開前から大きな話題を呼んでいる映画『ニンフォマニアックVol.1/Vol.2』の日本公開に合わせ、9月27日(土)発売の芸術総合誌「ユリイカ」10月号にて同作品の監督を務めているラース・フォン・トリアー特集が組まれています!

『ニンフォマニアック』のみならず『ヨーロッパ』や『ドッグウィル』、TVシリーズ「キングダム」等過去の作品群や、ヨーロッパ映画賞で世界的貢献賞を受賞した映画運動「ドグマ95」などを考察した本書は、日本初のラース・フォン・トリアー研究書。『ヨーロッパ』『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』など、 多くの世界的映画賞を受賞してきたラース・フォン・トリアーウ(以下:トリアー)。しかし公開されるたびに、問題作と銘打たれる彼のフィルモグラフィ。作品のテーマの過激さとはうらはらに、トリアーが映画で描きたい/描きたかったものとは何であるのか。豪華執筆陣が最新作『ニンフォマニアック』を起点に、トリアーをめぐる映画史的状況を多面的に探ります。

また、作品の常連であるステラン・スカルスガルドはじめ、シャルロット・ゲンズブール、キルスティン・ダンストら俳優陣がトリアーを語り、園子温監督のインタビュー作家田口ランディ、女優青柳いづみのエッセイも掲載されているだけでなく、トリアーが自らを語った独占インタビューも掲載された貴重な一冊となっています。トリアーファンのみならず、映画ファン必読、必携の一冊です!!

「ユリイカ」10月号ラース・フォン・トリアー特集
――『奇跡の海』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』から『ドッグヴィル』、そして『ニンフォマニアック』へ

【インタビュー】
ラース・フォン・トリアー/ステラン・スカルスガルド/シャルロット・ゲンズブール/ウィレム・デフォー/キルスティン・ダンスト/園子温
【エッセイ】
田口ランディ/青柳いづみ
【対談】
真魚八重子×鷲谷 花/自己破壊の奇跡 トリアー映画における女性表象
【執筆者/タイトル サブタイトル】
・北小路隆志/ラース・フォン・トリアーの「告白」
『ニンフォマニアック』における権力の倒錯について
・佐々木敦/救い主が嗤われるまで
いわゆる「鬱三部作」について
・斎藤 環/欲望の倫理、またはセクシュアリティ
・小沼純一/女に沿う音楽
ラース・フォン・トリアー映画の音楽
・小松 弘/ラース・フォン・トリアーを映画作家としてどう捉えるか 
・瀬川裕司/ドイツ零年のカフカ的悪夢
映画『ヨーロッパ』をめぐって
・渡邉大輔/ディジタル化/生命化する映画
トリアー、ドグマ95と「ディジタル映像の美学」
・越川道夫/ドグマ95と「遊び」  
・風間賢二/KING DAMN IT! 
・今村純子/箱庭のなかの童話
『ドッグヴィル』から『マンダレイ』
・石橋今日美/戦慄と甘美
『メランコリア』をめぐって
・萩野 亮・渡邉大輔/ラース・フォン・トリアー主要フィルモグラフィ
(順不同・敬称略)

『ニンフォマニアック Vol.1/Vol.2』

(Vol.1)10月11日(土)~/(Vol.2)11月1日(土)~新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町・渋谷ほか全国順次公開

監督/脚本:ラース・フォン・トリアー『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『アンチクライスト』『メランコリア』
出演:シャルロット・ゲンズブール『メランコリア』、ステラン・スカルスガルド『ドラゴン・タトゥーの女』、ステイシー・マーティン、シャイア・ラブーフ『トランスフォーマー』 、クリスチャン・スレイター『トゥルー・ロマンス』、ジェイミー・ベル『リトル・ダンサー』 、ユマ・サーマン『キル・ビル』、ウィレム・デフォー『アンチクライスト』、ミア・ゴス、ソフィ・ケネディ・クラーク『あなたを抱きしめる日まで』、コニー・ニールセン『グラディエーター』、ジャン=マルク・バール『グラン・ブルー』、ウド・キア『メランコリア』
2013年/デンマーク・ドイツ・フランス・ベルギー・イギリス/英語/カラー&モノクロ/シネマスコープ/ドルビーデジタル/字幕翻訳:松浦美奈/原題:NYMPHOMANIAC/上映時間<Vol.1>:1時間57分<Vol.2>:2時間03分
配給:ブロードメディア・スタジオ
(C)2013 ZENTROPA ENTERTAINMENTS31 APS, ZENTROPA INTERNATIONAL KÖLN, SLOT MACHINE, ZENTROPA INTERNATIONAL FRANCE, CAVIAR, ZENBELGIE, ARTE FRANCE CINÉMA

STORY
ある冬の夕暮れ、年配の独身男・セリグマン(ステラン・スカルスガルド)は、裏通りで怪我を負って倒れている女性・ジョー(シャルロット・ゲンズブール)を見つけ、自分のアパートで介抱する。やがて回復したジョーは、自身の生い立ちについて赤裸々に語り始めた。それは、幼いころから“性”に強い関心を抱き、数えきれないほどのセックスを経験してきた、ひとりの女性の驚くべき数奇な物語だった――。