フェスにはいつもそれまでの経験を上塗りする奇跡の瞬間がある。その時聴いた音は耳の奥に残り続け、その時見た光景は一生記憶されるのだ。昨年以上の盛り上がりを見せた<DEKMANTEL FESTIVAL2015>の現地レポをお届けしたい!

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今年の<DEKMANTEL>は開催前から異様な空気に包まれていた。海外の転売サイトでは、1枚のチケットに対して2,000人もの購入希望者が殺到、開催数日前まで連日嵐が吹き荒れ、7月なのにダウンを要するほどの異常な寒さ。本当に開催するのか? という心配の声も上がる中、開催当日を迎えた。

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ヨーロッパ特有の容赦なく照り散らす焦げ付くような太陽のもと、嵐が来たことなんてまるで夢だったかのように平然と幕を開けた<DEKMANTEL FESTIVAL2015>。なぜだか分からないけれど、このフェスは何があっても微動だにしない底知れぬパワーを感じさせるのだ。実際、気温はぐんぐん上がり、最終日には熱中症になるのではないかと思うほどの真夏日となった。

ステージは昨年と全く同じ配置、エントランスを入った先にメインステージ、フードコートを挟んで室内ステージのUFO、右奥の森林エリアには、木に囲まれたSELECTORSステージ、一面ガラス張りの屋根付きステージはRed BullによるTHE LAB、一番奥のBOILER ROOMの計5ステージ。1年振りの再会となったアムステルダムセ・ボスの会場は来場者数の多さからか、少し狭く感じたが、ロケーションの美しさは相変わらずで、昼と夜とそれぞれ最高の光景を見せてくれた。

今年はオープニングからSan Proper、16時にはRicardo Villalobos×Zipという前のめりにならざる得ないタイムテーブルとなっていたが、Ricardoがどことなくいつもの調子が出てないように思えた。数回に渡る針飛び、ZipとのBack to Backもあまりうまくいっていない様子で、グルーヴィーな展開はほぼZipのパートとなっていた。ベルリン在住でも滅多に見れないスターDJ同士による貴重なBack to Backだったのだが、これなら個別で聴いた方が良かったというクオリティーだったのがとても残念だった。何事もあまり期待をし過ぎてはいけないようだ。

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San Proper

期待通りどころか、期待以上のプレイを見せてくれたアーティストもいる。レジェンドRoy Ayers Ubiquityである。テクノやハウスのDJがほとんどを占める中、JAZZの生バンドはかなり貴重な存在だった。THE LABのステージは予想を上回るオーディエンスの数とライブの迫力に怯むほどだった。

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Roy Ayers Ubiquity

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