「Google Chrome-初音ミク篇-」のCM楽曲“Tell Your World”を筆頭に、数々の初音ミク楽曲を制作し、ムーヴメントを牽引したkzのソロプロジェクト、livetune。2014年にはSEKAI NOOWARIのFUKASEやゴールデンボンーの鬼龍院翔らリアル・ボーカリストを迎えた”adding”アルバム『と』をリリースし、kzの新たなクリエイティビティの方向性を感じさせてくれました。そのアルバムにも参加していた、いわゆる青文字系モデルとして活躍するやのあんなをパーマネントなボーカリストとして迎え、ユニットとして始動したのがlivetune+

すでに4月にはCAPSULEやきゃりーぱみゅぱみゅらとともにイベント<unBORDE 5th Anniversary Fes>にも出演した彼らが、いよいよ1stEP『Sweet Clapper』を5月11日にリリース。ギターサウンドなどkzのバックグラウンドであるロックなエレメントも打ち出した、livetune+ならではの世界観が構築されています。驚くほど音楽的な背景が異なる二人、どんなバランスで活動しているのか、興味津々。その鍵となる「ルーツの5曲」もそれぞれ選曲してもらいました。

INTERVIEW:kz、やのあんな[livetune+]

                

livetune+のルーツを辿るそれぞれの5曲 interview160518_livetune_4

livetune+のルーツを辿るそれぞれの5曲 interview160518_livetune_5

kz“livetune+に関してはバンドでやったりしても面白いように作りたいところがあって、そういう意味での生感は意識しています“

 

——livetune+はサウンドに生感がありますね。これはどんな意識で?

kz 昔の僕の曲は打ち込みが100%で、生で再現するのは不可能みたいな曲が多かったりするんですけど、livetune+に関してはバンドでやったりしても面白いように作りたいところがあって、そういう意味での生感は意識してはいますね。

——歌詞はkzさんが書いてきたものにやのさんが突っ込みを入れたり?

やのあんな(以下、やの) そうですね、たまに。kzさんが書く詞が割とファンタジーな感じが多くて、女子よりも女子な歌詞を書いたりするんですよ。でも私もう24で周りにモデルやっていたり女子大出身だったりして女の子が多くて、結構女子のエグい部分を見てきたので(笑)。これはちょっとファンタジックすぎるなと思うときは言ったりしています。

——なるほど。やのさんが今回、特に好きな楽曲は?

やの やっぱり一番は“Sweet Clapper”ですよね。すごい背中押してくれる曲で。最初、この曲ができてきた時に「おおkzさん、私を想定して書いた歌詞なんじゃないか?」ってぐらい自分に当てはまるっていうか。メロディもすごく好きだし、一番思い入れがありますね。それにこの曲はみんなで歌うシーンもあって人の声がたくさん入っていたりするし、それが好きだなと。野外で大勢の中で歌うイメージ、それがいいなという感じです。

——最初の話に戻るんですが、kzさんのサウンドの変遷を感じるんですよね。

kz ギターってなんか前向きなんですよね、音が。やのにはギター似合うっていうのは前から思っていて。思想もどっちかというとロックに近い。大雑把な部分は大雑把だし(笑)、例えばPerfumeだったりきゃりーだったり、それぞれの拘りや作り込まれたイメージをすごく大事にしていると思うんですけど、やのはどっちかというと好き勝手にやらせた結果、後に残ったものがよかったみたいな方が面白いなと思ったりするので、どっちかというとバンドサウンド寄りになっているのかもしれないですね。あとはライブがやりたいっていうのも大きくて。DJだと一期一会過ぎるし、それだったらライブみたいに毎回来てくれるような人がいるようなものをちゃんと作っていかなきゃいけないなと思いますね。

——ネットの世界で時代を席巻したkzさんの新たなスタンスですね。

kz 昔はもっとインターネット・リテラシー高い人たちがやっていたんですけど、さすがに日本人みんながツイッターとかSNSやるようになっちゃうともう現実社会だし。だったら普通に現実へ手を伸ばさないと繋がんないよなって話です。

やの “歌って踊るっていうのが好きになったのがモー娘。だったんです”

次ページ:2人のルーツとなる楽曲プレイリスト!