iTunes Storeで毎週水曜日に更新される「今週の映画」コーナー。今週は、ブラッド・ピット主演の『ジャッキー・コーガン』を100円でレンタルしよう。

本作では、2008年の金融危機が隠喩的背景に、「頼れるのは自分だけだ」とブラッド・ピット扮する殺し屋がアメリカで生きる様子や、金目当てで裏社会に足を突っ込みトラブルに巻き込まれる強盗たちが皮肉に描かれている。

監督は『チョッパー・リード 史上最凶の殺人鬼』や『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク。今作で、ブラッド・ピットとは2度目のタッグとなった。

あらすじ

「優しく殺す」をモットーにする殺し屋ジャッキー・コーガン(ブラッド・ピット)は、“ドライバー”と呼ばれるエージェント(リチャード・ジェンキンス)から賭博場強盗の黒幕を捜す依頼を受ける。彼は前科のあるマーキー(レイ・リオッタ)を捜し出したものの、強盗を仕組んだのは別の悪党3人組であることが判明。金に狂ったギャング、エージェントの背後の影、さらに同業者たちの思惑と裏切りが複雑に絡み合った時、ジャッキーが辿り着いた結末とは……。

以下、iTunesレビュー

毎週、スタッフが選んだおすすめの1本を特別レンタル価格100円で紹介する「今週の映画」。今週は、ブラッド・ピットが『ジェシー・ジェームズの暗殺』のアンドリュー・ドミニク監督と製作・主演で再び組んだ『ジャッキー・コーガン』。劇中では冷酷な殺し屋ジャッキー役を喜々として演じている。前作で詩情豊かな映像美を評価されたドミニク監督は、本作では夜の交差点にて展開する暗殺劇をスローモーションで表現。銃弾に貫かれたガラスが星のようにきらめき、衝突する車が踊るように回転し、美しさと死を対比させた必見の名場面に仕上げた。賭場襲撃事件の黒幕をあぶり出すクライムアクションでありながら、本筋に関係のない会話が長々と続いたり、ブッシュやオバマの演説が差し込まれる奇妙な構成も面白い。実は、リーマンショックを発端にした金融危機が、裏社会のトラブルに置き換えられて皮肉られており、金に目がくらみ賭場襲撃を仕組んだ小悪党3人組が、サブプライムローンに踊らされた庶民らの象徴として描かれていたりしたりと、巧妙なメタファーがいくつも隠された一筋縄ではいかない作品。

RELEASE INFORMATION

ジャッキー・コーガン

監督:アンドリュー・ドミニク
製作:ブラッド・ピット、デデ・ガードナー、スティーブ・シュワルツ、ポーラ・メイ・シュワルツ
キャスト:ブラッド・ピット、リチャード・ジェンキンス、ジェームズ・ガンドルフィーニ、レイ・リオッタ、サム・シェパード
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