——冒頭で「いろいろな分野で音楽以外のことをやらせてもらえたことがすごく大きい」と話してくれましたが、Qeticではドラマ『ファーストクラス』出演時にもインタビューに登場いただきましたが、連続ドラマへの出演を振り返って、どんな経験になっていますか?

ドラマはその場で作りこむ作業だと感じたんですよね。どれだけ言い回しを練習して準備をしても相手の役者さんがどう出てくるかわからなくて、やわらかい頭を持って現場に入らないとダメなんだと思わされることが結構ありました。その場で作り込むという経験はセッションの場にも役立っていると思いますね。頭の回転の速さ以外にものの見方というか、なぜ私はここに呼ばれていて、なぜこの役を演じるのかという立ち位置の確かめ方をドラマでは養わせてもらいました。最初に音楽以外の分野に飛び込むときに思っていたのは、俳優、モデルと、それぞれの分野で長く活動している方たちが居るわけで、そういうところに「どうも、シシド・カフカです」って立ち入るのはすごく嫌だったんです。

——関連付けて聞きたいんですが、異分野の方たちが自分のことをどう思っているんだろう? と気にする部分もありましたか。

もちろんありましたよ。でも、いろいろな現場を経て感じるのは、皆さんは私をミュージシャン・シシド・カフカとして受け入れてくださっているということなんです。それを前提に何を作るかを考えて行動して、100%のものを注げばいいんだなって。それでも、今後俳優のお仕事が増えたとしても、やっぱり中心は音楽です。

——『ファーストクラス』の川島ナミ絵役も映画『Zアイランド』のゾンビ役もそうでしたけど、Sっ気のある役へのオファーが続いていますよね。カフカさんに対する世間のイメージもそこに近いのかなと思うんです。

「やっぱりそう見えるんだなぁ、本人は全然違うのになぁ……」って思ってますよ(笑)。でも、それはドラムという楽器がそう見せるんでしょうね、叩くという行為を含めて。あとは黒という色の力かもしれないですね。皆さんが思っている私のイメージは昔からも想像がついていましたし、そういう意味ではやりやすかった役だと思っていて。

——それにしてもゾンビ役、よく引き受けましたね(笑)。

よくやりましたよね、ほんとに(笑)。ゾンビに惹かれたのは、単純に変であるということですね。ゾンビって色物じゃないですか。普通に喧嘩した、恋した、泣いた、頑張ったみたいな、そういうところじゃなくて、突き抜けちゃっていますから。

シシド・カフカ、俳優・モデル、様々な経験を経て得た物は?! interview150611_kavka_4

——あと、神戸コレクションでのモデルのお仕事はイメージしやすいものの、演奏もよく引き受けたなというか。お客さんはファッションショーを観に来ているから完全にアウェーじゃないですか。

たしかにやりにくい場ではありますよね。ライブは息遣いや汗を感じられてなんぼみたいな部分があるので、ああいう広いステージで関心のない人たちに演奏するのは不利だなって感じるんですけど、沢山の人に知ってもらえるというのは良い機会ですし。私の演奏って黒く残るだろうなって思うんですよ。いい意味で空気を濁しに行っている感じはあります。お客さんの心に釘を刺しているというか。お客さんに全力投球のボールをぶつけて帰る感じですね、その場の空気に負けちゃいけないんで。

——その場の空気に呑まれないという意味では、カフカさんはリーバイスのグローバルキャンペーンに唯一の日本人として起用されましたよね。映像を観ましたけど、ハイムやローカル・ネイティブスのインタビューと対照的に、いつもと同じ裸足のスタイルでドラムを叩く姿が印象的でした。

ニューヨークで撮影したんですけど、映像クルーとかも含めてその場に居たスタッフさん全員が撮影後に「イェーイ!」って盛り上がってくれたんですよね。こちらの気分も上がりますけど、それは私の気分を上げるためではなくて、「かっこよかったよ!」って純粋に感動していただけたのが何よりも嬉しくて。それもあって、世界に目を向けるという気持ちはどんどん強くなっていますね。去年から今年にかけては異ジャンルに飛び込んで多くの刺激に触れて、毎回新鮮な気持ちでお仕事をさせてもらっていますし、一年に一回はすごく驚いている気がします。私がドラムヴォーカルを始めたときもそうでしたけど、人から「合うんじゃないの?」と提示されたものを怖がりながらでも形にしていくということをずっとやってきているので、そういった意味で場を与えられるのはありがたいですし、臆せずに掴んでいくべきだって思いますね。

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——音楽を中心に新しいことにも挑戦していく中で、今後のビジョンとして描いていることを最後に聞かせてもらえますか?

もっと日本全国を細かくツアーで回りたいですね。「どんなとこでもいいから回りましょうよ」って、口を酸っぱくするほど言ってますからね(笑)。1年のほとんどをライブに費やすという経験はやったことがないので未知数ですけど、きっとライブ漬けの毎日はすごく楽しいんだろうな。その夢はできれば次のアルバムのタイミングには叶えたいけど、いつか必ずチャレンジしたいです。

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シシド・カフカ Analog Photo Gallery

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★最後にバラエティ番組『今夜くらべてみました』出演時に話題になった「カフカだよ❤︎」を再現!

シシド・カフカ/LIVE映像・6月7日「SCRAMBLE FES 2015」

EVENT INFORMATION

Session Mini Album「K5(Kの累乗)」リリース記念ライブ『フミコム』

2015.06.17(水)
OPEN 18:15/START 19:00
TSUTAYA O-WEST
ADV ¥5,940(1ドリンク別¥500)
シシド・カフカ

詳細はこちら

RELEASE INFORMATION

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photo by Hideyuki Seta