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事件発生から49年が過ぎた名張毒ぶどう酒事件が、6日の最高裁決定で審理を名古屋高裁に差し戻されました。この国の刑事事件で被告が有罪判決を受ける確率はなんと99.9%です。裁判は検察の主張を鵜呑みにして追認しているにすぎない状態であると言っても過言ではありません。その中にはどれだけの冤罪が含まれているのかと考えると背筋が寒くなります。
 

神戸酒鬼薔薇事件が冤罪だということはずっと前に生田弁護士から聞いていました。にわかには信じがたいことであり、少年事件ということで非常に興味があったのですが、調べる機会もなく、今まで来ました。去年の10月10日に行なわれた死刑廃止のシンポジウムに生田弁護士がシンポジストとして参加されたので、それを聞きに行ったところ、神戸事件でA少年に有罪の審判を下した神戸家裁(当時)の裁判官だった井垣康弘弁護士も参加されていて、「えーっ!この人が」と思い、それをきっかけにネットで調べて、3冊の本を読みました。そのうちの1冊「神戸酒鬼薔薇事件にこだわる理由 『A少年』は犯人か」 (後藤昌次郎著 現代人文社2005年)から、神戸事件が冤罪であるという証拠をご紹介します。
 

まず後藤弁護士は著書の序章で次のように書いています。
 

「A少年犯行説に疑問を持ったのは、噂や伝聞や出所不明のマスコミ報道ではなく、A少年を犯人と断じた正統的文書による。それは、第一に神戸家庭裁判所裁判官による決定要旨、第二に検察官作成のA少年の自白調書、第三に裁判官の命によるA少年の精神鑑定、第四に前弁護人(付添人)の手記である。これらは捜査と審判に関する正統的な文書だが、内容も正当と鵜呑みにするのは危険である。権力と権威の所産だからといって内容が正しいとは限らない。むしろ正統であるがゆえに正当でなく、正当と誤信させられる危険がある。政治・行政の場合だけでなく、独立・公正を建前とする司法の場合も例外ではない。冤罪がその典型である。このことを神戸酒鬼薔薇事件について、証拠と道理に基づいて具体的に明らかにしていきたい」
 

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