2013年10月8日(火)から10月20日(日)の13日間、株式会社アクタスがデンマーク大使館と共同主催による企画展<SIX DANISH DESIGNERS>を開催する。

2011年ニューヨークの国連総本部ビルの全面改修に伴い、デンマークの巨匠、フィン・ユールが50年代に設計した信託統治理事会会議場(Trusteeship Council Chamber)の家具デザインコンペに招致された6人のデザイナーをフィーチャーし、そのコンピティテイションにて提案されたプレゼンテーションや彼らのデザインフィロソフィーをみる事ができる企画展となっている。

巨匠フィン・ユールが成し得た偉業から60年以上経過した今、その完成された空間にデンマーク現代デザインを融合させた6人のデザイナーの貴重なプレゼンテーションをパネル展示でみる事ができる。また、会場では国連総本部会議室に実際に置かれている巨匠フィン・ユールの“FJ51チェア”のほか、デザインコンペで優勝した「キャスパー・サルト&トーマス・シグスコー」の受賞作品の実物も展示されるという。ぜひ、この企画展でデンマークデザインの“今”を感じてみてはいかがだろうか?

Six Danish Designers Profile

Kasper Salto&Thomas Sigsgaard
キャスパー・サルト(1967年生まれ)とトマス・シグスゴー(1966年生まれ)は「今あるもの を、より良くする」という哲学に従ってデンマーク国内外で大成功をおさめ、キャスパー・サルトは2010年のフィン・ユール・デザイン賞を受賞しました。2人の家具デザイナーは2003年から交流を深め、 2005年にコペンハーゲンの中心地に共同スタジオを設立。ニューヨーク国連本部の新しいデンマーク家具のデザイン・コンペ参加をはじめ、多くの大型プロジェクトを手がけています。

Christian flindt
クリスチャン・フリント(1972年生まれ)は、建築家として教育を受けた若く才能溢れるデザイナーです。座り心地のみならず、エレガントで表情豊かな、時代を超えた椅子のデザインです。彼の代表作で ある「リップル・チェア」は、2008年デンマーク・デザイン賞(Danish Design Award)を初め、多く の賞に輝いています。フリントのデザインは大胆で斬新と評され、彼自身も型破りで実験精神に富む新 しいタイプのデザイナーの一人と言われています。2003年に独立し、デンマーク国内外で行われるデザイン展にてその才能を発揮しています。

Mia Gammelgaard
ミア・ガメルゴー(1964年生まれ)はクリエイティブなマインドと生産プロセスへの関心を併せ持ち、美しさ、シンプルさ、実用性、そしてウィットで知られる家具をデザインしています。常にユーザーを中心に見据えた彼女のこうしたアプローチが、IKEAとのコラボレーションや、そこから発生した量産化を通し、彼女の家具を世界的に有名にしました。ガメルゴーはストックホルム生まれですが、IKEAの仕事の一環として1993年にコペンハーゲンに移り住み、以来コペンハーゲンに在住しています。コペンハーゲンでは公私ともにニルス・ガメルゴーとパートナーを組んでいましたが、2005年からは単独で製作をしています。

Hans Sandgren Jakobsen
ハンス・サンガイン・ヤコブセン(1963年生まれ)は、家具の余分を極限まで削ぎ落とすことでデザインが輝き、世界に通じる魅力を高めることができると考えています。美的ミニマリズムと並ぶ彼の信条の一つは、家具は集団の中で突出していなければならず、他の家具との関連性を喚起するものであってはならないということです。家具はユニークな(独自性のある)存在である必要があります。一方で、「美は目的への適合性に内在する」ため、美的要素と実用性を両立させることも極めて重要です。こうした 姿勢がデンマーク国内外で幅広く評価され、彼の作品の量産化につながりました。

Søren Ulrik Petersen
ソーレン・ウルリック・ピーターセン(1961年生まれ)長いデザイナー人生を通じ、遊び心のある創作スタイルを貫き、常に商業的な発想よりも創造性を優先してきました。彼はデザインよって実用性や 機能性を、意外性や空想性といった要素と統合する能力を持っています。こうした要素すべての根底にあるのは、機能、一体感、夢という3つの基本テーマです。ピーターセンのデザインはソルト&ペッパーの瓶から、エレガントで時に革新的な木製家具まであらゆる分野に及びます。ニューヨーク近代美術館で 作品が展示される一方、大手家具メーカーILVAで商品デザインを手掛けた経験があることからもわか る通り、狭い芸術界と、大規模な産業界のどちらにおいても高く評価されています。

国連本部信託統治理事会議室プロジェクト

プロジェクトアルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナー、ポール・ケアホルム。綺羅星のごとく現れた天才デザイナーたちと、彼らの感性を具現化する熟練のスネーカーマスターたちとの協業により、数多くの名作家具が誕生した1940年から50年代のデンマーク。

その後のインテリアデザイン界に決定的な影響を与えたこの時代の作品のなかでも、建築家・デザイナーのフィン・ユール(1912〜1989)が1949年のギルト展で発表した「Chieftain Chair」は、その造形的な美しさと高い職人技術が結実した特別な一脚として知られている。そして、彼の名を一躍世界に轟かせることとなったのが、1952年に完成した国連・信託統治理事会の会議場デザインプロジェクト。会議室で使われる家具から、照明や壁板、床に敷かれるカーペットなどの細部までを手掛けたこのプロジェクトにより、アメリカだけでなく世界中からの評価と、その後のデザイン界での地位を揺るぎないものにした。

2012年フィン・ユールの生誕100周年を記念して行われた、信託統治理事会の会議場のリノベーションプロジェクトで、議場中央に置かれる新たな理事席のデザインコンペティションが開催され、6人のデンマークデザイナーが指名された。未来を嘱望されるデザイナーたちのハイレベルな作品群の中、から選ばれた“キャスパー・サルト&トマス・シグスゴー”のデザインは世界中から要人を迎えて開催される会議場の椅子に求められる「堅牢」、「快適」そして「美しさ」といった共存が困難な要素を見事にクリアした逸品だった。

Event Information

SIX DANISH DESIGNERS
HONOURING THE LEGACY OF FINN JUHL

開催日程:2013年10月8日(火)〜20日(日)
時間:11:00〜20:00
開催場所:アクタス青山店
TEL:03-5771-3591
主催:デンマーク大使館、株式会社アクタス
協賛:Lightyears、Danishinteriors Co.,ltd.