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[DEERHOOF]インタビュー:20周年のアニヴァーサリー・イヤーを彩る12枚目の傑作アルバム『ラ・イスラ・ボニータ』をリリースしたディアフーフのフロント・ウーマン、サトミにメール・インタビューを敢行。

ィアフーフは、奇跡的なバランス感覚で生き抜いてきたバンドだ。4トラックのレコーダーを片手に、米サンフランシスコの地下でノイジーなパンク・サウンドをぶち撒けていた彼らも、今年で結成20周年。この20年の間に、数えきれないほどの音楽シーンやムーヴメントが勃興しては下火になっていったワケだが、ディアフーフはそのどれにもフィットせず、もちろん迎合することもなく、独自のポップ・ワールドを切り開いてきた。気が付けば、トム・ヨークやデイヴ・グロール、フレーミング・リップス、ウィルコ、そしてデヴィッド・バーンといった同時代のアーティストたちも、次々とディアフーフの虜になった。

ディアフーフにとって最大の武器、および最強のチャームこそが、日本人のフロント・ウーマン=サトミ・マツザキによるヴォーカルと詞世界だろう。チャイルディッシュでありながら批評的、ユルーく漂うようでどこか一本筋の通った彼女の歌は、非西欧人ならではの「アウトサイダー」的な感覚を見事に捉えており、いわゆるUSインディーの枠組みにおいても真の意味で唯一無二な存在であり続けてきたのだ。

この度、20周年のアニヴァーサリー・イヤーを彩る12枚目の傑作アルバム『ラ・イスラ・ボニータ』がリリースされたこともあり、サトミさんにメール・インタビューを敢行。近年はマルーン5(!)のような大物バンドからもリミキサーとして指名され、年末には北海道から沖縄まで縦断する過去最大規模のジャパン・ツアーも控えるなど大忙しのディアフーフだが、1ミリもブレることなく自分たちの信じる道を突き進んできたからこそ語れる、自然体の言葉がそこにはあった。

Deerhoof – “Mirror Monster”(Official Video)

Interview:Satomi Matsuzaki(DEERHOOF)

今回のアルバムには、「女性を応援したい」という
バンドの気持ちが込められています

–––新作『ラ・イスラ・ボニータ』は、ディアフーフ流のパンク・アルバムとも言える痛快な作品に仕上がっています。デヴィッド・バーンやソニック・ユース、フレーミング・リップスといった親交の深いアーティスト/バンドへのトリビュートでもあるとお聞きしましたが、そのようなコンセプトに思い至った理由は?

個人的にはトリビュートというよりはディアフーフ20周年ということもあって、20年にわたるDIY活動のルーツに帰るといった感じです。昔やってたベースメントのライヴは「生!」のパワー全開といった感じで音質や楽器にこだわらず、オーディエンスとの一体感を重視したものでした。今回はそんな空気を再現したい! と思って。フレーミング・リップスなどもそういう空気が伝わってくるパワフルなバンドだと思うので、共通しますね。

–––本作もエドの自宅兼ホームスタジオでレコーディングが行われていますが、グレッグはプレスリリースの中で「ジョーン・ジェットやジャネット・ジャクソンのような音を出そうとした」と述べていました。具体的に、どういった部分で彼女たちのエッセンスを抽出していったのですか?

今回のアルバムには、「女性を応援したい」というバンドの気持ちが込められています。最初の曲“Paradise Girls”は、「ガールズ!」という私の掛け声で始まるように、チアーリーディングしているんですよ。ジャネット・ジャクソンのファンキーなベースラインはたしかに意識しましたね:)

Deerhoof – “Paradise Girls”

–––ラモーンズのカヴァーから発展したという“Exit Only”はディアフーフにとっての新たなライヴ・アンセムだと思います。こういったド直球のパンク・ソングを制作するのは新鮮でしたか?

新鮮ですねー。演奏するときに1音1音バキバキ弾けるのは、はっきり言って簡単で楽しいです(笑)。

Deerhoof – “Exit Only”

–––“Big House Waltz”では独裁者の演説のような拡声器ボイスも聞こえますが、この曲は映画作品などからインスピレーションを受けたものですか?

今回のアルバムは、「大きな力に反対する」「みんなに大きな声で語りかける」というメッセージが込められています。拡声器は反対の声を上げる時や、混雑している場所でよく使われる楽器ですから、そんな雰囲気を強調したかったんです。

–––ラストの“Oh Bummer”はビックリするほどソニック・ユースっぽいナンバーです。グレッグのヴォーカルもサーストン・ムーアを意識しているんじゃないの? とさえ思ったのですが、この曲のエピソードを聞かせてもらえませんか。あと、タイトルはもしかして「オバマ」をもじったものでしょうか?

正解です。そして、タイトルをつけたのは私ですー(笑)。でも、グレッグの声ってサーストンに似てますか? “Oh Bummer”はマイケル・ジャクソンっぽい曲だなーと思いました。ちなみにこの曲でドラムを叩いているのは私で、グレッグが歌とベースを担当しています。

次ページ:『ラ・イスラ・ボニータ』は、スリリングな冒険!

Qetic編集部

編集部

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