最後のヘッドライナーとしてノエル・ギャラガーズ・ハイ・フライング・バーズが発表されて日別ラインナップも明らかになり、<フジロック’15>周りが本格的にざわついていきましたね。フジロック・オフィシャルショップ岩盤が今年オープンした新たなウェブメディア『富士祭電子瓦版』でも様々な著名人が登場し、大きな盛り上がりを見せています。Qeticでは今回、著名人が<フジロック>を語るという『富士祭電子瓦版』の人気コンテンツ「TALKING ABOUT FUJI ROCK」の一部を掲載。特に話題となっている、高橋盾(UNDERCOVER)さんと松田龍平さんによる対談をチラ見せしちゃいます!(text by Qetic・ヤーマネ)

回のTALKING ABOUT FUJI ROCKに登場するのは、日本を代表するファッションブランド、UNDERCOVER代表・デザイナーの高橋盾さんと、最新主演作『ジヌよさらば ~かむろば村へ~』『舟を編む』『あまちゃん』など、日本の映画・ドラマ界に欠かせない俳優、松田龍平さん

世代も<フジロック>のキャリアも違う二人だが、それぞれの主戦場であるファッションと映画は、音楽と隣り合わせにある表現だ。それは<フジロック>が野外音楽フェスでありながらも、様々な衣・食・住の要素と出会えるカルチャーであることと、どこか似ている。そんな<フジロック>とも親和性がある別々のカルチャーを代表するカリスマ二人からは、どんな<フジロック>の魅力が語られるのだろうか。それでは、TALKING ABOUT FUJI ROCK初となるゲスト二人による対談をお届けしよう。

<フジロック>は夢のような場所(高橋)
一年に一度しかないスペシャルなワクワク感がある(松田)

——お二人とも<フジロック>に初めて行ったのはいつですか。

高橋盾(以下、高橋) 俺は97年の1回目ですね。車で行って、びしょ濡れになって、2日目は中止で帰ってくるっていう(笑)。

松田龍平(以下、松田) 俺はジュンさんに誘われて、一昨年に行ってからなんです。だから、まだ初心者ですよ。

——松田さんはフェス自体、今まで無縁でしたか?

松田 友達のバンドが出ているフェスにはよく行ってました。<フジロック>は雨が降りやすくてなかなか苛酷だって話を聞いてたので、一緒に行く人がいないと厳しいなと思っていて。ジュンさんはずっとテント泊だったんですか。

高橋 いや。1回目は車に泊まろうという感じで。いつもヒステリックグラマーの北村さん(北村信彦、ヒステリックグラマー代表)とかと行ってるけど、苗場に会場が移ってからは近くの民宿を取って、雑魚寝みたいな感じでしたね。年齢が高くなると、「苗場プリンス(ホテル)があるじゃん」となって。一昨年から龍平が来てくれてからは平均年齢が下がりましたけど、その前までは4人部屋で平均年齢が40代後半でした。スペースがある部屋じゃないと、年齢的に結構きつい(笑)。

松田 一回楽なのを味わっちゃうと(笑)。

高橋 テントも一回張ったけど、斜面しか残ってなかったんだよ。その年は結構雨が降ったから中がぐちゃぐちゃになって、ずっと寝ないでウロウロしてた。

松田 でも去年、せっかくだから今度はテントを張ってそういう楽しみ方もしますか、みたいな話もしましたよね。

高橋 最初に行った97年と過ごし方が変わっていて、のんびりとした過ごし方が年齢的にもよくなってきていますね。でも、みんな歳の割にアクティブに動く人たちで、タイムテーブルを見ては目星を付けて、初日で動き切ってしまう。2日目からのんびりになるんだけど、大体奥のエリアまで行ってます。

——天神山、豊洲、苗場と会場だけでなく景色も変わったことはインパクトが大きかったですか。

高橋 そうですね。2回目の豊洲も行ったんですけど、あそこは個人的にはよかったですよ。近いけど田舎の雰囲気もあったから。でも、苗場はまさにこれだ! という感じだった。音楽を聴くために、ライブを観るために行ってるんだけど、大自然の中、男だけで朝からだらだらと飲んで、夜も自然の中をブラブラするっていうのがあの場所ならではじゃないですか。

松田 音楽、自然、酒、全てが揃ってるっていう。

——松田さんは高橋さんに誘われて初めて苗場に行ったときに、<フジロック>はハードなフェスだという印象はありませんでしたか。

松田 東京からの距離は意外と気にならなかったですね。帰りの方が辛かったです。“行きはよいよい、帰りは怖い”じゃないですけど。

高橋 最初のとき、龍平は後から来たんだよね。

松田 そうだ、俺一人で行ってましたね。苗場に行くまでがドラマチックで、すでに雨と雷がすごかったんですよ。台風の目に入った、雷の中心地に向かっているような気持ちでした。そういう意味では、苗場に近づくにつれてテンションは上がりました。会場に着いてからも、ディズニーランド的にちょっとずつ音楽が聴こえてきて近づいていく感じも楽しいですし。ただ、キャンプをしに行くのとは違って“音楽を聴く、ライブを観る”という目的があるから、一年に一度しかないスペシャルなワクワク感がありますよね。

高橋 逆に東京からのあの距離感はいいですよね。朝、みんなの家を周って車一台で行くんですけど、そこからが楽しみというか。会場が近場だと、ちょっと面白味が欠けるよね。

松田 自分の生活から離れる面白さ。旅行とかもそうじゃないですか。非現実的な場所にいくみたいな。

高橋 苗場には音楽が好きな人たちしかいないじゃないですか。そんな人たちが大人数集まる場所なんてクラブやライブハウス以外にないと思う。目的が同じというか、小さい頃にロックが好きっていうと少数派じゃないですか。いろんな人がいる中で、俺はロックが好きって言うと、ちょっと変人扱いされるっていうか。でも、そういう人たちだけっていう<フジロック>は夢のような場所。しかも自然の中だから最高ですよね。

text&interview by 加藤 将太
photo by 横山マサト

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