シシド・カフカ
INTERVIEW

シシド・カフカ、俳優・モデル、様々な経験を経て得た物は?!

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ドラマ『ファーストクラス』をはじめ、このところ俳優としての一面もフォーカスされ、音楽以外に新たな表現に挑戦してきたシシド・カフカ。本来のドラムヴォーカルという定位置に戻ってきたのは、実に約1年振りとなる。

異分野から音楽の世界に戻り、新たな幕開けとなる作品はセッション・ミニアルバムである。今回、演奏と制作を共にしたのは、甲本ヒロト、斉藤和義、KenKen、渡辺俊美、YO-KINGといった日本のロックシーンを支える重要人物たちだ。彼らとの時間から得た経験が『K⁵(Kの累乗)』というタイトルに込められているとおり、次のステージに進むためのファーストステップとして、インストから歌モノまで、ドラムとヴォーカルとしても幅広いアプローチに挑戦しているので、是非細部まで聴いていただきたい。

5人のミュージシャンとの関わり、音楽以外の異分野との関わりを経て、これからシシド・カフカはどこに向かおうとするのか。その現在地と見つめる未来について語ってもらった。

Interview:シシド・カフカ

シシド・カフカ

——リリースとしては前作の配信シングル“ダメかしら?”から1年近く経ちますが、これまでカフカさんは比較的短いスパンで作品をリリースし続けてきたので、ちょっと期間が空いた印象があります。

リリース期間が空いたのには理由がありまして。ひとつはレコード会社を移動したということで、半年間レコーディングができないという礼儀的なものがあり、その空いてしまった期間にドラマや映画といった別の活動をやらせていただいたんです。期間が空いた分、自分の音楽の方向性を模索する時間にもなりましたね。

——模索は一度構築したものをフラットにしたり地ならししたりするようなニュアンスを含んでいると思うんです。カフカさんは次のステージに行くために、誰かと制作を共にする今回のコラボレーションという手段を選んだのかなと感じていて。

そうですね。ある意味で荒療治といいますか。今回コラボレーションさせていただいたアーティストの皆さんの選び方は、ライブミュージシャンであるというところがかなり大きくて。今後もっともっとライブに重きを置いていきたいので、今回は私のいつものチームから離れて単独で、一緒にやっていただける皆さんのフィールドに飛び込んでいくというのがコンセプトだったんです。もともとセッションはずっとやってみたかったことでしたけど、私はただ音を合わせるセッションがしたかったので、それを盤にすることはあまり考えていませんでしたね。

——あぁ、なるほど。つまりセッションが別の形に発展していった。それがコラボレーションとして作品を作ることになったということですね。

そうです。次の9月でデビュー3年になるんですけど、セッションがしたくても、まだ飛び込む勇気がなかったというか。私がその人たちに持ち込めるお土産のようなシシド・カフカらしさというものが自分でも掴みきれてないところがあって。でも今回を機に、自然と「どうも、シシド・カフカです」と言える、私が持ち込める色を掴めた手応えが多少なりともあります。

——それはどんなものなんでしょう。

感覚的なものですけど、振り返ってみると、いろいろな分野で音楽以外のことをやらせてもらえたことにもリンクしていて。俳優やモデルのお仕事にしても、基本的に「ミュージシャン・シシド・カフカ」として現場に行って、ものづくりに取り組んできたんですね。そういった経験をさせていただいてきた中で、それを音楽に置き換えてもやれるはずだと気づけるようになれたんです。今までの経験を音楽に持ち込むというか。

——『K⁵(Kの累乗)』というタイトルについて聞きたいのですが、コラボレーションとしては「+」や「×」といった記号を使うこともできるわけじゃないですか。なぜ累乗を選んだのか教えてもらえますか?

タイトルのKはカフカのKです。累乗を選んだ理由としては、おっしゃるとおり「+」「×」「VS」とか、いろいろな選択肢がありましたけど、それこそ「VS」は闘いに行っているつもりはないので、何か違うなぁと思っていて。累乗だと例えば、「2⁵」は「2×2×2×2×2」とどんどん大きくなっていくじゃないですか。いろいろな人とセッションして、シシド・カフカがその曲の中で化学反応して、それが5曲合わさることによって累乗していくように大きくなっていく。そうやって一つの作品が完成するという感覚がすごく当てはまったんですね。それに、楽曲を完成させることが終わりではなくて、コラボ相手の皆さんがレコーディングの最中に「ライブだったらさ。」という話をしてくださったんですね。ライブでやればその曲はまた変化するでしょうし、お客さんと音楽を共有することでまたさらに大きなものになるかもしれない。そうなると、また次にやりたいことが生まれてきて、累乗していくことによって関係性や空間、時間までも大きくなっていけたらいいですね。

——ビジュアル面でいえば、シンバルを美術道具として使っている写真がかっこいいですよね。あとカフカさんには珍しく、衣装では白いドレスを着ているのも新鮮でした。

シンバルもコラボ作品の考え方と同じで、曲作りを相手に委ねるように、鈴木さんというデザイナーにアートワークを委ねるという精神で入ったんですね。衣装も同じように受け入れるというか。私が意見して、一つの形になっていくのはいいんですけど、それだけだと自分の範囲内のものになってしまうので、その枠を外すことが自分の中のテーマでもあったんです。

シシド・カフカ

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加藤将太

ライター

編集者。1981年生まれ。山梨県笛吹市(旧:東山梨郡春日居町)出身。紙・ウェブ媒体の企画・編集・文章執筆からイベント・番組の司会進行まで幅広く担当。2011年3月にウェブマガジンCONTRASTの立ち上げに携わり、2013年7月より世田谷は松陰神社商店街を事業拠点とする。2014年10月には事業のシンボルとして「OVER THE MOUNTAIN」の屋号を開設。今日も明日もこれからも「ひと山を越え続ける」。

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