ボーイ・ジョージのミュージカル『Taboo』でウエストエンドデビュー。『ジャージー・ボーイズ(Jersey Boys)』で6年間主役フランキー役を務め、フランキー・ヴァリ氏本人がその歌唱力と演技を「最も驚異的なフランキー役」と絶賛。一躍ミュージカル界のスターダムへと駆け上った、ライアン・モロイ(Ryan Molloy)をご存知だろうか。

【インタビュー】『ジャージー・ボーイズ』出演。英米舞台で活躍する実力派ライアン・モロイ、初来日を語る interview_ryanmolloy_3-700x700

ライアン・モロイは、ブロードウェイでも期間限定で同役を務め、出演のないイーストウッドの映画サントラ盤にも収録曲があり、舞台作品も多数。2016年にアイルランドでツアー公演を行ったミュージカル『Che Guevara’s Night Off』で自ら音楽制作を手がけ、主役チェ・ゲバラ役を演じた。

また、“Relax”のヒット曲で知られる英80’sのカルトバンド、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド(Frankie Goes To Hollywood)2004年再結成時にホーリー・ジョンソンの代わりにリードヴォーカリストに選ばれ、ウェンブリー・アリーナでのコンサートを皮切りに欧州ツアーに参加。同グループ脱退後もプロデューサーで英国音楽の80年代を築いた男と呼ばれるトレヴァー・ホーン氏のライブにも参加した。アース・ウィンド・アンド・ファイアーのリミックスでも知られるグループ、ファッツ & スモールのアルバムにもヴォーカリストとして参加し、さらにはスティング、バーブラ・ストライサンドらとも共演した。

そして、2016年、日本で2つのアルバムをリリース。アルバムはAmazon、iTunesなどで星5つという多くの高評価をリスナーから受けている。過去のオリジナル曲を中心に構成した『Turn On The Night』、ジャージー・ボーイズ人気曲でフォーシーズンズのカバー集『Sing’s Frankie』。ライアンが来日初ライブ<Big In Japan Live>について語ってくれた。

Interview:ライアン・モロイ

Sherryメドレー

——貴方のパワフルでユニークなファルセットの歌声、エモーショナルなヴォーカルでの表現。どうやって歌をレッスンしたのですか? 初めから歌手を目指したのですか?

ライアン・モロイ 僕はイングランド東北のニューカッスル出身ですが、19歳の時に最初は俳優になりたくて、修行のためにロサンゼルスに移住したんです。ロスのサウス・セントラル地域でソウルやR&Bが流行っていたクラブに出入りするうちにダニー・ハサウェイの音楽に目覚めたんです。それから街のカラオケ勝ち抜き戦をやって賞金を出しているバーで歌い始めました。そこで才能のある歌手にたくさん出会い、自分を磨くことができたと思います。

——『ジャージー・ボーイズ』のフランキー役のファルセットの歌声は生まれつきの声ですか?

ライアン・モロイ 元々僕の声は中から高レンジの声です。パワフルなファルセットの声でショーの間、長時間、安定的に歌い続けるテクニックは『ジャージー・ボーイズ』のために特別にトレーニングして作り上げたものです。ボン・ジョヴィや数多くの歌手のトレーニングをした有名ヴォイストレーナーのケイティー・アグレスタのトレーニングプログラムにより、声をウォーミングアップ、ウォーミングダウンすることを学びました。

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——日本1stアルバム『Turn On The Night』を聴くと、ライアンさんの音楽には色々なジャンルが存在しますが、どんなミュージシャンに影響を受けたのですか?

ライアン・モロイ 僕の母が音楽好きで、小さい頃から色んなジャンルの音楽を聴いて育ちました。10代で初めてオーティス・レディングを聴き始め、それから、サイケデリックなビジュアルのニューダンスミュージック、80’sポップカルチャー、テレンス・トレント・ダービーなど色々な音楽を聴くようになりました。そしてロサンゼルスに住んでからはダニー・ハサウェイを聴きました。全てが今の僕に繋がっています。プロになってからは、すごくたくさんの違うジャンルのバンドで経験を積んできました。ソウル、ポップ、ダンス、ジャズからミュージカル劇場まで。

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