したたかに負けようというのはすごく思っていますね(橋本愛)

——本作でも1つのテーマとして描かれていましたが、「自分が何をしたいかわからない」という状況があると思います。そういった経験は今までにありますか?

池松 ありますね。今もありますし、あの時(学生時代)もすごくありました。矛先のないフラストレーションをすごく抱えていた気がします。

——そのフラストレーションはどこにぶつけていましたか?

池松 どこだったんですかね……。ぶつけていたのかはわからないですけど、そこが原動力(俳優という仕事への)には今も昔もなっていますね。特に高校時代は意味のない怒りみたいなモヤモヤ含め、理由がわからないものは沢山あった気がします。

橋本 私はあまりないですね。「あーわからない!」って時もちゃんと考えたら意外と本音に辿り着いたりして。結構明確かもしれないです。

——常に冷静に判断できるということですかね?

橋本 うーん……というよりはわかりやすいんだと思います(笑)。すごく。わかりやすいし、単純だから「こうだから、こうだろうな」というのが多いですね。

【インタビュー】橋本愛、池松壮亮。混沌としたこの世の中でいま思うこと、感じること interview140327_otonadrop_1353ok-1

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——それに付随した質問なのですが、学校でも社会でも様々な同調圧力がある中でお2人は自分の考えを持っていると感じていました。なかなか難しいことだと思うのですが、心がけていることがあればお聞かせ下さい。

池松 僕が常日頃思っているのは、日本人たる美意識はどこに行っても絶対忘れたくないと思っています。例えば、色々な世界があって、色々な人たちがいて、それぞれの常識が必ずありますよね。でも、本当に何が正しい、何が正しくないかはわからないと思うんですよ。「あれ、これって本当に正しいの?」と思う中で、そこを美意識で判断できればとは思います。常識だろうが何だろうが、それが正しいと思えなければ、無理に思わなくても良いなとも思うし。大きく言えば日本人の美意識は忘れたくないですね。

橋本 うん、同じようなこと思ってはいますね。でも、私の場合はしたたかに負けることばっかり考えていますね。自分の感覚的には「これ違うんじゃないかな?」って思うときは結構簡単に負けそうになるほうなんですけど……。

一同 (笑)

橋本 (笑)。簡単に負けそうになるけど、その時はしたたかに負けようというのはすごく思っていますね。

池松 これ、書きにくいですよね(笑)。

一同 爆笑

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——最後に再会する場面で“ある言葉”を掛け合う所がありますが、もし自分が大切な人に再会するシチュエーションに立ち会ったら、何て言葉を最初にかけますか?

橋本 音信不通で大切な人だったら、まずは「生きてる」って安心しちゃいますね。

池松 映画の中での2人の関係を踏まえてだと、何年か後にあっても多分無視しちゃうと思うなぁ。なんか恥ずかしいし、「痛かったよね」とかわざわざ言えないくらい(笑)。

橋本 確かに(笑)。

池松 こっそり見ていたいですね。隠れちゃいますね。

橋本 やっぱり私も隠れちゃう。絶対無理(笑)。

【インタビュー】橋本愛、池松壮亮。混沌としたこの世の中でいま思うこと、感じること interview140327_otonadrop_main2-1
池松壮亮/スタイリスト:藤谷のりこ、ヘアメイク:宮本靖士
シャツ:¥25,000-(税抜き)、パンツ:¥32,000-(税抜き)
問い合わせ先:SUNSEA(03-6435-5505)

interview & text by Taisuke Yamada(Qetic)
photo by 横山マサト
取材協力:毎日.jp

『大人ドロップ』

4月4日(金)TOHOシネマズ 六本木ヒルズほか、全国公開

原作:樋口直哉「大人ドロップ」(小学館文庫刊)/監督・脚本・編集:飯塚 健
出演:池松壮亮、橋本愛、小林涼子、前野朋哉、渡辺大知 ほか
主題歌:「サニー」黒猫チェルシー
製作プロダクション:ダブ 
製作:バンダイビジュアル、アサツー ディ・ケイ、ソニー・ミュージックアーティスツ、ダブ
上映時間:119分
(C)2014 樋口直哉・小学館/「大人ドロップ」製作委員会


Event Information

VANTAN presents『大人ドロップ』ナイト
2014.04.09(水)@渋谷 SOUND MUSEUM VISION
OPEN 18:30/START 19:00 
ADV ¥1,500/DOOR ¥2,000(1ドリンク代別)
チケット:イープラス
INFO:バンタンデザイン研究所(03-5704-2300)/渋谷 SOUND MUSEUM VISION(03-5728-2824)

LINE UP
出演バンド:黒猫チェルシー、うみのて
出演DJ:DJダイノジ、保坂壮彦(ALL IS LOVE IS ALL/ClubBAGSY)
トークショー:飯塚健監督、前野朋哉、渡辺大知(黒猫チェルシー)、ほか
★当日はこのイベント限定の“青春フード”を無料提供予定!

Release Information

コミカライズ作品概要:コドモ最終日
描き手:こばらゆうこ(バンタンゲームアカデミーマンガ専攻卒業)
掲載期間:マンガボックス17号にて3/26(水)0:00〜4/30(水)23:59まで掲載

  
 

マンガボックスとは
「マンガボックス」は、人気マンガ家の連載作品を無料で読めるマンガ雑誌アプリです。編集長は、マンガ原作者・脚本家・小説家として活躍中の樹林伸(きばやししん)氏がつとめ、講談社・小学館など大手出版社との提携で「金田一少年の事件簿」の作者が描き同作の登場人物が活躍する「高遠少年の事件簿」や、「進撃の巨人」のスピンオフ4コママンガ「寸劇の巨人」など41作が連載中です。週刊マンガ雑誌と同様に週単位の更新で、最新号を含む過去12号分のバックナンバーが常時無料で閲覧可能です。それ以前の部分についても、各作品の冒頭100ページ程度をアーカイブから無料閲覧できます。掲載作品については、電子書籍化、単行本化しての販売を予定しています。日本版、英語、中国語(繁体字)に対応しています。