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トロピカリズモ極まる! デヴェンドラ・バンハート初の単独公演は、東京の夜を南米に変えてしまった

Posted on 2010/02/08 月 18:08 Event

photo:yuki kuroyanagi

2010.02.05 (fri) DEVENDRA BANHART AND THE GROGS @ 代官山UNIT

春だと? ふざけるな! そう叫びたくなるほどの寒波に見舞われた東京の夜に、南米からホットな風が吹き込んだ。2006年の<サマーソニック>以来の来日で、初めての単独ジャパン・ツアーとなった、デヴェンドラ・バンハートの代官山UNIT公演2デイズ。その2日目に足を運んだのだが、終始オレンジ系の照明だけがぼんやりと照らすシンプルなステージ構成ながら、季節が冬であることや、自分がいま日本にいることを忘れてしまうほど異国情緒に溢れた、ムーディーで心温まるパフォーマンスに感服。


トロピカルな選曲のSEが鳴り止み客電が落ちると、キャラも髭も濃すぎるバック・バンド、ザ・グロッグスの4人に続いて「デヴェ様」が遂に降臨。かつての黒魔術師のような出で立ちに比べると髪の毛と髭がだいぶ短くなり、頭にはストロー・ハットを乗せ、ダンガリー・シャツを白いチノパンにインするという、すっきりした伊達男風ファッションには少しばかり面食らう。1曲目こそ“ロング・ヘアード・チルドレン”だったものの、基本的には最新アルバム『ホワット・ウィル・ウィー・ビー』からのナンバーが中心で、音源よりも強くヴィブラートを効かせた、デヴェンドラの時代を超越した低域ヴォイスが場内に響き渡る。小刻みに全身を揺らし、時にキュートな裏声シャウトでおどけてみせたりと、ショウマンシップにも抜かりなし。バンドとしてのコンディションも申し分なく、小粋なジョークを挟みながら英語、ポルトガル語、スペイン語が飛び交うステージの上は、まるでラテン映画そのままの世界だ(ドラマーのGreg Rogoveが、俳優のガエル・ガルシア・ベルナルにそっくりだったことも加担している)。


「ごめんねー、日本語全然わからんのよ」とMCで発言していたものの、1曲終わるごとに「ドウモ!」と、ご丁寧にオーディエンスに礼を述べるデヴェ様。4曲目の“アンジェリカ”を演奏する前には、「今日のライヴを、マキ・アサカワに捧げたいと思う。彼女は、ニコやジャニス・ジョップリンにも引けを取らない、とても素晴らしいアーティストだったよ」と告げて、先日急逝した日本を代表するジャズ・シンガー、浅川マキを追悼(最近のライヴは、こういうシーンが異様に多い気がする)。中盤はグロッグスのメンバーが一度ステージ袖に消え、デヴェンドラによる弾き語りモードへ。アコギとウーリッツァーを行き来しながら、「Everyting,Everywehre!!」と言ってワインで乾杯したり、外国人客と絡んでみたり、すこぶるご機嫌。白眉はやはり、ジョニー・サンダースの“ユー・キャント・プット・ユア・アームズ・アラウンド・ア・メモリー”のカヴァー。静謐な空間を切り裂くように、魂を込めて熱唱したデヴェンドラの歌声は鬼気迫るほどの壮絶さだった。

photo:yuki kuroyanagi

photo:yuki kuroyanagi

ライヴも折り返し地点、エコーの効いたコーラスが小気味良い“フーリン”が披露されるころにはグロッグスの面々もステージに復帰し、合間合間でそれぞれのヴォーカル曲が挟まれ、見せ場はたっぷり。とりわけ嬉しかったのが、ロドリゴ・アマランチ(G,Key)が歌ったリトル・ジョイ(ロドリゴと、ザ・ストロークスのファブリジオ・モレッティらによるバンド)の“ノー・ワンズ・ベター・セイク”。デヴェ様にも負けない個性豊かな4人のメンバーだが、楽器はもちろんマイクをとっても超一流で、オーディエンスを楽しませるプロ意識の高さには、舌を巻きっぱなし。


「プシュッ」と景気のよいビールの開栓音が響き、心地よいグルーヴとアルコールが場内を満たした“シー・ホース”以降の終盤は、エフェクターを駆使したロックンロールでサイケデリックな怒濤のアンサンブルが炸裂。ホワイト・ストライプス並みにブルージーな“ラッツ”で本編を終え、アンコールに応えてカムバックしたデヴェンドラは、ギターを抱えたまま床に倒れ込んでディープ・パープルのリフを弾くなど、素面なのか酩酊なのかわからないほどのテンション。冒頭と同じく、名作『クリップル・クロウ』から“チャイニーズ・チルドレン”と“アイ・フィール・ジャスト・ライク・ア・チャイルド”という、「チャイルド3部作」で完結したこの夜のセット・リストは、なんと全23曲にも及ぶ大ボリューム。「アリガトー」と手を振りながら退場する5人に、惜しみない拍手が贈られたのは言うまでもない。


弱冠20代にして「カエターノ・ヴェローゾの域に達した!」とさえ喧伝されるデヴェンドラ・バンハート(と、グロッグス)のライヴ・パフォーマンスは、とにもかくにも、東洋人に生まれたことを悔やみたくなるぐらい最高のエンターテインメントと呼べるものだった。デヴェ様と、彼の音楽に乾杯!

(text by Kohei Ueno)



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DEVENDRA BANHART / WHAT WILL WE BEArtist: DEVENDRA BANHART(デヴェンドラ・バンハート)
Title: WHAT WILL WE BE(ホワット・ウィル・ウィー・ビー)
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>> Musicで紹介!デヴェンドラ・バンハート



■過去カタログ
スモーキー・ロールズ・ダウン・サンダー・キャニオンArtist: DEVENDRA BANHART(デヴェンドラ・バンハート)
Title: スモーキー・ロールズ・ダウン・サンダー・キャニオン

リジョイシング・イン・ザ・ハンズArtist: DEVENDRA BANHART(デヴェンドラ・バンハート)
Title: リジョイシング・イン・ザ・ハンズ

 


 


 
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2 Responses to “トロピカリズモ極まる! デヴェンドラ・バンハート初の単独公演は、東京の夜を南米に変えてしまった”
  1. Qetic より:

    トロピカリズモ極まる! デヴェンドラ・バンハート初の単独公演は、東京の夜… – http://tinyurl.com/y8frj7s

  2. U.K. より:

    デヴェンドラのLIVEレポ執筆しました:) 写真の服装が、別の日のものだというツッコミは一切受け付けません。http://www.qetic.jp/categories/event/16811.html