「元気で明るい子だったから信じられない」

人気グラビアアイドルが自殺したというニュースにコメンテーターや関係者がそう言葉をかけているけれど、実際に「元気で明るい子」がそう簡単に死ぬはずがないと思う。

このニュースをみて、昔、自分が売れないアイドルだった時、どれだけ“大人の事情”にふりまわされたか。ゲロを吐きたくなるような黒い事情に気がめいったかを思い出した。

最近よく「韓国の芸能事務所は所属アーティストやタレント、アイドルを殺す気で商品化する」とか「事務所を大きくする為に商品をカットしてその反応で新しい商品を開発する」なんてお隣の国の芸能事情に「韓国の芸能事務所って恐いね」なんてノンキな事をウワサしている韓流ファンもおりますが、いやいや日本こそ「伝統芸能的」に同じようなことが行われていますから。というより、「お手本」にされてもおかしくないんでは‥。

日本ほど低年齢アイドルを抱えて、それが実際にお茶の間で人気になってしまうような国は他にないぐらいアイドル文化は独特。

そんな中、事務所が生き残る為には単にアイドルをヒットさせればよい訳でもないし、売れないアイドルを脱がせてお金に代えればいいほどシンプルではないとか。

「安全、安心、アットホーム」だと公言する事務所ほど、かわいい娘をスカウトしたその後、大人の事情が詰まり詰まった黒くてえげつない「一流アイドルに育てる為の仕込み」が熱心だ。

アイドル育成の仕込みとして必ず行かされる地方営業。

「朝10時に○○空港に集合」と、ただ飛行機のチケットだけ渡されて仕事の内容もよくわからないままに地方営業をさせられることは多々。ローカルなラジオ局やTV局に簡単な挨拶をして、これからお世話になるという企業のティッシュ配りを悪趣味なコスチューム姿でさせられる。「これも売れる為だから」この言葉を信じてなんでもやります。

ここで「お世話になる企業」というのが肝なわけで。

地方営業で一番の山となるのはここ。もちろんコスチューム姿でティッシュ配りが山なわけでなく、お世話になる企業とはここを第一歩に深くながーい付き合いになっていく。

伝えられたスケジュールにある「夜の現場」でいかに頑張れるか?ここでその子の未来も事務所の未来も切り開かれるのだから。地方企業のおじさまを大スポンサーに従え、CMもレギュラー番組もばっちり獲得。「こんな話聞いてません」なんて言葉は通用しない、「これも売れる為だよ、頑張って」と安全で安心な事務所の担当者から励まされ、それでも拒むならば「頑張れないなら芸名に花の名前なんてつけるな」と冷たくあしらわれる。

メジャーで売れてからもこの大スポンサーとのお付き合いを切ることは難しい。

禿げてて、いつも額と鼻に汗をかき、ベルトにずっしりと腹がのったこれぞ伝統芸能といえる姿のおじさんは、味もクソもわからない麻痺した舌でミシュランがなんだとか、やったら背の高いホテルのレストランに行きたがり「金だけはある」をアピールする。

裸になったら自分の下半身を確認することすら難しいくせに、やたらと注文だけはつけたがる身の程しらずのおじさん。丸腰で接待をされてイイ気になるおじさんこそ事務所のカモなわけで、賃貸契約のようにいつまでもそこそこのスポンサー料を支払っていればいいだけでない。

「責任をとってくれ」、アイドルが悩み鬱になる、薬にハマる、何かに追い込まれ自殺なんてした日にはこれといった根拠はなくても責任をつきつけられる。こうなったら大スポンサーはスキャンダルを恐れて、「これで許してくれ」なんて、それ相当のお金を事務所に支払う。このサイクルは何十年経っても変わることなく存在して、変わっていくのはその間で苦しむ“売れたいアイドル=商品”だけ。

いわゆる“第一線”で活躍できるアイドルや女優、タレントなんて氷山の一角にすぎないけれど、そのお立ち台にあがれる方法はそう簡単ではない。

生まれもってパワーに守られて育った、とにかく金だけはある家柄、相当なバカである、とにかく「運」がよかった、そして「お祈り」上手だった、とか。

芸能の場とは本当に一筋縄ではサヴァイブできない世界なのです。

大女優もそのうち、お笑い芸人という汚れたプロセスを経た方がリスクが軽かったりして。

清き黒い芸能事務所と、お金と性でイイ気になるおじさん(結局カモにされるんだけど)の茶番劇にふりまわされるアイドルは、なにをやってもその茶番劇を盛り上げるパフォーマンスに過ぎないのか?ピュアな娘を喰い物にするお前らの先祖はゴキブリに違いない。