ネオSF(少し、不思議)な世界感に中毒者が続出している、気鋭イレストレーター・うえむらの個展<ここは阿佐ヶ谷>が、10月11日(日)まで、阿佐ヶ谷・TAV GALLERYで開催中だ。

うえむらはTumblr(「寝る子がよく育った。」)の投稿などから人気を博し、現在までに個展<オルタナティブ日暮里>(HAGISO)の開催、マンガ連載『ハツカマロウド -Peppermint Girls-』(MANGA pixiv)、<オスカル祭 2014>(渋谷PARCO 4F ぱりゅこ)への参加、ファッションやMVへのイラスト提供など幅広い分野で活躍中のイラストレーターである。


本展キュレーターである青木彬は、うえむらの作品の魅力について次のように語る。「往年の漫画家を思わせるタッチの少女たち、ユーモラスでありながら切っ先の鋭い言葉、写実的な背景、限られた色の配色。これらが織り成すコントラストは、まるで抜け落ちた漫画の一コマのように時間的経過から逃れながらも、奥行きのある物語を想像させてくれます。」

うえむらはweb上で作品を無料公開している半面、一度印刷した作品は複製しないという志向がある。本展は、新作はもちろん過去に作成された作品や初公開となる落書き、原画など、今後も複製されることがないであろう作品によって構成されている。

本展への「出展」とは、データとして存在した作品が定着するインクへと「出力」されることであり、<ここは阿佐ヶ谷>はという展示タイトルが指し示す通り、阿佐ヶ谷という現実世界にインストールされる際の拡張子の「変換」と捉える事ができるだろう。うえむらにとっての再現性への敬意、または描かれる少女たちが抱えるノスタルジーに注目だ。

EVENT INFORMATION

うえむら 個展「ここは阿佐ヶ谷」

2015.10.01(木) – 10.11(日)
OPEN 11:00/CLOSE 20:00(休廊なし)
TAV GALLERY

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edit by Qetic・Akane Ishida