ギター&ボーカルとドラムの2ピースとは思えない迫力とユニークな音楽性を持つドミコが、昨年11月に初のフル・アルバム『soo coo?』をリリースしました。ガレージ、ローファイ、サイケなどそもそもの持ち味も残しつつ、一度聴いただけで耳に残る、さかしたひかるのクセになるボーカル、メロディのキャッチーさがさらに打ち出されているのも聴きどころ。今回は、ひかるが「もし自分がハイボールバーを開いたらかけたい曲」という謎のテーマでプレイリストを作成。そこにはどんな意図が?そしてドミコの音楽性との関連は?探りながらお聞きしました。

Interview:ドミコ

【インタビュー】ドミコ もし自分がハイボールバーを開いたらかけたい楽曲プレイリスト interview170127_domico_2-700x467
Photo by Mayuko Yamaguchi

“でかい人だけが歌えるとかじゃないっていうところで勇気が出て来るんです。”

——今回のアルバムは1曲1曲の輪郭がはっきりしましたね。

曲単体で、その曲の形が見えるようにシンプルに仕上げて行きましたね。いい曲っていうのは弾き語りやミニマルな編成、変な形のバンドで聴かせてもいいものじゃないといけないっていうルールが自分の中であって、そこは深いところで意識していたのかなと思います。

——今回のプレイリストに一組は入ってるんですが、ホール&オーツと奥田民生が好きだとか。

そうですね。好きなアーティストはギタリストでもなく、ボーカリストでもなく、もうその人そのもの、象徴みたいな人が好きですね。

——今回のアルバムはこれまでドミコにもたれていた、今の時代のローファイでインディなサイケというカテゴライズから抜けられたと思いますか?

いい意味でそういうところは意識しないというか、自分の中では「ドミコっぽい」ものになったと思います。「ああ、これあそこ界隈ぽいな」というものじゃなくて。作ってくうちにもうちょっとロックンロールに聴こえた方がいいなと思ったんですよね。

——確かに理屈抜きにロックンロールとしか言いようのない音像だと思います。ではプレイリストを紹介してもらうんですが、「ハイボールバーを開いたときにかけたい曲」という設定はどこから?(笑)

やりたいとか全く思ってないんですけど、妄想で・・・バーを、こういうテーブルから配置とかたまに考えたりするんですよ。そんな広くない感じで。暗すぎず、ガヤガヤしててもいいなと。でもチャージ1000円ぐらいで大学生が来ない感じがいいんですけど(笑)。街はできれば海が見えるところ、たとえば房総半島がいいですね。

——では、プレイリストに移ります。1曲目は50年代後半の黒人女性ボーカルグループの曲ですね。

もともとビートルズのBBCアルバムに“Baby It’s You”ってカバー曲が入ってて、その原曲はこの人たちでもないんだろうなと思うんですけど、この人たちのバージョンが好きだなと思って。総じてジャングリーな感じとかが好きで。これ土日の天気のいい昼間にかけたいなっていう感じですかね(笑)。

The Shirelles – “Baby,It’s You”

——一転してニール・ヤングの淡々とした名曲です。

これは「もうダメだわ・・・」って、なってる人に聴かせてあげたいですね。昔、ニール・ヤングって名前に惹かれてそっからずっと聴いてて、弾き語りでたまにやったりするぐらい好きな曲です。

Neil Young – “Old Man”

この人(スティーヴ・マリオット)めちゃくちゃソウルフルな歌い方するじゃないですか?で、この歌い方を勉強しようと大学のとき思ったんですけど、全然できなくて。この人も小柄な人なんですけどパワフルで。別にでかい人だけが歌えるとかじゃないっていうところで勇気が出て来るんです。

Small Faces– “Come On Children”

——そしてひかるさんの奥田民生と並ぶルーツのホール&オーツからはこの2曲。

“She’s Gone”ってちょっと悲しい曲なんですけど、曲自体がすごく好きで。自分の感性が入りすぎてるんで、11時半ぐらいとか、お客さんがあんまりいない時間にかけていこうかなってとこですかね(笑)。

Hall and Oates – “She’s gone”


Hall and Oates – “I’m Just A Kid(Don’t Make Me Feel Like A Man)”

——ホール&オーツは濃いルーツなんですか?

そこまで実は消化できてなくて。歌しか聴いてないんで、とにかく歌いたい、っていう(笑)。“She’s Gone”はサビを掛け合いで歌ってるんですけど、僕、一人で歌いますから(笑)。わかりやすく言えばチャゲアスぐらい歌ってますよね。その掛け合いがめっちゃカッコいいんですよね、特にこの時期は。

——じゃあここはマスターのプライベートタイム(笑)ということで。

そうですね(笑)。仲いい奴が来た時しかかけない。でもニール・ヤングを聴いてたお客さんが酒も回って来たら、“She’s gone”をかけて号泣させて、全部、膿を出してもらうっていうのもアリですね。

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EVENT INFORMATION

ドミコ『soo coo?』Release Tour

2017.01.26(木)
OPEN 18:30/START 19:00
LIVE HOUSE Pangea
ADV ¥2,500

2017.01.27(金)
OPEN 18:30/START 19:00
広島・4.14
ADV ¥2,500

2017.01.29(日)
OPEN 18:30/START 19:00
福岡graf
ADV ¥2,500

2017.02.04(土)
OPEN 17:30/START 18:00
LIVE HOUSE FEVER
ADV ¥2,500

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RELEASE INFORMATION

soo coo?

ドミコ / まどろまない(Official Video)

2016.11.09(水)
ドミコ
RED0005/RED Project Room, a division of Sony Music Entertainment(Japan)Inc.
¥2,130(+tax)

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text&interview by Yuka Ishizumi
Photo by Mayuko Yamaguchi