3.【Lifestyle】LAをベースにしたハーヴィーのプライベート・ライフ

2002年にイギリスからアメリカに移住したハーヴィー。9.11後でアメリカへ渡る航空運賃がたまたま安かったというのがその理由。そして、それは10年もの間、LAの縁にあるベニスビーチに腰を落ち着ける片道切符となる。ベニスビーチと言えば、スケートボードとサーフィンの聖地ドッグタウンがあり、バイカー、サーファー、スケートボーダーでもあり、2003年にスケーターのトニー・アルヴァの展覧会用に『Mad Dog Chronicles Soundtrack』を手がけることになるハーヴィーにとっては別天地だった。また、同時期にハワイのホノルルでハーヴィーは奥さんとサーティ・ナイン・ホテルを経営。ジャズやレゲエなど当地のオーガニックなライヴや結婚式やセミナーにも使われ、週末はダンスフロアになるというスペースだが、ここ数年、ツアーで忙しく、頻繁に訪れてはいないそうだ。

すっかりベニスビーチのトロピカルな生活に浸っているように見えるハーヴィーだが、ロンドンの雨や下町料理、ウナギのゼリー寄せが恋しくなるらしく、2012年にはロンドンの地に足を運び、凱旋パーティ(チケットはわずか1分でソールド・アウトを記録)も行うなど、10年間の空白を埋めてきたのだ。〈Crue-L Records〉の瀧見憲司、サキャスティックのポール高橋、「モイスト」と深い関わりを持つローライダーのDJ MARBOなど、ハーヴィーと日本のサブカルチャーとの交流も彼を語るにはハズせない。

「過去はヒストリー、未来はミステリー」とはDJハーヴィーの名文句だが、彼のヒストリーはヒズ・ストーリー、一部のマニアじゃない人にとってのミステリーにしておくのはもったいない話。彼のオープン・マインドなヴァイブレーショニズム(?)はきっと未知のオーディエンスを震わせるだろう。

(text by Nobuya Togashi)

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