

––––それぞれの音楽的バックグラウンドについて、子供のころ、どんな環境で育ちましたか? どんな楽器を習い、どのような経緯でエレクトリックミュージックに傾倒していったのかなど。Sebはバイオリン、ピーターはベースをしていたよね。

ピーター 僕の場合は、子供の頃からいくつかの楽器を習って育ったんだ。小さい頃はキーボードを習って、その後にはベースを弾いたりね。ギターも少しかじったけど、ギターは全然うまくならなかったな(笑)。最近は、パーカッションにとても興味を持っていて、スタジオワークの中で使えそうなパーカッションを買いたいなと思っているところだよ。エレクトロニック・ミュージックには早いうちから特別な何かを感じていて、これまでできるだけジャンルに囚われずにいろいろな音楽を聴くようにしてきたんだけど、気が付くといつもエレクトロニック・ミュージックに戻ってきていたね。若いころ、ベルギーに住んでいたときにはすでにエレクトロニック・ミュージックに対して興味があって、どんどんのめり込むようになっていったんだよね。この音楽は遠いどこかの存在ではなくて、誰もが没頭できる、夢中になれる音楽だなって感じたんだ。

Seb 僕らも若い頃から創作的な表現をずっとしてきよ。子供が自然と経験するみたいにいろいろなことを経験してきた。僕はいくつかの楽器を習ったり演奏したりしてきたんだ。バイオリンとかピアノとかね。マーカスの最初の音楽活動は、テープレコーダーを使ったミックステープ作りだったよね。しかもマーカス独自のかなり創造的な手法だった。こうした経験がもとでマーカスは、創意溢れる素晴らしいDJになっていったんだと思う。僕の場合は子供の頃(70年代頃)から父がエレクトロニック・ミュージックをよく聴いて、それが生活の一部になっていたんだ。その後、クラシック音楽の世界に入っていってバイオリンとピアノを始めて、17歳になった頃に、本格的にエレクトロニック・ミュージックを聴き始めて、それがきっかけでさらにエレクトロニック・ダンスミュージックに繋がっていったんだ。もちろん僕自身、踊るのも大好きだったよ。マーカスに出会ったのはその当時だね。マーカスは、僕らが住んでいる南スウェーデンでテクノパーティをやっていたんだよね。

SON KITE × PETER VAN HOESENの独占対談インタビューが実現! interview141118_sonkite_7

★次ページ:ソン・カイトの音楽にとっては、“ダンス”という経験がとても大事なんだと思う。