きゃりーぱみゅぱみゅロンドン公演
津田昌太朗

【海外の反応】超満員ロンドン公演で感じたきゃりーぱみゅぱみゅが世界にウケる理由

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ロンドンできゃりーぱみゅぱみゅを観てきた!

ンドンは昨日から地下鉄のストライキが実施され、街中が不穏なムードに包まれていたわけだが、そんな空気を微塵も感じさせない場所がロンドンで一ヶ所だけ存在したといっても大げさではないだろう。

きゃりーぱみゅぱみゅのワールドツアー・イギリス公演が行われたロンドン西部にあるSheperds Bush Empireだ(ちなみにこの会場は昨日もリリー・アレンがGIGを行ったような老舗のライブハウス)。

本日のチケットはSOLD OUT。ちなみにこのライブハウスで4・5月でSOLD OUTしているのは、グラストンベリーにも出演が決まったリリー・アレン、イギリス中で大ヒットしているClean Bandit、DaftPunkのアカペラで世界的に有名になったPentatonixくらいだ。その事実だけできゃりーぱみゅぱみゅが今どれくらい世界で戦えているのかが分かるだろう。

フェス感覚で楽しまれるきゃりーのライブ

スナップ撮影を実施するため、ストライキで麻痺するロンドンを横断して開演4時間前には会場に入っていたのだが、既に数百人単位の観客が列を作っていた。

昨年に続き、二度目のロンドン公演ということもあり、きゃりーぱみゅぱみゅの2013年ツアーのTシャツを着ているファンはもちろん、完全にきゃりーぱみゅぱみゅになりきっているファンも多く見られた。知人の日本人美容師のところには「きゃりーちゃんと同じ髪型にして」と訴えるお客さんもいたとのこと。

開演前に多くのファンに話を聞くことができたが、「彼女に似せるために全部ハンドメイドで服を作った」というファンや「きゃりーのおかげで日本語がちょっと話せるの」と流暢な日本語で話しかけてくるファン、さらには「彼女に影響を受けてイラストレーターになりました」というファンまで存在した。そんなファンたちと話していて感じたのは、彼女たちはきゃりーぱみゅぱみゅのライブを楽しみにきていると同時に、『そこにいること』自体もエンターテインメントとして楽しんでいるのだ。ファン同士で交流し、写真を撮り合い、情報を交換する。ライブというより、フェスに近い感覚と言った方が伝わりやすいかもしれない。

「ファンがきゃりーぱみゅぱみゅに合わせにきている」

日本でも彼女のライブを何度か観たこともあるが、会場の空気感から演出まで、ポジティブな意味で『日本でやっているまま』に再現されていた。もちろん細かいところをあげれば、差異はたくさんあるだろうが、それこそファンにしてみても、顔さえ除けば武道館でライブをしていたときに近いファッションとテンションの観客が目の前で踊っていた。ロンドンの日本人公演では珍しく会場の7割以上が現地人という状況にも驚いた(日本人かなと思っても、韓国人や中国人だということも多かった)。

よく日本のアーティストやバンドの海外公演を観たときに『海外向けにパッケージされたもの』を見せられているような印象を受けることが多い(もちろんそれが悪いというわけではない)が、ロンドンでの彼女に関しては、全くそんなことを感じることがなかった。多少MCで英語で語りかけたりもしていたが、驚くべきことに会場にいた多くのイギリス人は彼女の日本語のMCに反応していた。隣にいたきゃりー風イギリス版ギャルは全ての歌詞を空で歌っていた。

『日本人アーティストが海外用に合わせにきているの』ではなく、言ってみれば『ファンがきゃりーぱみゅぱみゅに合わせにきている』からこそ、日本で感じた空気感がここロンドンでも感じることができたのだろう。

原宿から真空パックされてロンドンまでやってきた!!

観客が多すぎて入場に時間がかかり、15分押しで始まったライブだったが、“インベーダーインベーダー”に始まり、「ジャパニーズ・ニンジャポーズ! 頭の上でクラップハンズしてね〜」と日本語で呼びかけてから歌い始めた“にんじゃりばんばん”で早くも会場のテンションは最高潮に。畳み掛けるようなヒット曲のオンパレードで、アンコール前の「ファッションモンスター」まで一気に駆け抜ける。アンコールは“CANDY CANDY”と“ちゃんちゃかちゃんちゃん”の2曲。「ほんとのラストソングだからね〜」と彼女が言うと、会場は悲鳴にも似た叫び声に包まれた。原宿から真空パックされてロンドンまでやってきたのかと思うほど、鮮度の高かった2時間のライブ。彼女はロンドンでも何も気負うことなく、最高にクールな日本のアイドル、いや『きゃりーぱみゅぱみゅという存在そのまま』でステージに立ち、「せんきゅーべりーまっち! あいらぶゆ〜!」 と言ってステージを後にする瞬間まで観客を魅了し続けた。

言葉の問題なんて相手が解決してくれる。

彼女のロンドンでのライブは、単なるブームとしての何かではなく、これから日本のコンテンツ、ひいては日本の文化が世界で戦っていく上でのヒントが散りばめられていた。「きゃりーって海外でも何か人気あるんだよね」と感覚的に思っている人にこそ、現在進行形の彼女をウォッチして欲しい。『何か』ではなく、目に見える形でこの現象を理解できるはずだ。圧倒的に突き抜けて、徹底的に突き詰めれば、言葉の問題なんて相手が解決してくれる。文化の違いなんて空気が解決してくれる。そんなことまで思わせてくれた。

ストライキのせいで深夜でも満員の赤いバスに揺られながら、周りに座っている時折日本語を喋るピンク頭のイギリスギャルたちに囲まれている今、日本人であることに少し誇りを感じながら、束の間の眠りについた。

★きゃりーぱみゅぱみゅロンドン公演でファッションスナップも敢行! 本日公開するのでお楽しみにー!

★ロンドンの音楽情報、イギリスのフェス情報に関する細かい情報はこちらのブログ「LONDON COLUMNING」からチェック!

津田昌太朗(aka 猫目黒)

コラムニスト

2013年に博報堂を退社し、世界中の音楽フェスを巡るプロジェクトチーム「Festival Junkie」をロンドンにて発足。ゲリラ的に取材した世界中の音楽フェスの情報をサイト上にアーカイブ化し、日本人の海外フェス参加を後押ししている。2015年からは再度東京に拠点を移し、Charlotte inc.を設立。音楽ビジネスを中心としたコンサルティング、アーティストマネジメント、「富士祭電子瓦版」「EDMMAXX」「Festival Life」など、様々なメディア運営などを手がけている。

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