随分と前回の更新から間が空いてしまいました……己のキャパシティーの小ささゆえに首がまわらなくなってしまっているのが原因なのですが、2017年はもう少し余裕をもって生きていきたいです。というわけで今年もよろしくお願いいたします(遅い)。そんな私は相も変わらず音楽制作をしております。担当している仕事のメインが音楽制作……なはずなのですが、それが占める割合ってだいたい5%くらいなんじゃないかということに最近気づきまして。そりゃもう愕然としました。少なくとも30%くらいはあるものだと思っていたので。音楽制作に費やしている時間は意外と少ない。良く言えば筆が速いということなのかもしれませんが、本音を言ってしまえばもっとクリエイティブに費やす時間を多くとりたいですよね。

【Lyric, Qetic, Music】第七回「お久しぶりです、たまには機材の話を」 109409-700x525
DAVAのピック。左がティアドロップ型で右がジャズタイプのもの。
持つ場所によってしなり具合が変化するんです。滑りにくく、安定しやすいのでおすすめです。

私はギターを弾くんですが、音を鳴らすためにピックというものを使って弦を弾くわけなんですね。これがまた奥が深いんです。ギターを始めたのは13歳くらいのときだったんですけど、14~15歳くらいのときにはもうすでに一丁前に愛用のピックというものを持っていて、つい最近まで同じ型のものを使い続けてきたんです(もちろん使っているうちに削れていくので買い替えたりはするのですが)。つまり十数年もの間、同じものを使い続けてきたわけなんですね。それを思い切って別の型のものにしてみたんです。やっぱりタッチというか、ピックが弦を掴む感じがちがうんですよねえ。ちなみにDAVAという名前のピックにしてみたんですが、これがまた不思議なピックでして。言葉ではなんとも説明し難いので、ぜひ試してみていただきたい。私は写真の右側に写っているジャズタイプのものが好みです。そう、赤いやつです。左は普通のティアドロップ型。あまり硬すぎるピックはおすすめしません。ほどよくしなるものがいいですね。

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マイクシュミレーターのプラグインの画面と、マイク本体。
このマイクひとつでいろいろなマイクの音をシュミレートすることができるんです。

歌録りはもちろんマイクを使ってするわけなんですが、そのマイクにも最近シュミレーターというものが登場しまして、ひとつのマイクでいろいろなマイクの特性を再現できるようになったわけです。「どうせ薄っぺらい音がするんでしょ?」と思ったそこのあなた、実際に試してみると驚きますよ。私も使ってみるまでは半信半疑だったわけなんですが、録り音を聴いてみると実践で十分使えるクオリティなんですよね。録りたい音のイメージにマッチするマイクにいちいち交換する必要がなくなっただけでだいぶストレスが軽減されます。一昔前のギターのアンプシュミレーターは繊細なタッチや空気感までは再現できていなかったのですが、最近のシュミレーターはもう本物と遜色ない音を出力してくるんです。さらには減税ドラム用のマイクのシュミレーターの開発が進んでいるとのことで、テクノロジーの進歩にはただただ驚かされるばかりです。

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スピーカーキャビネットだけ録音ブースに入れて、アンプヘッドはコントロールルームに設置。快適に音作り。
これがコンボアンプ(スピーカーとコントロール部がいっしょになった型のもの)だと音色を変えるたびにブースに入ったりしないといけないので面倒なんです。

でも、なんだかんだでいつもアナログに戻ってきてしまうのはなぜだろう。自分が昭和の人間だからだろうか。真空管アンプに直結して、エフェクターも介さずにアンプヘッドでドライブさせた音をリボンマイクと57の組み合わせで録る。これが最近の鉄板の手法なんですが、ようやく”自分の音”というものが見えてきた、ような気がする。そう思った矢先にまた路頭に迷ったりもするんですけどね。だからこそやめられないのかもしれない。ほんと、この旅はいつまで続くんでしょうかね。