『スポットライト 世紀のスクープ』

4月15日(金)より全国ロードショー

アカデミー作品賞に輝いた本作は、“宗教”という絶対的な権威を揺るがす、ある種タブーにも近い、勇気ある行動に出た新聞記者たちの物語。「真実だけを求めることが正義なのか」と本質的な問いに真っ向に挑んだ、実話を基にした作品である。主演は『フォックスキャッチャー』でチャニング・テイタム演じる主人公の、心優しき兄を演じた、マーク・ラファロ。そして注目したいのは、『バードマン』以来の映画出演となるマイケル・キートン。“バードマン”のイメージを払拭する、中堅記者を見事演じきっている。もう、この親父、「人気者のヒーローになりたい」とか考えてないぞ! 日本人には、少し分かりにくい感覚なのかもしれないが、“宗教とは果たして何なのか”を、改めて考えさせられる作品だ。

監督:トム・マッカーシー
出演:マーク・ラファロ

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『グランドフィナーレ』

4月16日(土)新宿バルト9ほか全国順次ロードショー

『グレート・ビューティー 追憶のローマ』以来の、パオロ・ソレンティーノの新作。フェリーニの後継者などと称される彼の作品は、切り取る景色がどれも美しく、非常に映画的に撮られているのが特徴である。高級リゾートで余生を楽しむ音楽家。己の才能の為に、自分の家族を見返らなかった主人公に託された、最後の依頼とは? “若いままではいられない”と、老いを知った人々が選ぶ行動とは? こんなにスタイリッシュな余生を過ごせるはわけではないけれど、どこかで人生の参考になるのではないだろうか。原題が「youth」のというのだから、“若さ”に羨望の目を向ける、その視点からでも物語を見てみてほしい。

監督:パオロ・ソレンティーノ
主演:マイケル・ケイン

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『獣は月夜に夢を見る』

4月16日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次ロードショー

北欧から届いた美しい物語。北欧映画というだけで、美しく刹那的でもあり、神秘的な魅力を兼ね備えているようなイメージが多いのは何故なのだろうか。雪が多く、夜の暗い画面が多いのも起因するのかもしれない。今作も、そのイメージに漏れず、寡黙な美しい女性が主人公。何か彼女には秘密があるようだが、どうやら本人も気付いてないよう。職場で出会った男と恋愛に発展していくが、そこから別の物語が始まっていくこととなる……。

監督:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
主演:ソニア・ズー

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それでは今週も映画三昧!

text by Mara