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INTERVIEW

【インタビュー】青木ロビンが語るdowny史上初のリミックスアルバムと再始動後の変化とはーー。

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9年の沈黙を破り、キャリア5枚目となるオリジナルアルバム・第五作品集『無題』をリリースしたばかりのdowny。活動再開後のライブは軒並み即日ソールドアウトを記録。アルバムもリリース2日後には一時的に品切れ。downyを待ち焦がれていたファンが多く存在することを証明する出来事だった。そんな最中、まさか早くも次なる作品がリリースされるとは予想だにしていなかった。

第五作品集『無題』の熱烈な歓迎の余韻が残る中、4ヶ月振りにリリースされたのは同作のリミックスアルバムだ(2014年3月23日リリース)。リミックスアルバムの制作はdowny史上初の試み。Ametsub、Olive Oil、mergrim、やけのはら、石橋英子など、豪華絢爛なリミキサー陣の人選をホスト役であるFragmentとともに行なった。さらに自由参加型のリミックスコンペも開催し、プロアマ多数の応募の中から大賞と特別賞二組を選出。実験精神旺盛なリミックスを披露してくれた彼らに負けじとdownyも新曲“十六月”で参戦し、底知れない美しさのサウンドスケープがアルバム全体に広がっている。

早くからジャンルの垣根を越えた対バンに取り組み、映像を取り入れたライブを行ってきたdownyにとって、リミックスアルバムの発表は自然な流れにあると思う。でも、自らの楽曲の再構築を第三者に委ねるという意味では、僕は驚きを隠せなかった。僕の記憶に残っている、人を寄せ付けない雰囲気が漂う楽曲やライブの佇まいからは、リミックスアルバムのリリースは言語道断のことだったようにも思えるのだ。

Qetic初登場となるインタビューはリミックスアルバムにまつわるエピソードを中心に、フロントマンの青木ロビンに答えてもらっている。「人に委ねる」ことで見えてきた次のステップ。downyは新たな境地へと進んでいく。

Interivew:downy(青木ロビン)

——downyにとって『第五作品集 無題』は9年振りのリリースとなりましたが、リリース当日はどんな心境でしたか。

当日は今暮らしている沖縄にいましたね。出てるらしいぞ、みたいな感じであまり実感がなかったです(笑)。リリースしたら、お店を見に行ったりするじゃないですか。

——売り場に置かれているかチェックしていますよね。

今の沖縄にはタワレコがないんですよ。4月にまたできるんですけど、いよいよdownyのCDを買える場所がなくなるかもしれないなと(笑)。でもTSUTAYAに置いてあったので。

——ロビンさんは普段、CDをどこで買っているんですか。

僕はほとんどAmazonとかのネットショップで買います。あとは東京に来たときに一気に買っていくという感じです。沖縄にはレコード屋はちょこちょこあるので、レコードとかDJの文化は割と発展していると思いますね。でも、メジャーどころじゃない洋楽とかは手に入りづらい環境かもしれない。今どき本当に必要ならばiTunesでも買えますからね。

——「9年振り」と聞くと、きっと感慨深かったんだろうなと思っていたので、ロビンさんが語ってくださった心境は意外でした。

そうですね、意外に。まあ初めてCDを出すわけではないので、そういう意味では最初に出したときの方がドキドキはあったかもしれないですね。レコーディングが終わったときは、良くも悪くも腹は括りました。僕らはレコーディング期間のリミットを決めないと永久にやり続けてしまうんですね。個人的にはブランクがありましたし、これで正解かどうかも分からなかった。でも、感覚的にいいものが出来た実感があったので、いよいよ始まったなということを思いましたね。

——リリース2日後には、まさかの品切れというトピックもありました。

有り難い話ですよね。

——ネットからも店頭からもdownyの新譜がなくなる。それはdownyを待望以上に渇望していたファンがたくさんいたことの証明だったと思うんです。その人たちとの対面することになったのが、ライブ活動の再開にあたるenvyの20周年ツアーでしたよね。

envyにお誘いをいただいたのが地元の沖縄だったので、気持ちは楽でした。でも、個人的にはやっぱりブランクを感じましたね。downyは演奏のアドリブが要らないバンドなので、ちゃんと楽曲どおりに演奏するんですけど、それでもトラブルがあるんですよ。単純に音が小さいとかエフェクトの掛かりが弱いとか。そのトラブルシューティングが練習であり、それを経た上で演奏する場がライブなわけですけど、まったく追いつけなくて。お客さんの反応がどうだったかということよりも個人的に課題が残る一日でした。ライブのリハーサルが始まったときには戻ってきたなという実感はあったけど、とにかく9年もギターを弾いていなかったので、そのブランクが本当に埋まるのか分からなかったですね。

——ブランクを埋めるために足りないものは何だと感じましたか。

意識ですかね。downyはスポーツ選手みたいなバンドなので、試合勘を戻すためにどうやって修正していくかという感じなんですよ。

——現場感覚は、ブランクがあればあるほど失われてしまうものですよね。

そうですね。個人的には本当にいいライブが出来たと思えたのは(渋谷)WWWかな。その前のシェルターと大阪は、良い悪いよりもお客さんが温かくてやりやすかったというか。

——スポーツ選手という言葉が出ましたが、アスリート的な感覚というか。ロビンさんの場合はヴォーカリストという点でも、その声に9年前との違いを感じましたか。

やっぱり声は変わりましたよね。今のおっさんっぽい声の方が好きですけど、人がどう思うかは分からないです(笑)。渋みが出ればいいなと思っているんですけどね(笑)。

——(笑)。では、ギターの弾き方という意味ではどうですか。

ブランクがありすぎて1からになったので、逆に過去との差が分からないんですよ。足元は割と変わりましたし、ギターも特殊なので、指でしっかりと押さえるためにとにかく筋肉を付ける必要がありましたね。「よくもこんなコードを押さえながら歌ってたな(笑)」と気付いて、それを取り戻すための練習も必要でした。

——では、downy史上初となるリミックスアルバムをリリースすることになった経緯を聞かせてください。

downyを再開するきっかけにもなったんですが、僕は沖縄で飲食店もやっていて、レイ・ハラカミさんが生前によくライブをしに来てくれていたんです。ライブが終わって飲んでいたら、ハラカミさんが「いい加減、downy始めろよ」と言ってくれて。僕は「どうなんですかね」ってお茶を濁しながらも、「実際に始めたら何かしてくれるんですか?」って冗談で聞いたら、「俺がリミックスしてやるよ。バンドはNUMBER GIRLしかリミックスしたことないんだよ」って言ってくれて。その話と今回の作品と関係はないのですが、「リミックスっていいなあ」と思い始めたんです。もともと僕らの曲の作り方は構築していくような形なので、どこかリミックスっぽいなとも思うところがあって。活動再開が決まった当時は、具体的に5枚目のアルバムだけを出すっていう話でもなくて。それで「リミックスアルバム、どう?」ってメンバーに話したんですよ。実はdownyのトリビュートアルバムの話をいただいたこともあったんです。

——おぉ、それもまた興味があります。

でも、downyのトリビュートをやっても面白くないんじゃないかなということでお断りしたんです。沖縄でFragmentの2人に会って、そのまま飲みに行った流れで「もしdownyが再開したらリミックスさせてください」って話をしてくれたんですよ。そこから、いよいよリミックスをやってみたい気持ちが高まってきましたね。でも、僕らはリミックスをする側の人間ではないので、Fragmentには人選を含めたアドバイザーとしてホストに立ってもらうことになりました。

——リミックス曲のコンペが開催されたことには驚きました。

Fragmentと引き合わせてくれたオーガナイザーさんが沖縄でレーベルのようなことをやっているんですが、マイケル・ジャクソンの曲をお題にして、サンプリングなしのリミックス選手権とかをやるんですよ。それを面白いなと思って全国でコンペをやってみようと。はじめは無名のアマチュアの方たちをフックアップするつもりだったんですけど、ありがたいことにプロの方たちからの応募がすごく多くて。どの作品もインパクトがあって、甲乙付け難いくらいに良かったんですけど、投票制で名前が残った3作品を大賞と特別賞に選ばせてもらいました。

——コンペの課題曲は“時雨前”でしたよね。

この曲はまず、拍子が5拍子なんですね。小節の割りもちょっと特殊だから、これをどう仕上げてくるのかなということに興味があって、課題曲にしました。

“時雨前” “黒”

次ページ:9年分のご祝儀だと思っているので、そこで舞い上がらずに布石を着々と打っていきたいなと

Qetic編集部

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