tofubeats×スカイラー
INTERVIEW

tofubeats×スカイラー、お互いに訊きたいことって?

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インターネットを経由して、世界各地から多くの若手アーティストが名乗りを上げ始めた10年代初頭。“水星 feat. オノマトペ大臣”のデジタル版(12年)で自主リリース作品ながらiTunesチャートの1位を記録すると、その後一気にポップ・シーンの中心へと飛び込んでいったtofubeats。その鮮やかな飛躍ぶりは、日本から超ド級の才能が登場する瞬間を見せてくれているような、当時のシーンでも最高に心躍る出来事のひとつでした。

だとするなら、ちょうどその頃、彼と同じようにネット経由で話題になり、互いに交流をしつつ活動の幅を広げていった海外のトラックメイカーがいるのを知っていますか? それがヴェイパーウェイヴ/フューチャーファンク周辺から登場し(当時はセイント・ペプシ名義)、トロ・イ・モワらが所属する米〈カーパーク〉と契約した米リトルロック出身のスカイラー・スペンスことライアン・デロバティス。お互いのことをネットで知った2人は、セイント・ペプシの13年曲“Better”辺りを契機に急接近。以降もそれぞれに活動を軌道に乗せていくなかで、同世代のアーティストとしてつねに刺激を与えあう関係を築いていました。

そして、そんな彼らが今回、スカイラー・スペンスのカーパークからのデビュー作『プロム・キング』と、豪華ゲストが参加したtofubeatsのメジャー2作目『POSITIVE』を9月16日に同時リリース! さらにはスカイラーが『POSITIVE』収録曲“Without U”にゲスト参加し、一方のtofubeatsが『プロム・キング』の日本盤に“Can’t You See”のリミックスを提供するなど、まさに相思相愛の様相をみせています。

そこで今回は、前半にスカイラー・スペンスのメール・インタビュー、後半に2人がお互いへと向けた質問&コメントを掲載。スカイラーの活動から『プロム・キング』のこと、そして2人が「お互いに訊きたいこと」——そんな色々を、ぎゅっと凝縮してまとめてみました。インターネットを経由した登場の経緯から世代、音楽観にいたるまで、様々な共通点を感じさせる2人ならではのやりとり。そのゆくえは、いかに?!

tofubeats /トーフビーツ – POSITIVE feat. Dream Ami

Skylar Spence – Fiona Coyne

Interview:Skylar Spence

——あなたのお父さんはニュー・ウェイヴのレコードを沢山持っていたそうですね。あなたが音楽にのめり込んで、自分で作曲を始めるまでのことを詳しく教えてもらえますか?

両親ともニュー・ウェイヴやシンセ・ポップがすごく好きで、僕はほぼそういう音楽だけを聴いて育ったんだ。だから、僕はビートルズよりも先にデュラン・デュランを知ったんだよ。小さい頃は、デュラン・デュランの曲に合わせて鍋やフライパンでドラムを演奏していた。祖母の家にはオルガンがあったからそれをよく弾いていたし、もう少し成長してからはコンピューターを使ってMIDIファイルを作る方法も覚えた。楽器の弾き方と曲の書き方を同時に覚えいったんだ。

——その時、インターネットはあなたにとって大きな役割を果たしましたか。ヴェイパーウェイヴや〈Keats//Collective〉などのフューチャーファンク勢といった、ネット界隈の仲間たちと出会ったきっかけや、当時そういった音楽に感じた魅力を教えてもらえると嬉しいです。また、セイント・ペプシという名前はどうやって思いついたものだったのでしょう?

小学生の頃から音楽を探すためにインターネットを使っているよ。興味を惹くようなものを見つけるのは、今では以前よりもずっと簡単になっているけれど、僕はいつも自分の好きな音楽についてのヒストリーやそれに影響を与えたものについて調べるためにインターネットを使うんだ。デュラン・デュランを通してナイル・ロジャースを知って、ナイル・ロジャースを通してディスコ・ミュージックの色んなことを知った。〈Keats//Collective〉のことは12年の終わりぐらいに見つけて、彼らがリリースしていた80’sソウルやポップ・ミュージックのエディットがとても気に入ったんだ。僕自身も、その時代の音楽には生の楽器とシンセが見事に融合されていて昔から好きだった。

Occult You – Your Love is Lifting Me(『KEATS//COLLECTIVE Vol. 1』収録)

Saint Pepsi- Better(Keats//Collectiveよりリリースした『Hit Vibes』に収録)

セイント・ペプシっていう名前は、友達とのFacebookのメッセージから出来たでたらめな名前だよ。もっとましなストーリーがあれば良かったんだけど。

——その後スカイラー・スペンスに改名しましたが、これはウディ・アレンの映画『世界中がアイ・ラヴ・ユー』に登場するカップル、スカイラー・ダンドリッジ(ドリュー・バリモア)とホールデン・スペンス(エドワード・ノートン)の名前から取られています。改名前の時点から映像や劇中のセリフに至るまで作品中にこの映画のモチーフが何度も登場していたことを考えると、この作品はあなたにとってとても重要なもののように思えますね。

SAINT PEPSI “HIT VIBES” TRAILER

(映像はすべて『世界中がアイ・ラヴ・ユー』から。映画の冒頭、スカイラーとホールデンのシーン)

Saint Pepsi is now Skylar Spence

(映像はすべて『世界中がアイ・ラヴ・ユー』から。改名時のトレイラー)

僕がカレッジに行くために地元を出る前の日に、親友と一緒に『世界中がアイ・ラヴ・ユー』を観て、それから長いことこの作品は僕の一番好きな映画だったんだ。そして2年後、カレッジを離れた直後に観直してみたんだけれど、(一度目とは)全然感じ方が違っていた。以前にはロマンティックでチャーミングに思えたシーンが、なんだかずれたもののように感じられた。その時、2年の間に自分が大きく変化したことに気付いて、より影響を受けるようになったんだ。

次ページ:僕にとって最も大きな影響を与えたアーティストの一人は山下達郎だよ。

杉山仁

ライター

乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、Hard To Explain~CROSSBEAT編集部を経て、現在はフリーランスのライターとして活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』をはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

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