Posted on 2010/01/25 月 13:38 Music |
オ・ルヴォワール・シモーヌ
日本語の持つ即効性と、賞味期限の早さは、時に恐ろしくすらある。昨年の夏ごろまでは、青文字系(そろそろ死語か…)のお洒落な女のコたちの代名詞だった「森ガール」というキーワードも、今では「スイーツ(笑)」に近い蔑称めいた響きが加わったように思える。だが、このコンピレーションに収録された女性アーティストたちはどうだ? 写真を眺めるだけでも、まるで18世紀の童謡から飛び出してきたかのように可憐で、ナイーヴで、奔放で、美しく、携帯電話なんか持ってなさそうに見えるじゃないか(まあ、本当はiPhoneを使いこなしているかもしれんが)。
「不思議の国のアリス」をモチーフにしたという本作『フロム・メランコリー・ガーデン』は、メロウなアコースティックからエレクトロニカまでジャンルは問わず、音もルックスも「リアル森ガール」な雰囲気を纏った海外女性ミュージシャンの楽曲をコンパイルした、全15曲収録の魅力的なエスケープ・ソング集だ。それも、ありがちな俗っぽい企画盤ではなく、稀有な才能を備えた女性シンガー・ソングライター/バンドの音源だけを意識的にセレクトしているので、彼女たちの存在を世に知ってもらうキッカケとしても、これ以上ないガイドブック代わりになるだろう。

グレゴリー・アンド・ザ・ホーク
1曲目を飾るのは、Tiger TrapやSoftiesのメンバーとしても知られるRose Melbergの“Irene”で、跳梁するピアノと透明感のあるボーカルが冒頭にピッタリ。アンニュイな歌唱による2曲目“Nocare”は、スウェーデンのSiriという女性のソロ・プロジェクトBand In Boxによるもの。生々しいアコースティック・ギターの調べが乗るDomingoの“From The Start”は、ちょっとホセ・ゴンザレスっぽいかもしれない。4曲目の“ザ・ラッキー・ワン”は、おそらく収録アーティストの中でもっとも国内での知名度が高いオ・ルヴォワール・シモーヌのデビュー・アルバムから抜粋。「鍵盤と戯れるヴァージン・スーサイズ」とも名付けたくなる彼女たちのライヴはとにかく必見だ。何と言っても個人的に嬉しいのは、9曲目のグレゴリー・アンド・ザ・ホークの名前。昨年にASIAN KUNG-FU GENERATION主催の<NANO-MUGEN FES.2009 前夜祭>にて初来日も果たしており、唯一無二のスウィートな歌声を有する、今もっとも注目すべき3人組である。

ホワイトヒンターランド
全編通して、ピアノかアコギを軸にしたオーガニックで温もりのあるサウンドが特徴で、吐息のようなウィスパー・ヴォイスだったり、グロッケンシュピールを用いた躍動感に溢れる楽曲だったり、勇壮なホーン・セクションが鳴り響く曲もある。さすがに実験性に富んだナンバーは選曲されていないため、真新しさは感じられないが、都内のカフェでBGMとして使わせておくのは勿体ないほど充実したアルバムに仕上がっている。このピュアなブルー・アイズの世界観は、どう転んでも日本人には作り出せないだろう。西洋の美意識が生んだメランコリーとノスタルジアに、暫しの間まどろんでみてほしい。
(text by Kohei Ueno)
Artist: V.A.
Title: From Melancholy Garden
NATURE BLISS
NBCD005
\2,300(tax in)
これが本当の「森ガール」ですよ! 全15曲収録のメランコリックなコンピレーã. – http://tinyurl.com/yadctbl
RT @Qetic: これが本当の「森ガール」ですよ! 全15曲収録のメランコリックなコンピレーã. – http://tinyurl.com/yadctbl
QeticさんがFrom Melancholy Gardenを掲載してくれています!素晴らしい文章に感謝!http://www.qetic.jp/categories/music/16172.html