しの番号こと007シリーズの最新作『007 スカイフォール』は、やはりチャート・アクションも超一流だったようだ。ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントが配給した映画作品の中では、歴代1位となる全世界累計9億1800万ドルを突破(12年12月10付)。日本においてもIMAXを含む全国584スクリーン(字幕355、吹き替え229)で封切られるやいなや、土日たったの2日間で全国動員39万8,754人、興収4億5,463万9,650円という怪物的な記録を達成した。ダニエル・クレイグ版のジェームズ・ボンド作品としては3作目となるが、世界56カ国でオープニング成績No.1に輝き、あらためてその存在感を知らしめている。はっきり言って、規格外。

なぜこれほどまでの特大ヒットに恵まれたのかといえば、様々な要因が挙げられるだろう。まず2012年は、シリーズ第1作『007ドクター・ノオ』(62年)がロンドンで初公開されてからちょうど50周年の節目にあたるアニバーサリー・イヤー。今年7月のロンドンオリンピック開幕式においてはダニエル・クレイグがボンド役で登場し、エリザベス女王と夢の共演を果たしたことも大きな話題となった。さらに、昨年~今年にかけて2ndアルバム『21』(11年)が全世界で2,400万枚も売れているイギリスの歌姫アデルが、この映画のために書き下ろした新曲“スカイフォール”を発表。もちろん肝心のストーリーも文句無しで、オスカー監督の鬼才サム・メンデスがボンドの生まれ故郷やルーツにも迫りながら、007シリーズの新境地に踏み込んでみせている。まさに超一流と超一流の競演。これがヒットしなけりゃウソでしょう!

ということで、まだ映画を観ていない読者への注目ポイントして、<『007 スカイフォール』を撃ち抜くための007つのターゲット>を集めてみた。すでに鑑賞済みの読者には、本作の魅力を再発見できる場所となってくれれば幸いである。ああ、こんなことを書いてたらまた観たくなってきたぞ……。年末年始の映画ミッションは、『007 スカイフォール』無くして完了不可能なのである。

『007 スカイフォール』を撃ち抜くための 007 つのターゲット

【ターゲット.001】サム・メンデス監督
世界中で怪物的なチャート・アクションを記録している『007 スカイフォール』をまだ体験していない読者へ送る、映画を撃ち抜くための007つのターゲット!! feature1225_bond_maiking_3
 
世界中で怪物的なチャート・アクションを記録している『007 スカイフォール』をまだ体験していない読者へ送る、映画を撃ち抜くための007つのターゲット!! feature1225_bond_maiking_2-e1356412941250

長編デビュー作『アメリカン・ビューティー』(99年)でいきなりアカデミー監督賞、ゴールデングローブ賞監督賞などに輝いたイギリスの演出家・映画監督。自身もキャメロン・ディアスやレイチェル・ワイズといった女優たちの浮名を流したプレイボーイだけに、この人選には納得という007ファンも多かったのではないだろうか? 前作はジョン・クラシンスキー主演の『お家をさがそう』(09年)

【ターゲット.002】ラスボス
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今作のラスボス=ラウル・シルヴァ(ハビエル・バルデム)は遠隔操作で次々と情報操作・破壊工作を行うサイバー・テロリスト。元MI6エージェントでM(ジュディ・デンチ)の部下だったという過去を持つエリートだが、とあるミッション中に起きた事件からMに対して異常なほどの愛憎を見せる。ウィキリークス創始者のジュリアン・アサンジがモデルになっているというエピソードもある通り、頭を金髪に染めたハビエルの怪演が見どころだ。

【ターゲット.003】ボンドガール
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007シリーズに欠かせないファム・ファタール=ボンドガールといえば、ボン・キュッ・ボン! でセクシーな魅力を振りまく注目株の女優が演じてきた。しかし、『007 スカイフォール』にはフィールド・エージェントのイヴ(ナオミ・ハリス)や謎の美女セヴリン(ベレニス・マーロウ)といったキャラクターがスクリーンを彩るも、厳密に言えば彼女たちは本作のボンドガールではない。では、一体誰が? その答えはラストで判明することになる。

【ターゲット.004】アイテム
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今でも剃刀とシェービング・ブラシでヒゲを剃るクラシックなオトコ=ボンドには、ハイテクな武器はいらない。本作ではなんとシリーズお馴染みの需品係将校(武器調達係)であるQが『007 ダイ・アナザー・デイ』(02年)以来10年ぶりのカムバック。過去のシリースで活躍したペン型爆弾を「古いですよ」とあしらい、必要最小限のアイテムだけをボンドに渡す。それらが実際に使用されるシーンはいずれも物語の重要なポイントでもあるので、見逃さないでほしい。ベン・ウィショーのナード感も完璧にハマってます!

【ターゲット.005】ミュージック
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007といえば、あのゴージャスでスリリングなテーマ曲。しかし今作ではオープニングから全然流れる気配なし…。きっとファンは肩透かしを食らうだろうが、思わずニンマリとしたくなるシーンできちんと使われますのでご安心を。また、先述した通り映画の台本からイメージを膨らませたというアデルの新曲“スカイフォール”も、日本語訳付きで登場。映画音楽の巨匠トーマス・ニューマンによる書き下ろしのスコアを収録したサントラもリリースされているので、『007 スカイフォール』の世界を追憶したいならマストだ。

【ターゲット.006】ロケーション
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世界中で怪物的なチャート・アクションを記録している『007 スカイフォール』をまだ体験していない読者へ送る、映画を撃ち抜くための007つのターゲット!! feature1225_bond_subsub10

おそらく我々日本人にとっても最大のサプライズとなるのが、『007 スカイフォール』のロケ地。なんと、ラウル・シルヴァのアジトは近年の廃墟ブームの火付け役にもなった長崎県・端島(軍艦島)がモデルになっているのだ。(エンドロールにもしっかり明記されている!)。また、冒頭のトルコからマカオ、ロンドン、そしてタイトルにもなったスコットランドのスカイフォール…と、世界各国を舞台に走り回るアクション・シーンの数々は一秒たりとも目が離せない。

【ターゲット.007】ジェームズ・ボンド
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世界中で怪物的なチャート・アクションを記録している『007 スカイフォール』をまだ体験していない読者へ送る、映画を撃ち抜くための007つのターゲット!! feature1225_bond_subsub4

007といえば、もちろんジェームズ・ボンド。今作ではオープニングから窮地に立たされ安否が不明になるものの、そのプレイボーイっぷりとトラディショナルな着こなし、そしてユーモラスなキャラクターは健在である。職務復帰のための適正テストで落第してしまうトホホな面も、決して「無敵のヒーロー」ではないボンドの魅力のひとつだろう。『007 スカイフォール』の終盤では、今まで明かされることのなかったボンド出生の秘密やルーツを垣間見ることができる。また、ダニエル・クレイグ版のボンドは今作でラスト…という噂もあるので、そのポストを狙っているヒュー・ジャックマンをはじめ、現実世界での後継者争いにも注目しよう。

(text by Kohei Ueno)

『007 スカイフォール』50のサイトを追え!

映画『007』シリーズ50周年を記念して50サイトが集結。絶賛公開中の最新作、『007 スカイフォール』の魅力を全力で紹介中!

映画『007 スカイフォール』

絶賛公開中!

監督:サム・メンデス
配給:ソニー・ピクチャーズ
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