役について全て理解しようみたいな気持ちはあまりないんです

––––二階堂さん演じる花というキャラクターについて自分の言葉で語っていただけますか。

他の人と何か違うとか何か変なもの持っていると思われがちなのですが、そうではないと思うんです。花に限らず、誰しもが少女から女性に成長するときは色々なものを失ったり得たり、気づかないうちに捨てていたり……。そういった変化をする時期だと思うんです。それも花が自分からアクションを起こしていく訳ではなくて、花を中心に周りの大人がその渦に巻き込まれていく。ちなみに私は作品に入る時に、自分がやらせて頂く役に共感しようと思わないですし、役について全て理解しようみたいな気持ちはあまりないんです。実際は、自分の中で「花はこうだ」って決めつけることはせずに現場で監督と話し合ったり、浅野忠信(淳悟役)さんもカメラが回っていないところで淳悟と花の関係性を保ったまま私と接してくれたりしました。その中で手探りしながら、花というキャラクターを作っていった部分は大きかったですね。

【インタビュー】二階堂ふみ、運命の作品=『私の男』にかける想いとは interview140613_nikaidoufumi_318

©2014「私の男」製作委員会

––––淳悟と花の関係性についてはいかがですか?

この2人は家族であり、男と女であり……という1つのわかりやすい括りでは表せられない関係ですよね。淳悟にとって花は母のような存在になるときもあれば、女になるときもあって、娘になるときもあって、そういった関係性が瞬間瞬間で変わっていくんです。だから、私はこの2人の関係は別に「アリ」「ナシ」とかではなくて、2人だけの世界で生きている、そういう2人なんだなって思っています。

【インタビュー】二階堂ふみ、運命の作品=『私の男』にかける想いとは interview140613_nikaidoufumi_593

©2014「私の男」製作委員会

––––浅野さんとカメラが回っていないところでも実際の役柄として接しあったということでしたが、いかがでしたか?

2人の奥底で通じ合っている関係性であったり、言葉や論理では語れない2人の空気感を常に意識していると、自然と本番にも出るんだなと完成した作品を観てすごく感じました。熊切監督はもちろん、浅野さんにも私が今まで出した事のない表情や声を引き出してもらえたんじゃないかなと思います。

【インタビュー】二階堂ふみ、運命の作品=『私の男』にかける想いとは interview140613_nikaidoufumi_255

©2014「私の男」製作委員会

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