昨年7月、メジャーファーストフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』を発売したGLIM SPANKY。その後、1年の間にミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』、EP『話をしよう/時代のヒーロー』をリリース。さらに、数々のタイアップをこなし、ビックフェスにも出演してきた。

そして、今月ついに待望のセカンドフルアルバム『Next One』がリリースされたが、今作は前作にまして、「GLIM」が持つ暗い幻想的要素に、「SPANKY」がもつ攻撃的な要素も表現された作品に仕上がっているように感じた。さらに、リード曲である“怒りをくれよ”は、世界的人気アニメ、ワンピースの映画『ONE PIECE FILM GOLD』の主題歌となり、大きな話題となっている。これを機として、さらなる高みを目指すGLIM SPANKYの一歩に繋がることが想像できる。

今回のインタビューでは、ファーストフルアルバムリリースからの1年間で感じたこと、今月発売された『Next One』楽曲についてや、『ONE PIECE FILM GOLD』主題歌の“怒りをくれよ”の制作秘話。そして、日本人がロックをやる強みなど様々な視点から今のふたりが感じていることを聞かせてもらった。さらに7月9日に東京キネマ倶楽部で行われたライブ<Velvet Theater 2016>の様子もお届け。今の彼らの勢いを感じられるインタビュー&ライブレポを是非チェックして欲しい。

【インタビュー】邦ロックの概念を変えるGLIM SPANKY! 高みを目指すふたりの現在 interview160722_glimspanky_1_1

Photo by KAMIIISAKA HAJIME

Interview:GLIM SPANKY

――1stフルアルバム『SUNRISE JOURNEY』発売から1年経ちましたね。この1年間でミニアルバム『ワイルド・サイドを行け』、EP『話をしよう/時代のヒーロー』を発表して、今回ついに2ndフルアルバム『Next One』の発売です。この1年で発表した作品には繋がりはありますか? 

松尾レミ(以下、松尾)『Next One』は、ミニアルバム『ワイルド・サイドへ行け』を意識していますね。デザインも丸のアートワークを基調にしていて、それらを繋げているという歴史もあるので、それをしっかりと伝えられる盤にしたいなという意識もありました。

亀本寛貴(以下、亀本) それでも各楽曲たちは、その時々で考えて作りだしてきたので、「1年間にこういう作品を作って、こういう順番で出しますよ。」という順序があったわけではないですけどね。

GLIM SPANKY「ワイルド・サイドを行け」MV (SHORT VER.)

――1年前のインタビューで、「GLIM SPANKYは、周りの人たち、お客さんや関わった人たちと同じバスに乗り込んで同じ夢をみたい。」と話していましたが、このバスは今どのような状況に変化したでしょうか。

松尾 リスナーも増えて、私たちの周りにいるすべての人たちや、バンドとしても大きくなっているという実感があります。それでも、意味のない繋がりでバンドが大きくなっているのではなくて、しっかりと進むべき人たちと共に、「この時代に何を発信するのか?」。このことへと意味を見出して、進むべき仲間たちが増えて、一緒にいい感じで進んでいると思います。

――たった1年の間で数々のフェスへ出演して、タイアップにメディアへの露出……さらに一般世間へと認知度は上がっていき、活動の幅は増えていますよね。

松尾 とても嬉しいことですよね。元々持っていたハングリー精神がさらに出てきていますよ。元から持っている意識の変化はないので、どんなイベントに出演しても、メディアへの露出が増えても、私たちが目指している場所はさらに大きな場所なので、どんどんその先に向かっていきたいですね。

――1年前は<フジロックフェスティバル>など、ビッグフェスへの出演前のインタビューでしたが、周りの音楽は周りの音楽で、自分たちの音楽は自分たちの音楽。そう捉えられるニュアンスのお話もありましたが、この部分に変化はありましたか?

亀本 他のバンドは他のバンドとして素敵ですけど、僕らの音楽の土台や考え方など、根本的にバンドのスタイルが違うので、他バンドとの共演やイベント出演を重ねても変化はないですね。

松尾 もし、自分たちと同じスタイルのバンドが出てきたとして、そのバンドがすごく盛り上がっていたら、気になるかもしれないですけどね。

亀本 そういうバンドが出てきて「やばい! あいつらめちゃくちゃ格好いいリフ弾いているぞ!」とかあれば、気になるかもしれないです(笑)。

松尾 でも、ベクトルが違うからね。ふたりとも他のバンドが何か新しいことをしていても、気になったり、焦ったりしないですからね。自分たちはスタイルを曲げずに、「GLIM SPANKYヤバい!」、そんな風にファンやリスナーに思わせて、どうやってシーンを確立していくのか。最近はそのことを考えるべきだということがわかってきました。

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