『アイアンマン』が好きです。キリンさんゾウさんよりも、もっと好きです。

まずはあのフォルムと配色。あんな奇抜なカラーリングはなかなか日本では見られませんよね。流行のワントーンコーデではなくツートーンコーデ。しかも赤と金。流石です、トニー・スタークさん。最初観たときは正直「ん?」となったのですが今はもう最高にクールに見えます。そして代名詞とも言える手から出るビーム。手から出すカッコイイものというジャンルにおいて『スパイダーマン』が手から出すネットと双璧であり、一連の流れを真似たことのある人も多いのではないでしょうか。私、ありますよ。

でも一番の魅力はアイアンマンの中の人、トニー・スタークの人柄です。大企業の社長(現在は恋人のペッパーにその座を譲る)で大金持ち、天才的な知能、プレイボーイ、自信過剰。前作の『アベンジャーズ』では同じくアベンジャーズの仲間、キャプテン・アメリカの「パワード・スーツを脱いだら何が残る?」という質問に「天才、金持ち、女好きぐらいか」と返します。ジョークも最高にキレてます。流石です、トニー・スタークさん。嫌みのような発言もトニー・スタークだと不思議と笑ってしまいます。

なぜ笑ってしまうのか。それはトニー・スタークが本当は繊細な人間でもあり、人一倍正義感が強いという一面があるからです。そしてこの繊細で正義感が強く自信過剰、という性格が原因で1人で誤った方向に猪突猛進に進んでしまいます。「ああ止めとけばいいのに」と。いつもスクリーンの前でヤキモキします。しかし天才であるが故に困難をものともせず進めてしまうわけです。『アイアンマン』シリーズでは必ず問題を起こします。そしてそれが原因で周囲の人間に多大なる迷惑をかけます。でもそのたびに苦悩して努力して、解決する。この人間としての「揺らぎ」、そこが彼の愛すべき点なんです。

そんな愛すべき彼が出演する『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』を観てきました。

事前に予告編をYoutubeで観たんですが、その映像の冒頭にトニー・スタークの「すべて私のせいだ……」という独白があります。

またか! またやってしまったのか!(歓喜)

映画『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』予告編

『アイアンマン』ファンとしてはこの上ない展開が待ち受けているに違いない。期待を膨らませながら一人映画館へ向かいました。結果、流石です、トニー・スタークさん、でした。簡単に説明しますと、トニー・スタークは地球の全ての人々を守ろうとし、人工知能による完璧な平和維持システム、ウルトロン計画を実行します。もちろん一人で勝手に決めて、協力者を半ば強引にそそのかして。しかし、進化と増殖を続けるウルトロンが選択した「究極の平和」とは、地球を脅かす唯一の存在=人類を抹消することだった、というお話です。

またしても彼の正義感が悪い方に暴走するんです。協力者の勧誘の仕方も実に強引で巧妙。でもなぜそういった行動をするかといったら全ては人類の為。私利私欲の為ではないのでやっぱり憎めない。その一連の彼の暴走も今作に緊張感をもたらしている重要なシーンとなっています。どんな暴走かは是非劇場にて。

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